自分の愛し方は基本的に残念極まりないという自覚はあるんですが、
叶うものならКиШのボーカルガルショークの娘に生まれて手ずからあやしていただきつつ、
「わーんパパ顔怖いよー」とむずがってしょんぼりさせたかった!と、
我ながら迷惑かつ失礼しかし大真面目な妄想にふけっていたところ、
彼には実際今月で3歳になったばかりの娘さんがいると個人wikiで知ってときめきが止まりません。
しかも私のロシア名と同じアレクサンドラちゃんですって!(サーシャはアレクサンドラの愛称)
どっかにないのミーシャパパと小さいサーシェンカ嬢の2ショット!? 超見たいんだけど!
(フランケンシュタインの怪物が大好きなもので怖い顔のおっさんと幼女の組み合わせに滅法弱い)
……あくまでも紹介ブログなんだから極力私情は挟まずに淡々とした文章を心がけるつもりだったが、
昔やってたサイトの日記と大差ないノリになってきたな。まあいいか。
発売後一週間も経たない新譜の歌詞をブックレットの画像ごと全曲まとめて公開、という
太っ腹すぎてそんなんで大丈夫なんかいと突っ込みたくなる大盤振る舞いを公式がかましてくださった上、
YouTubeにもがんがん曲がUPされまくってるので、
ロシアンバンドの収入源どうなってんのと首傾げつつ対訳付きで一曲紹介しておきましょう!
スウィーニー・トッドのロックオペラアルバムAct2、
「TODD - Акт 2. «На Краю»(最果てで)」からオープニングナンバー、
「Смерть на балу (Ария Солиста и Тодда)」をどうぞ。
(舞踏会の死神 ソリストとトッドのアリア)
この曲のメインボーカルはソリスト役のギター、レネガート(Ренегат:裏切り者の意)です。
彼についてはまたのちほど。
歌うレネガートがよく見えるライブ映像。マイクトラブルでところどころ声が聴こえない。
舞踏会の死神 ソリストとトッドのアリア
(註:「смерть(死)」という単語をあえて「死神」と訳しています。)
「夕刊! 血みどろ判事がまた死刑判決! サー、サー! 新聞はいりませんか…」
語り手:
判事! 判事……どうすればやつに近づける? その時運命の女神はスウィーニーに微笑みかけた。
ロンドン風にめかしこんだ色男が理髪店にやってきたのだ。
幸運にもその男はくじで幸せのチケットを引き当てていた。
判事が催す仮面舞踏会のチケットである。
ああ、まさしく幸せのチケットだった!
剃刀の一振りで色男は全身血に染まり、おなじみのルートを辿って椅子から肉挽き器へと真っ逆さまだ。
死神の装束をまとったスウィーニーは、剃刀を鎌の先に取り付けて、判事のいる舞踏会に向かった。
ソリスト:
夜更けに炎が古い屋敷を明るく照らしていた
中ではワインとシャンパンが川のように注がれて
君主たる判事は舞踏会に誰彼ともなく招いていた
ところが何故か死神だけは招待し忘れた
トッド:
けれどもそもそも死神に招待状が必要だろうか?
-いいや!
客のコーラス:
死神はひとり佇んでいた
寡黙に そして冷然と
きらめく炎を眺めていた
影の王国から着た奇妙なお客!
ソリスト:
蝋燭の炎のもと はしゃぎ回るは
道化に王様 死刑執行人
メヌエットと水の踊りを習い覚えて
サテュロスは牛飼いの娘とダンスをする
トッド:
けれどもそもそも生者が死神をメヌエットに誘うだろうか?
-いいや!
客のコーラス:
死神はひとり佇んでいた
大理石のように青ざめて
若い姫と妖精の群れの中
影の王国から来た奇妙なお客!
ソリスト:
時計台の鐘が24時を告げる
どこか遠くから梟の鳴き声
その時 風が窓を開け放ち
蝋燭が消え 闇に包まれた
灯りが点り 判事を見ると
その胸には血まみれの紙切れ
「貴様のために私は何人もの人間を無実の罪で死刑にしてやった
なのに貴様はその私を舞踏会に招待しなかったな…
トッドの声:
貴様をあの世につれていくぞ…」
客のコーラス:
弦が音を立てて千切れ
ワイングラスが砕け散る
暗雲に隠されていた月と共に
影の王国から来た奇妙なお客!
トッドの声:
貴様をあの世につれていくぞ…
語り手:
奴だ。判事だ。すぐそばだ。横にいる。研ぎ澄ました鎌を振るんだ。それで終わりだ。
客のコーラス:
いいや!!!
語り手:
復讐は終わった。
……いや、仮面舞踏会だ! ただの仮面舞踏会なのだ!
判事の仮面をつけていたのはまるで別人、判事は無傷のままだった。
そしてスコットランド・ヤードはすでに総出で捜査を始めていた。
夜ごと肉挽き器のハンドルを回すことに疲れていたラベットは、悪事の発覚を恐れ、
街を去ろうとトッドに持ちかけていた。
夢にまで見た小さな島だ。
お金ならあるし私達お互いに愛し合っているじゃない。これ以上何が必要なの?
