(参考:0421「ホンジュラス、米州機構脱退へ」)


米州機構(OEA)は7月4日、臨時総会を開催し、クーデター政権がマヌエル・セラヤ大統領への権力の返還を拒否したことをうけ、33カ国の全会一致でホンジュラスのOEAからの追放を決定した(ホンジュラスを除外して)。セラヤ大統領は7月5日にホンジュラスに帰国することを重ねて言明し、支持者にたいして平和的な手段で行動するように訴えた。


アルゼンチンのクリスティーナ・フェルナンデス大統領は、ラテンアメリカにおける民主主義の回復のために高い代価を払ったのち、いままた軍事クーデターを認めないために集まらなければならないということが信じられないと述べた。


ホセ・ミゲル・インスルサOEA事務局長は、ホンジュラスのOEAからの追放を支持したが、セラヤ大統領の帰国にたいしては、非常に危険を伴うとして懸念する考えを述べた。またホンジュラスがOEAを脱退すると宣言したことについては、法的には何の意味ももたないとした。


ニカラグアのデニス・モンカダOEA大使はワシントンにおいて、同国がセラヤ大統領支持者にたいして武器を供給しようとしているという噂を否定した。またクーデター政権が、セラヤ大統領帰国時に流血の事件を起こし、これをニカラグア、ベネズエラ、キューバの責任に帰そうとする目論見があると非難した。


7月4日、数万人のセラヤ大統領支持派は、ペダゴヒカ大学からトンコンティン国際空港にむけ約10㎞のデモ行進をおこなった。デモは平和的で、空港の入口まで達することができた。この日は警察部隊が警備をおこなったが、5日には軍部隊が前面に出てくるのではと予想されている。


7月5日は正午に、セラヤ大統領、フェルナンデス大統領、エクアドルのラファエル・コレア大統領が到着する予定になっている。カトリック司教会議はクーデター政権を支持する立場にあるが、セラヤ大統領帰国は血の海を引き起こすと、その取りやめを要求している。セラヤ大統領は支持者にたいし、武器をもたずに空港に結集するように呼びかけている。(0422)