なんとなくデザイン本紹介(カッサンドラについて | 美大に行かないでデザイナーになる方法!


デザイン本の書評のようなメルマガを
ぼちぼち書いてます。

(とても配信間隔長くなってしまってますけど)


そこから。。

こちらブログでもなんとなく
ピックアップしてご紹介させてもらいます。

もしかして過去こちらでも
何かしら触れてる本とご紹介内容ダブルかもですが。。

そこはご勘弁を。。。


☆CASSANDRE (カッサンドル)   3.800円

(紹介しておいて何ですが、、もしかしたら絶版かもしれません、
図書館、古本屋で見つけられれば、と、、すいません)


カッサンドルというグラフィックデザイナーの画集です。
多分この方のポスターと言うかデザイン作品は
大抵の方が見た事あるかと思います。僕の中では大巨匠なんですが。。
(沢木耕太郎の『深夜特急』の表紙にも使われてます)
http://www.amazon.co.jp/dp/4101235058

本の構成は
とにもかくにもカッサンドルの素晴らしいグラフィックデザイン
(ポスターデザイン中心ですが舞台衣装やロゴデザインも含む)が
これでもかこれでもか、、とカラーで展開されるものとなってます。

とっても見応えがあって今見ても
十分にモダンで、実際に現代の広告等に
そのまま使われている時もあります。

また教科書的な意味としてもとても
意義深くて

冒頭に書かれたカッサンドル自身のメモが
もうそれだけで
デザイナーにとって非常に深く重い言葉になってますね。

『1枚のポスターが解決すべき3つの問題』

1.視覚上の問題 一枚のポスターは見られるために作られる
2.グラフィックな問題 ポスターは素早く話さねばならない
3.詩的な問題 知的連想を作り出す事。見る人をその魅力で虜にする事。

1などは、、当たり前の事ではないか?と思ってしまいますが
それだけに根本的な問題である以上に2や3も含み
実はこの言葉で全てを語ってるとさえ思われる、言葉です。

見られるために、、、
ポスターは素早く話さねばならない(2)し
見る人をその魅力で虜にしなければならない、、訳ですから。

カッサンドルのポスターを見れば、デザイナーの方は
多分気がつかれる(あるいは既に知識として知ってらっしゃる)でしょうが

画面の中でグリッドデザイン、、や
黄金分割の割合通りに画面を分割したり、、とか
画面の中で上手く幾何形態を使用し、
言わば、造形心理学を十二分に意識した上で
作っていると言う点です。

そしてまたこの本はただの画集ではなく
そういう部分についてもしっかりと解説してくれてますので
デザインの中で幾何形態をどういう風に使うものか?
興味ある方はお勧めです。

もちろんこの本一つで全てが解決するわけでもないですけど
カッサンドルという超一流のデザイナーが
実際にどういう風に黄金分割等を画面で使ってるのか?

非常に貴重な解説が書かれた本としても評価されてる気がします。

またカッサンドルという人はロゴデザインでも有名で
イブサン ローラン のロゴデザインもやってたりします。



単純に画集として、見てるだけで
デザイン的なカタルシスの感じられる本です。

もし手に入れる事が出来れば時々取り出して
見てみるのも良いかと思います。また、、この作家については
グラフィックデザイナーとしては知っておかないとまずい部類の方のように
思います。


あ、、この本見つからなかったとしても
ネットで探すだけでも
色んな情報あると思うので
興味ある方は探してみて下さいね。。

いわゆる古典、、みたいなくらいに
古い方ですが、真似出来ないような事をやってますからね。。