冷やしてうまいピノ・ノワール | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


マリウス・ドラルシュ ペルナン・ヴェルジュレス・ルージュ 2003
購入日    2005年10月
開栓日    2006年5月26日
購入先    湘南ワインセラー
インポーター 山信商事
購入価格   2680円

つい3ヶ月前に開けた1本目の印象と、大きく変わることはないが、
さすがに2本目のせいか、それほど驚きもなかった。

5月も末となると、うちの地下室の温度は18℃くらいになり、その温度からスタートするので、
3月始めの印象とは、若干違ったものになる。
やはり一般的にこの温度では、最初の緊張感が希薄になってしまう。

夏場はよくできたシャルドネに行った方がいいのかな、と思ってしまうが、そんなことを言っていたら、
平均気温の高い沖縄に在住のupsidedowninsideoutさんなんかは、どうなるのかな。

話はそれるが、一昨年のお盆に赤道直下のシンガポールに行ったときも、夜の外気温は大阪とは
あまり変わらなかったように思う。
だから、ほんとうの夏場は、沖縄も大阪も熱帯であることに変わりはないようだ。

さてこの2本目も、上品な甘さが前に出てくる分かりやすいワインで、相変わらず
開栓後48時間経っても力を保ち続けるのは立派である。
むしろ2日目3日目に、エア抜きして冷蔵庫に置いておいたのを、その温度で飲む方が美味しい。

ピノをそんなに冷やしてどうすんだ、と言われそうだが、20℃を越えるくらいの室内で
このワインを飲むときは、若干温度を下げた方が、ワインの分子間の距離が近くなって、
緊密感が生まれてくる。

ヴィンテージは2003だが、若開けとは感じさせない。
逆に言えば、1~2年置いたら老けてしまうんじゃないか、という懸念が頭をよぎるし、
意図して早飲みできるように作られているのではないか、とも感じる。

単純だが甘くて美味しい、万人受けするコスパの高いワインである。
べったりと舌の上に紫のペンキを塗りつけるような、若いメルローの甘さよりは、こちらの甘さの方が、
わたしには心地よい。

「そんなに無理して暑い季節に赤を飲まなくてもいいんじゃないか」という声が、
どこからか聞こえてきそうではある。