やっぱり重厚 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ボランジェ スペシャル・キュヴェ ブリュット NV
購入日    2007年12月
開栓日    2008年10月29日
購入先    Alcoholic Armadillo
インポーター アルカン
購入価格   7000円

今日からやってきた研修医の先生を連れて、リッツカールトンでの勉強会に参加し、さっき帰宅した。
演者は東京慈恵医大の講師S先生だったが、わが教授が推挙されるとおり、見事な話しぶりだった。
昨年から学会で顔なじみになっている先生だが、9月の学会でもわたしの発表に質問をして
いただいたりして、少し親しくなっている。
こういう才能のある人の講演を聴くと、とても勉強になる。

4月以降妙に暇だった日々だったが、なぜだか分からないが、また忙しくなってきた。
暇になると収入が減るが、忙しくなると時間が減る。
ん?忙しくなるとお金が増えるが、暇になると時間が増える、と考えた方がいいのか。
時間も金もある、という状況には、まっとうな町医者をしている限り、絶対になれない。


最近では3本目のボランジェである。
前回の記事にも前々回の記事にも「重厚感があり、芯がしっかりしている」と書いた。
ところが、今回のボトルは前回にも増して中身がぎっしり詰まってる印象がある。
前の2本は、ここまで重厚ではなかったように思う。
購入時期も少しあとだし、インポーターも購入先も異なるので、ロットが異なるのかも知れない。

グランメゾンの裾ものであるが、価格はそれなりに高く、普段飲んでいるRMものより
1ランク上のワインであると感じる。
門前の小僧の家内に一口飲ませてみると、やっぱり「濃厚やねえ」と言う。

どこか1点突出した特徴があるわけではないが、どこにも突っ込みどころがない。
ブドウを適当に買い付けてきて、うまく造ったとしても、きっとこうは行かないだろう。
相当良い畑のブドウからできていると想像される。

ポイヤックならラトゥール、ジュブレならアルマン・ルソー、
ピアニストならヴィルヘルム・バックハウスを連想させる、
脆弱さを感じさせないどっしりとした造りだ。
繊細な泡立ちがあって、華麗な香りが立ちのぼる、女性的なシャンパーニュの対極にある。

シャンパーニュの中では濃厚な方ではあるが、最近軽めの日本酒でもこれよりずっと
濃厚であると感じるので、和食と合わせても特に違和感はない。
この安定感は稀少で、出たとこ勝負、当たるも八卦のブルゴーニュの造り手に、
ちょっとは見習って欲しいと注文をつけたくなる。