四恩3兄弟 ◎・◯・☓ | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る




四恩醸造 ローズシリーズ 橙・白・ロゼ
購入日    2015年12月
開栓日    2015年12月/1月
購入先    Alcoholic Armadillo
購入価格   6本セット(白1・赤1・ロゼ2・橙2) 7800円

年末ギリギリの12月27日にAlcoholic Armadilloから販売され、入手したワインである。
四恩醸造のワインに関しては、ooisotaroさんやブル魂さんがよく紹介されているので、
すっかり有名になっている。

今回15セットが売りだされたのだが、12:30販売開始と告知されており、
時計を見ながら発売時刻と同時にすぐクリックして購入した。
無事注文が通り、その後すぐに店のHPに再アクセスしてみたら、何とすでに蒸発していた。

この間わずか30秒。
たった15人?されど15人?
30秒で売り切れるとは、需給関係のアンバランスさを見せつけられた思いがする。

このローズシリーズはこれまで何本か飲んだことがあるが、
一番感心したのは数年前にooisotaroさんが直心に持ち込まれた「橙」である。
これがすごく美味しくて、とても印象に残っている。
わたしが橙を飲んだのはその時1回だけだ。
四恩醸造の他のワインはさほど記憶に残っていない。

それ以後可能なら橙を購入したいと思ってきたのだが、いつも店にあるわけでは無いようで、
よほどアンテナをはっていないと購入できない。

今回大晦日に届いたので、適当に手にとった順番で、ロゼ・橙・白の順番で開けてみた。
正月にお節に合わせてロゼを飲んでいたところ、
息子が帰ってきたので飲ませてみたら、変な顔をして
「何じゃこのワイン、これって美味しいの?」と聞くので、
「はっきり言って不味い」と即答した。

この3本では、群を抜いてロゼが不味い。
しかしその後に開けた橙はやっぱりとても旨かった。
美味かったではなくて、旨かったという表現が当たっている。

その後に開けた白も旨かった。
これら3本がどう違うのか、まったく知らずに書いているのだが、
ビオっぽい特長が共通しているものの、ロゼが他の2本とあまりに違って不味いので面食らう。
橙は食中酒として非常に優れた酒なので、この違いは一体何なんだと思うのだが、
もう少し熟成させたら印象は変わるのであろうか。
きっと変わらないとわたしは思っているのだが。

ともあれ、同じワインという範疇に分類されても、日本のワインそのものが
ブルゴーニュやボルドーのワインとはまったく異質の飲み物である。
この四恩醸造のロースシリーズなどその典型で、他に並ぶものの無い独特の作品となっている。

不遜ながらわたしは自分の評価こそ自分には大切だと信じているので、
勝手に日本の飲食店に☆をつけいているミシュランなどアホかいなと思っている。
「☆が1つ以上付いている店に大外れは無い」というだけであって、
それ以上何の参考にもならない。

話がそれるが、東京では☆が付いたら夜で3万円くらいは覚悟せねばならず、
そんな高価な店ばかりを並べ立てたガイドブックなど庶民には何の意味もない。
金持ちが多く住む東京では役立つガイドブックかも知れないが、
同じ調子で書いた本が大阪で売れるはずがない。立ち読みで十分だ。

そこでミシュランは、苦し紛れにピブグルマンとかいって、
5000円以下の店を紹介することを始めたようだが、何を今さらといったところであり、
大阪人にはお笑い種である。
高くて美味しいのは当たり前、お得感がないと大阪人は認めない。

ミシュランと同じく、わたしがまったく参考にしていないロバート・パーカーさんに、
「このローズシリーズに点数を付けれるものなら付けてみろ」と言ってやりたい。

われわれ繊細な味覚を持つ日本人が、何で西洋人の基準でワインを選ばなければ
いけないのだろう。
濃いワイン大好きの米国人パーカーは、こんな薄味のワインには
きっと28点くらいしか付けないと思うが、
それでもこのワインたちが30秒で売り切れることには変わりないだろう。