(参考:N0192「カハマルカ県で抗議行動が再開」)

http://ameblo.jp/guevaristajapones/entry-11130133165.html


ペルーのオジャンタ・ウマラ大統領は、4月20日、テレビ、ラジオを通じて、北部のカハマルカ県で計画されている、米国のニューモント社による金と銅の発掘事業、コンガ計画について、その実施のための条件を明らかにした。コンガ計画はニューモント社が48億ドルを投資し、4つの湖を干拓し金の採掘を行うものであったが、この事業の結果、地元住民、農民の飲料水、農牧業用水、環境が汚染されるものと激しい反対運動が起きていた。ウマラは昨年11月に一旦計画を延期にしたが、今年の2月、防衛戦線(FD)などに参加する社会組織(先住民)や環境保護団体は、カハマルカからリマまで800キロを行進、そのスローガンは「水はシー、金はノー」であった。この4月には無期限ストに突入していた。


政府はスペイン人のラファエル・フェルナンデス・ルビオ、ルイス・ロペス・ガルシア、ポルトガル人のホセ・マルティンズ・カバリョなど国際的な専門家による調査を行っていたが、4月17日にその報告書の提出を受け、20日の政府としての決定になった。まず4つの湖のうち、アスルとチカに関してはこれを干拓しないものとする。当初計画されていたものの4倍の貯水能力を確保する。政府は住民にその量、手段、質で充分な水を保証する。会社にたいしては、10,000人の直接雇用を創出すること。また会社は社会基金を提供し、これは透明に運営され、灌漑施設、最も貧しい人々が飲料水を得るための手段、学校建設、医療施設、植林事業に使われる。これらの条件が満たされる場合、会社はコンガ計画を実施に移せるが、すべての条件はエネルギー・鉱山省、農業省、環境省によってその実行が保証される、というものである。


オジャンタ・ウマラは「政府はいかなる会社の横暴も許しはしない。計画は政府の新しい条件、すべてのペルー人、とりわけカハマルカの人々の利益になるものでなければならない」と言った。これらの条件を会社は受け入れることができるであろう。「これには敗北者はいない。ただ勝利者がいるのみだ」。


反対運動の先頭に立ってきた、カハマルカのグレゴリオ・サントス知事は、「これは状況を根本的に変えるものだ」と評価した。「現在カハマルカの諸組織は条件の内容を検討している。これはわれわれに、再び交渉の席につかせるものだ」と述べた。鉱山業はペルーの経済発展の原動力であったが、その悪影響も大きい。金の産出は世界で5位であり、年間182トンを生産、ラテンアメリカでの40%を占めている。(N0276)