政府・与党は27日、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題に関する日米両政府の共同文書や、日本政府の対処方針を巡り、大詰めの調整を続けた。

 沖縄県外への移設を強く主張する社民党が共同文書や対処方針に、同県名護市の「辺野古周辺」を移設先として書き込むことに強く反対し、調整は同日夜も難航が続いた。鳩山首相は政府・与党内の決着を待って、オバマ米大統領と電話会談を行い、共同文書に合意したい考えだ。

 これまでの日米実務者間の共同文書に関する調整では、移設先の完成目標に関し、現行の環境影響評価(環境アセスメント)の活用を念頭に、当初の2014年から「著しい遅れがない」との表現が盛り込まれることになった。沖縄の負担軽減策に関しては「自衛隊による米軍基地の共同使用の拡大」の検討や、「沖縄県外への訓練移転の拡大」を盛り込み、候補地の一つとして鹿児島県・徳之島を明記することになった。

 社民党は27日朝の常任幹事会で、共同文書に「辺野古」と明記された場合、28日の閣議で福島党首(消費者相)が署名を拒否する方針を決めた。常任幹事会後に記者会見した重野幹事長は「私どもから連立政権離脱を言い出すつもりはない」と語った。その後、重野氏は首相官邸に平野官房長官を訪ね、社民党の方針を伝えたが、平野長官は共同文書から辺野古の地名を削除することは「不可能だ」と拒否した。

 これに先立つ同日午前の記者会見で、平野長官は「(日米)合意は2プラス2(外務、防衛担当閣僚)で政治的に決めている。一からやり直すことにはならない」と言い切った。

 その一方、対処方針に関しては、「閣議了解や閣議決定は好ましいが、中身が途中段階であるという場合は、そういう方針を『首相発言』として示すというのも一つの方法だ」と述べた。閣僚の署名を伴わない「首相発言」という手続きをとることで社民党の理解を得たいとの考えを示したものだ。

 ただ、福島氏の態度は硬く、国民新党代表の亀井金融相は27日夕、国会内で福島氏と会談し、連立にとどまるよう説得した。両氏は対処方針に「県外・国外移設を目指す」との文言を盛り込む考えでは一致したものの、福島氏は最終的な対応については党に持ち帰って協議するとした。

 首相は27日夜、福島氏が共同文書や対処方針に反対を続けた場合、閣僚を罷免する可能性を記者団から問われ、「そのようなことは一切考えていない」と言明した。

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