(参考:0467「米軍のコロンビア基地協定をめぐりウナスール首脳会議」)


8月30日、ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領は、外国報道人をミラフローレス大統領宮殿にまねき、記者会見をおこなった。8月28日にアルゼンチンのバリローチェで開催された南米諸国連合(ウナスール)臨時首脳会議の評価について、「肯定的」なものであり、「歴史的」なものであったと高く評価した。


バリローチェ会議は、コロンビアが米国とのあいだで最近締結した、コロンビア国内の7つの基地(空軍3、海軍2、陸軍2)を米軍の使用に提供する問題をめぐって、南米大陸12カ国の大統領が討議をおこなった。この問題をめぐっては、国境を接するベネズエラとエクアドルが、コロンビアと激しく対立しており、ベネズエラはコロンビアとの外交関係、通商関係の凍結を決定している。


チャベス大統領は、バリローチェの会議において、コロンビアの主張を支持する国は1国もなかったとし、コロンビアの孤立がはっきりしたとした。「ウナスールにおいて、アルバロ・ウリベ大統領の態度をみんなは見ることができた」。「かれは議論の本題からそれて、わたしを挑発しようとしたが成功しなかった」、「わたしを個人的に攻撃することまでおこなった」。


チャベス大統領は、コロンビアとの外交通商関係の凍結は継続され、より厳しく実施されるとした。すでにニコラス・マドゥーロ外相に対し、コロンビアとの国交断絶について準備するように命じたという。2008年のベネズエラ・コロンビア間の貿易額は72億ドルにのぼっている。基本的にベネズエラがコロンビアから食料、工業製品を輸入する輸入過多の構図になっている。チャベス大統領は、コロンビアからの輸入をアルゼンチン、ブラジルに置き換えるとしており、供給に不安はないとした。


コロンビア国内にはチャベス大統領と、エクアドルのラファエル・コレア大統領を攻撃する内容の広告塔がたてられていると、チャベス大統領は批判した。9月4日にはコロンビアのグループの呼びかけによって、世界の100か所で同時に、反チャベスの街頭行動が予定されている。チャベス大統領はこれにたいし、責任をとらせると警告した。「100か所で反チャベス集会が行われるならば、われわれは世界500か所で行動をおこそう。テーマはチャベスではなく帝国主義になる。そのスローガンは「ヤンキー、ゴーホーム」になるだろう」と語った。(0468)