CDプレーヤー入替え・・ジョーシンのリョーシン | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

今週の日曜日、先月購入したCDプレーヤーをクルマに積んでジョーシン三宮1番館に

返品に行った。

CDプレーヤーは今のところ必要なので、ESOTERICに替わる機器を選定する目的もあった。

 

高速道路を使って片道50分だが、普段の通勤は片道2分だから、

こんな遠くまでクルマで行くのは久しぶりだ。

 

店に置いてある高級CDプレーヤーの音質と回転音を聴き比べてみたが、

対照用の機器として、自宅にある2万円のONKYO C-7030をバッグに入れて持ち込んだ。

わたしはワインでもCDプレーヤーでも持ち込むのが好きなのだ。

 

この静かな C-7030の回転音の大きさをレベル1とし、ESOTERIC K-03Xの回転音の

許せない大きさをレベル5として、店頭にある機器のレベルを判断してみた。

以下にその結果を述べる。

CDによっても違うし、クーラーの音や試聴室外の雑音もあるので、

かなりいい加減な判断である。

 

自宅の ONKYO C-7030 

回転音:レベル1 

 

今回返品したESOTERIC K-03X

音質は圧巻 回転音:レベル5

 

店頭にあったこれの後継機種 ESOTERIC K-03Xs の回転音:レベル3

 

ESOTERIC K−01X

高音質の機種  回転音:レベル2.5

K-03Xsより少し回転音は小さい。

 

LUXMAN D-06u

回転音:レベル1

 

Accuphase DP-720

100万円クラスの高級機 単体としてはアキュフェーズのフラッグシップモデル

意外なことに回転音:レベル3<

 

今回購入したAccuphase DP-560

回転音:レベル1

 

持ち込んだCD

ジュリアード音楽院出身のブラウン兄弟姉妹5人のピアニストによる

ストラヴィンスキーの春の祭典

 

5台のピアノが奏でるホールでのライブ録音である。

分離が難しいシチュエーションであるにもかかわらず、よく録れている。

ピアノからマイクまでかなり距離を取り、ホール感も感じられる。

演奏はエキサイティングで、原曲のオーケストレーションを知っていると非常に面白い。

 

 

 

アルビノーニ オペラのアリアと器楽曲集

美形のソプラノ アナ・クインタンスがアルビノーニを歌う

 

声楽が入ったアルビノーニの音源として極めて貴重なもの。

演奏自体は非常に華やかで、最近では掘り出し物の音源である。

新しい録音だが器楽の線が細く、バロックアンサンブルの録音としては神経質過ぎて

エッジも効きすぎである。

 

ジョナサン・ノット バンベルク交響楽団 

ブルックナー 交響曲第3番 第1稿 ノヴァーク版

SACD

 

演奏以前に録音に大きな問題がある。

ダイナレンジが広すぎて、ピアニシモにボリュームを合わせるとフォルテシモ部分では

スピーカーを壊すくらいの大音量になるし、フォルテシモに合わせると

ピアニシモが聴こえない。

 

このCDのプロデューサーは無能だ。

pfaelzerweinさんがコメントされているように、仮想音場をどう構築するかが

まるで分かっていない。

 

ではなぜこんなCDを持ち込んだのかと言うと、回転音がうるさいSACDだからである。

SACDは回転数が高く、特に第1トラックで音がうるさくなるようだ。

回転音の評価のため持ち込んだが、音質の評価にはまったく役に立たなかった。

 

今回持ち込んだCDの選択が悪く、肝腎のCDプレーヤーの音質を聴き比べるには

役に立たなかった。

前回店員のSさんが試聴の際に使われたCDは、店頭用には好適であったのだ。

さすがはプロである。

 

この日の経験から、CDプレーヤーについて色々なことが分かった。

高級なCDプレーヤーに回転音がうるさい傾向がある

回転部分の質量が大きくなるからだろうか。

機器の構造的な問題が隠れているように思われた。

 

音質を追求する高級CDプレーヤーは、回転音がある程度犠牲にされているのでは

ないだろうか。

であれば、音質重視で回転音が気にならないユーザーが購入対象ということになる。

わたしのように音楽を聴くための道具としてCDプレーヤーを使う人間には、

そんな製品はどんな人が使うのかちょっと想像がつかない

 

バッハのマタイ受難曲第62曲のコラール「Wenn ich einmal soll scheiden・・」

の直前に無音の間があるが、この瞬間に聴き手の緊張感が最高潮になる。

そこにCDプレーヤーのキュルキュル音が聞こえるのは許せない。

 

ということで、今回は静かなCDプレーヤーを購入した。

AccuphaseのDP-560だが、LUXMANのD-06uと少し迷った。

前回の試聴ではAccuphaseが気に入ったが、今回アナ・クインタンスの声の定位では

LUXMANが優っていたと思う。

 

オーディオメーカーのブランド力に差があることも分かってきた。

Accuphase>LUXMAN>ESOTERIC

とみなされているようである。

 

その根拠の一例は、ハイファイ堂のHPに公開されている下取り価格である。

自分が下取りに出した経験から、このHPの価格が釣りではないことは知っている。

上記のCDプレーヤーの本日現在の下取り価格を調べてみた。

 

Accuphase DP-560 350,000円

LUXMAN D-06u   280,000円

ESOTERIC K-03X  350,000円

 

新品で購入する場合、AccuphaseとLUXMANはほぼ同額で60万円くらい、

ESOTERICはすでに生産終了だが100万円近くであったことを考えると、

かなり差があると思う。

 

クルマと同じで、下取り価格を考えて気にいらない機種を購入するのは

愚の骨頂だと思うし、自分は下取り価格を参考にして機器は買わない。

 

しかし市場価格というのは現実に存在する。

長く使ったオーディオ装置を先日下取りに出したことから、それは思い知った。

 

シリコンバレーが本拠らしい中国系メーカーであるOPPOがそそくさと

オーディオ機器市場から撤退した。

わずかに数年間IT技術を生かしたヒット商品を造ったが、商売にならないと判断したのか、

新製品の開発を中止するという。

日本のオーディオ機器メーカーとは明らかにスタンスが違う。

 

OPPOはサポートを続けると言っているが、どこまで信用して良いのか分からない。

先日購入したOPPOのSonica DACも、長年使い続けるに値する機器だとは思っていない。

たかが10万円だから、オーディオを趣味とする人にとっては所詮「おもちゃ」だ。

 

もはやCDは絶滅に向かいつつある。

今回購入したAccuphaseのDP-560が、自分にとって最後のCDプレーヤーであって欲しい。