テールランプの群衆 | Group Ten

Group Ten

小川潤子、池田義隆、西村有加がグループ展に向けてブログを始めました。

深夜の皇居周辺は、昼の暑さが嘘のように静かで冷たい。
バイクで疾走すると冷気が腕に突き刺さる。痛い。
そのまま、246で渋谷方面へ。
三軒茶屋まで来ると、昼の暑さの余韻が残っていた。
生暖かく気持ちが悪い。

皇居に拒まれた気がした。
あそこは空気の層が違う。それは、昼夜問わずだと思う。

40代サラリーマンが携帯の画面を見ながら横断歩道を渡る。
中央近くまで来たところで赤信号だと気付き、間抜けな声をあげ慌てて元来た場所に戻ると、一緒にいた同僚達からからかわれていた。
そのサラリーマンが坊主頭であることで、その絵がいよいよ滑稽になる。

皇居はそんな空気の移り変わりさえも知らず、
いや、知っていたとしても、言葉で表現出来ない独特の空気を変わらず纏ったままなのだろう。

あの空気は皇居という存在が醸し出すものなのだろうか。
それとも、古来からそういった空気そのものが、あの場に流れていたのだろうか。


少し長めの信号待ち。遠くでサイレンが鳴いていた。