2002の競演+ムルソー@わいんとおばんざい季節 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~
ドメーヌ・コント・ラフォン ムルソー クロ・ド・ラ・バール 2007
購入日    2010年10月
インポーター ジャパンインポートシステム
購入価格   12000円

ドメーヌ・グロフィエ シャンボール・ミュジニー 1級 レ・オー・ドワ 2002
購入日    2007年2月
インポーター 八田
購入価格   8450円

ドメーヌ・ドルーアン・ラローズ ボンヌ・マール 2002
購入日    2006年5月
インポーター JSRトレーディング
購入価格   8880円

ドメーヌ・ドルーアン・ラローズ クロ・ド・ヴージョ 2002
購入日    2005年8月1日
インポーター アルカン
購入価格   6980円

開栓日    2012年10月23日
購入先    かわばた酒店

今年7月のワイン会に続いて2回目のワイン会を、
美人オーナーソムリエSETUKOさんのお店「わいんとおばんざい季節」で先週開催した。

ワインは持ち寄りではなく、同業者のヴァイオリン弾きの親友の意向を汲み
すべてわたしの蔵からの持ち出し。

今回は彼の希望でシャンボール・ミュジニー村の特級を、ということだったので
高すぎるミュジニーではなくボンヌ・マールを探したところ、2002を見つけた。
どうもこれ以前のヴィンテージのボンヌ・マールは自宅には無さそうなので、これにした。

2本目は、同じ造り手・同じヴィンテージのクロ・ド・ヴージョとした。
3本目として、シャンボール・ミュジニーの2002を探してみたらグロフィエが見つかったので、
あっさり決定。

赤に先立ち白か泡を1本入れることにしたが、その同業者の親友がムルソーのファンだというので、
なけなしのコント・ラフォンの2007を持って行った。
やっぱりうちにはまともな白のストックが少ない。

実はこの翌々日にアキュイールに最後の訪問をしたのだが、
そちらは主役である料理の流れに沿ってワインを開けていくのに対し、
この夜はヨーイドンで赤の3本を一度に開けて4時間くらいで飲みきった。
余するに、主役はワインであったわけである。

以下はワインを引き立たせてくれた料理たち。
もちろん、料理が不味かったら話にならないし、目立ちすぎてもワインhの集中力が薄れる。
このあたりが絶妙である。

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ワイン会数日前に「季節」にワインを持ち込み、あとで購入店と購入価格を調べてみて
自分で素直にビックリした。
購入先はすべてかわばた酒店であったが、これは単なる偶然である。

ブルゴーニュの特級もの、しかも当たり年の2002がこの価格である。
7年前にはこんな価格であったとも言えるが、ドルーアン・ラローズの評価は
こんなもんだ、とも言えるだろう。

ふと今楽天で現在の価格を調べてみたら、2000年代後半で10,000~15,000円くらい
しているようだから、やっぱり昔は安かった、というのは正しい。

実はドルーアン・ラローズは2002以降買っていない。
90年代後半のジュブレ・シャンベルタン系の特級で、ボトル差が激しく、不良ワインが連発し、
蔵の管理ができていないと確信に近いものを覚えたためである。
だから、今この蔵がどうなっているかはよく知らない。

で、このドメーヌの2つのグラン・クルだが、一昨年に同じものを
開けてみたことがあるので(ブログ未記載)、ある程度予想はついていた。

どちらも同じようにまだ固い。
グラン・クルなのに線が細くて、最初は閉じて痩せているように感じる。

最初はクロ・ド・ヴージョの状態が万全ではないのではと危惧したが、
時間とともに開いたり閉じたりしながら安定感を増していった。

開栓後1時間以上してからの香りは、まぎれもなくグラン・クルであり、
こんな価格で飲めることが今では夢のようである。

だが、ドルーアン・ラローズのこれら2つのグラン・クルの評価はそこまでである。
畑の特徴はまるで出せていない。
あと数年置いて到達するであろう高みだって、大したものではないことも見える。

それがはっきり分かってしまったのは、残る赤の1本であるグロフィエの1級ものが、
これら2本とは比べものにならないほど素晴らしかったからである。

熟成途中にある鰹香に始まり、グラスの中には汲めども尽きない無限の可能性があった。
4時間以上のワイン会の間に、酸化による枯れのそぶりも見せず、
未来も無限であるように感じさせる。

こんなワインはドルーアン・ラローズには造れないだろうな、
とこの日1日の経験だけで、心の中で断定した。

これら3本に先立つムルソーも素晴らしかった。
コント・ラフォンが名手であることは知ってはいるが、経験不足で自分の中にはイメージはない。

しかし何たる繊細さ。
舌の上にあらゆる花と果実の混ざり合った香味を残して舞い上がる。
カリフォルニアのシャルドネ好きには絶対に理解し得ない世界だろう。
いや、これは五感の感度を試す試金石になりそうである。

この畑は村名格だが、そのワインが上記の格付け赤のどれよりも高い。
そして、その値付けが当然であると、飲み手に何の疑問も抱かせずに納得させる。

コント・ラフォンの1級ものとなると、もはや30,000円の世界である。
これからの生涯で、一体何回飲めることやら。

やっぱりこのくらいの人数で、このくらいの本数、このくらいの量を飲まないと
ワインは分からない。
それが良く分かった夜であった。

ソムリエールSETSUKOさん、場所とお料理をどうもありがとうございました。