(参考:0578「クエジャル知事殺害をめぐる疑惑について」)


1月1日、コロンビアのガブリエル・シルバ国防相は、コロンビア空軍と陸軍の作戦によって、中東部のメタ州、カケタ州においてコロンビア革命軍(FARC)への攻撃がおこなわれ、成果をあげたと報告した。


シルバ国防相は、国民が家族と新年をいわっているときも、われわれの軍はジャングルで麻薬テロリストと戦っていると強調し、またアルバロ・ウリベ政権の「民主的治安」政策が前進していると述べた。


1月3日までの報道では、メタ州ビスタエルモサ市において、FARCの「第43戦線」キャンプにたいし、コロンビア空軍(FAC)が爆撃、そののち陸軍の「オメガ合同任務部隊」(FCTO)が侵攻、少なくとも200人規模の部隊とみられる「第43戦線」は、25人が戦死、13人が逮捕、8人が投降、5人が負傷と報道されている。


死者のなかには、ミジェル・オスピナ・コレア(通称、エル・アブエロ)、エリセオ・カイセド・ガルソン(通称、エル・ピトゥホ)、通称、エル・ネグロ・アルベルトの3人の指揮官も含まれていた。3人は、FARC軍事部門の最高責任者である、ホルヘ・ブリセニョ・スアレス(通称、モノ・ホホイ)の信任が厚かったとされる。


コロンビア国防相の発表では、キャンプからはミサイル25基、充分な戦闘備品、重要な情報資料を押収したとのことである。


オメガ合同任務部隊(FCTO)は、米国の「コロンビア計画」による資金援助による、「祖国計画」にもとづいて、コロンビアの中部、南部のジャングル地帯において、左翼ゲリラにたいする掃討作戦をおこなっており、国防省は、今回の作戦は、12月22日の、カケタ州のルイス・フランシスコ・クエジャル知事の誘拐・殺害事件にたいする、報復作戦の一環であるとしている。


ビスタエロモサ市のほかでも、アルヘシーラス市において、政府軍のパトロールのなかで、FARCとの戦闘があり、少女1人、兵士1人が死亡、4人が負傷したと報道されている。


FARCは、政府軍の攻撃のまえにその戦略を転換しつつあるとも伝えられている。12月17日には、第2の左翼ゲリラである、民族解放軍(ELN)との対立に終止符をうち、共同してウリベ政権と戦うことを明らかにした。ウリベ政権の7年間の「民主的治安」政策にもかかわらず、パラミリターレス(右派民兵)の活動も再活性化しているともいわれ、政策の転換をもとめる声も強い。(0582)