1本目は・・ブショネ?・・だったか? | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ヴァンサン・ジラルダン エシェゾー 1998 
購入日    2006年5月
開栓日    2006年6月7日
購入先    Alcoholic Armadillo
インポーター 稲葉
購入価格   52600円(グラン・クル 6本セット)

Alcoholic ArmadilloのHPで残っていた、サントネが本拠のネゴシアン、
ヴァンサン・ジラルダンの1998年のグラン・クルばかり6本。
その内容は、このエシェゾーと、
ラトリシエール・シャンベルタン、クロ・ド・ラ・ロッシュ
クロ・サン・ドニ、クロ・ド・ヴージョ、ボンヌ・マール の5本である。

このエシェゾーの98のみが、キャップシールが回らず、液漏れがあるかも知れないと
Alcoholic Armadilloのいのまた専務からあらかじめ連絡を頂いていた。
という理由もあって、このエシェゾーから開栓してみることにした。
かわばたのHPによれば、このエシェゾーは2000年まではDRCと同じ畑のブドウであるらしい。


キャップシールの裏側、というのは実は重要らしく、拭くことができないから、
もし液漏れがあれば跡が残っているはずである。
しかし、写真のようにまったく問題はなかった。

グラスに注ぐと、まずほのかなエーテルの芳香がする。
しかし、その奥に、澱んだ水の香りが常に漂い、馥郁としたブドウのアロマには乏しい。
一口目には、少しピリリとした酸味を舌に感じるが、これは心地よい。

幾重にも重なった多要素の味わいの複雑さは、まぎれもないグラン・クルだ。
しかも時間とともにワインの力は萎えることなどなく、いつまでも続くように思われ、余韻も長い。
・・・澱んだ水の臭気も携えながら。

これって、ブショネなの?と思われる程度の非常に微妙な臭気で、不快なものかどうかも
定かでないが、家内もはっきりとそれを指摘する。
心の隅のどこかで納得できないものを残したまま、それを上回る説得力を持って、
このワインはわたしの舌を魅了する。

わたしの五感が、妥協と反発の狭間で揺らめきながら、グラン・クルの夜は更けていくのであった。

追記
エア抜きして翌日に残りのワインの香りを嗅ぐと、まさにドブのような耐え難い臭気を放っていた。
次の1本に期待するしかない。