(参考:0891「メルコスール3国、パレスチナ国家を67年の国境で承認」)


ボリビアは12月20日、パレスチナ自治政府、マフムド・アッバス議長に書簡を送り、ボリビアはパレスチナを1967年の国境線内のおける、自由にして独立した国家であることを承認した。これは1967年6月4日の第3次中東戦争(6日戦争)以前の、ヨルダン川西岸地区、ガザ、東エルサレムをパレスチナ国家の領土として認めるものである。


エボ・モラーレス大統領はボリビアは、「国連によって繰り返しなされてきた、パレスチナの占領の終結と独立国家の建設を要求する決議の内容を必要なものと認める」、と述べた。またボリビアは平和国家であるゆえに、「2008年末にガザにおいてイスラエルによっておこなわれたジェノサイドにたいして座視していることはできず、2009年1月にイスラエルと断交した」、経緯を述べた。


ボリビアの声明は、パレスチナ自治政府(ANP)によって歓迎された。パレスチナ解放機構(OLP)の交渉担当、ハビエル・アブ・エイドは、「兄弟国であるボリビアと、平和と国際条約を尊重する地域によってなされた決定」が正しい道であると声明した。イスラエルは、問題を解決し平和を成し遂げるためには、2つの国家と平和のうちに定住する問題を、解決しなければならない。


一方、イスラエル外務省は、ボリビアなどの決定は、1995年の合意、ヨルダン川西岸、ガザにおける国家は、イスラエルとパレスチナの交渉の結果によるという規定に反するものであると非難した。


ボリビアが1967年の国境線でパレスチナ国家を承認したのは、12月初めのブラジル、アルゼンチンに次ぐものである。それまではラテンアメリカにおいてパレスチナ国家を承認してきたのは、キューバ、ニカラグア、コスタリカ、ベネズエラであった。


すでにウルグアイのホセ・ムヒカ大統領は、2011年、パレスチナ国家を承認することを明らかにしている。これにエクアドル、パラグアイ、ペルーが続くものと見られている。12月22日にはチリ、サンチアゴ駐在のアラブ諸国の大使がアルフレド・モレノ外相と会談し、パレスチナ独立国家を承認することを要請した。


こうしたラテンアメリカにおける流れにイスラエルは危機感を強めており、ダニー・アヤロン副大臣は、メキシコ、チリの外務副大臣に電話をし、ブラジル、アルゼンチンに続かないように要請した。ラテンアメリカが大勢としてパレスチナ国家を承認することは、世界的な影響を与えようとしている。


イスラエルが最も恐れているのは、欧州連合(UE)諸国が、パレスチナ国家を承認することである。UEは2011年に100万ユーロをパレスチナ自治政府に援助することを約束している。パレスチナ、イスラエル間の交渉が失敗しているなかで、パレスチナは国連の場で一方的な独立決議を獲得することを目指している。(0907)


*この記事は、BBC Mundo, La Jornada, ABI, EFE, を参考にしました。