地味な優等生 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ドメーヌ・ロベール・アルヌー ニュイ・サン・ジョルジュ 1999
購入日    2006年7月
開栓日    2006年10月20日
購入先    ウメムラ(オークション)
インポーター 成城石井
購入価格   3717円

おばちゃん/おねえちゃん/どっちやねん、のあとは、やっぱり正統派でいこう。
きわめてまっとうな造り手である、という認識のアルヌーさん、またまたの登場である。

今度は村名ニュイ・サン・ジョルジュだが、99だからもう飲み頃と思われる。
還元香はまったくしない。
非常にクラシカルでスタンダードなワインで、ほどよい芳香、ほどよい酸味と果実味。
しかし、それ以上の際立った特徴がない、と言うか、なさすぎる。

インポーターシールには、
「リッチで深みのあるアロマ。色合い濃く、タンニンのしっかりしたタイプの赤ワイン」
とあるが、味わいはさほど濃いとは思えず、タンニンも弱いと思う。
こういう表現は、ボルドーの左岸系にこそマッチするが、こんなに繊細なブルゴーニュには
しっくりこない。

翌日には、やっぱり少しへばっている。
しかしこのアルヌーさん、どことなく清潔感がある優男のイメージで、
ニュイという地味なテロワールでもあるせいか、誠実で生真面目なワインになっている。
味わいの薄い和食には合うが、ジューシーなステーキが相手では、ワインが負ける。

初体験のオークションで落としたのだが、この価格なら納得できる。
しかし、大きな欠点はないのは承知でも、何となく物足りない。

優等生をつかまえて、
「おまえな~、もうちょっと羽目外したらどうや」
と言いたくなる気分である。