- Вечерние новости! Кровавый судья вынес очередной смертный приговор!
Сэр, сэр! Купите газету...
Судья! Судья - как до него добраться? И тут фортуна решила улыбнуться Суинни.
Как Денди Лондонский одет, в цирюльню заходит франт.
Ему повезло: он выиграл в лотерею счастливый билет.
Билет на бал-маскарад к судье.
О-о, это действительно счастливый билет! Взмах бритвы, и -
окровавленное тело франта следует привычным маршрутом из кресла в мясорубку.
Облачившись в костюм смерти, сменив бритву на косу, Суинни отправляется на бал к судье.
СОЛИСТ:
Старый замок сверкает огнями в ночи.
Там вина и шампанского льются ручьи...
Королевский Судья пригласил всех на бал,
Только Смерть почему-то Судья не позвал.
ТОДД:
Но разве смерти нужен пригласительный билет?
- Нет.
ХОР ГОСТЕЙ:
И стояла она
Одна,
Молчалива и холодна,
И смотрела на блеск огней -
Странный гость из царства теней!
СОЛИСТ:
Веселился, сверкая при блеске свечей,
Хоровод из шутов, королей, палачей,
И звучал менуэт, и звучал контрданс...
И сатиры пускались с пастушками в пляс.
ТОДД:
Но разве смерть живые пригласят на менуэт?
-Нет.
ХОР ГОСТЕЙ:
И стояла она
Одна,
И как мрамор была бледна -
Среди юных принцесс и фей -
Странный гость из царства теней!
СОЛИСТ:
А на башне пробило двенадцать часов.
И послышалось дальнее уханье сов...
И тогда распахнулось от ветра окно.
И погасли все свечи, и стало темно.
Свет зажгли. И увидели тело Судьи.
И кровавый листок у него на груди:
- Сотни раз ты к невинным на казнь меня звал,
Но забыл пригласить ты старуху на бал.
ГОЛОС ТОДДА:
И я тебя с собою заберу на тот свет...
ХОР ГОСТЕЙ:
И, звеня, порвалась струна.
И разбился бокал вина,
Скрылась в тучах луна... А с ней
Странный гость из царства теней!
ГОЛОС ТОДДА:
И я тебя с собою заберу на тот свет...
РАССКАЗЧИК:
Вот он, Судья, совсем близко, рядом. Одно движение наточенной косой - и враг повержен.
ХОР ГОСТЕЙ:
Нет!!!
Вот он - судья. Сосем близко, рядом! Одно движение наточенной косой и враг повержен! Нет! Свершилась месть... Но это маскарад... Всего лишь маскарад! Маска судьи скрывала совсем другого человека! А судья по прежнему цел и невредим.
А на ноги уже поставлен весь Скотланд Ярд...
Боясь разоблачения, уставшая крутить по ночам ручку мясорубки, Ловетт предлагает Суинни уехать на маленький остров мечты. У них есть деньги, они любят друг друга, что еще нужно?
歌詞にさりげなくшут(道化)とкороль(王)って入ってるー。
最後の語り部分のテキストは見つからなかったので自力ヒアリングです。多分合ってる、はず。
それと私の訳はかなり意訳なんで悪しからず。意訳しかできません。
例えば終盤の鉤かっこ内の歌詞、
「貴様のために私は何人もの人間を無実の罪で死刑にしてやった
なのに貴様はその私を舞踏会に招待しなかったな…」部分の直訳は、
「無実の処刑にお前が何度私を呼んだかわからない
だがお前は老婆を舞踏会に招待するのを忘れた」です。
死(смерть)は女性形なので老婆(старуха)なのでしょう。
舞台だとミーシカたん、いやガルショークこの曲で死神コスするんだろーなーいいなー。
個人的にはロン・チャイニー版「オペラ座の怪人」の
仮面舞踏会のシーンの死神の仮装みたいなのがいいと思うよ?
それはさておきソリスト役でほぼまるまる一曲歌ってるギタリスト、
レネガードことАлександр Леонтьевについて少々。
wikiによるとガルショークの弟さんのバンドКукрыниксыの初期メンバーであり、
2001年から2006年までКороль и Шутの正メンバーでしたが、
家庭の事情でモスクワに引っ越しせざるを得なくなり脱退、
(ちなみに76年生まれで現35歳、三児のパパ。)
しかし去年11年8月にまた戻ってきました。
ギターの腕だけではなく歌唱力にも定評があり、現КиШではバックボーカルも担当しています。
つまり同じ年に脱退したツインボーカルのひとりクニャーシ(Князь)のパートを引き継いだってことですね。
つべに寄せられたコメントを読む限り、
「レネガートいい仕事してる! クニャーシにも劣らない!」と歓迎されているようです。
「だからクニャーシファンもう落ち着け!」ともね……メンバー脱退云々はファンをナイーブにする。
しかしまあ、TODDがあまりにもガルショーク主体のプロジェクトすぎるので、
これ終わったらクニャーシ普通に戻ってくんじゃねーの?と思えてきた。希望的観測?