Король и Шут/池の中から見つめる彼女 | Эта музыка будет вечной - この歌は永遠に続く

Эта музыка будет вечной - この歌は永遠に続く

大好きなロシアのロックを毎日せっせと訳しています。リクエストも受け付けますので歌詞を知りたいロシア語曲がありましたらお気軽に!

もうちょっと補足してから公開するはずだった記事を保存せぬままPC閉じちゃって、
リアルで(бдб)って顔になったサーシャさんですこんにちは。え、書き直し? え?

(бдб)←ちなみにこの顔文字全部キリル文字。
他にも(бАб)(бзб)(боб)(бхб)などが可能です。
(тДт)←泣き顔。

そんなことはどうでもいいんだ。心折れそうだが愛の力で今再び!
Король и Шутのツイッター公式アカウント(@korol_i_shut)はサービス精神旺盛で、
先月末にЛужники(ってどこ?)で行われたライブの映像をちょくちょく配信してくれています。
現時点で一番新しいのこれ、
「Продавец кошмаров(悪夢売り)」収録の「Марионетки(マリオネット)」です。



ギター兼バックボーカルはРенегатさん(裏切り者の意)、
Король и Шутを一度はやめたもののまた戻ってきたそうである。

余談だがこの日のライブの最前列には白塗りのものっそいクラウンメイクの男の子がいて和みます。
この子もまさか自分がばっちり映ったライブ映像を全世界に何本も配信されるとは思わなかっただろうに。

……上の二行を書いたあとで他の動画も見てたらひとりだけじゃなかった、
一体何人いたんだよクラウンメイクの男の子……。

Джокер(ジョーカー)



さて、対訳付きで一曲紹介させてください。
こちらも「Продавец кошмаров(悪夢売り)」収録の
「Та, что смотрит из пруда(池の中から見つめる彼女)」です。
公式PVないのに何故この曲を選んだのか?
それは歌詞のモチーフがルサールカ(ロシアの水の精)で
映像がロシア映画の「新・人魚姫」だからである。




池のほとりに画家が座っていた
何かしら憂いながら
手のひらで水面を撫でて
日が昇るのを眺めていた

ふと画家は 透きとおる水の中に
誰かの顔があると気付いた
「誰だ?」うろたえつつも
彼は小声で囁いた

※繰り返し
 返事は聞こえなかったが
 彼の魂は躍り上った
 その顔を見て彼は悟ったのだ
 彼女こそが強く求める相手だと
 
  ただ彼女だけいればいい
  池の中から見つめる彼女!
  
そしてルサールカは
画家の手を優しく取って
まなざしで彼を魅了しながら
おもむろに水の中へと引きずり込んだ

画家は水の底に墜ち
永遠の夢に沈んでいった
するとルサールカは泣き出した
ああ 何故彼は死んでしまったの?


У пруда сидел художник
Тосковал о чём-то своём
По воде водил ладонью,
Наблюдал, как солнце встаёт.

Вдруг лицо в воде прозрачной
Тот художник увидал
"Кто ты?" - несколько смутившись,
Он тихонько прошептал

Но в ответ не услышал слов
Лишь заиграла его душа
В этом лице он узнал её
Ту, что так сильно ему нужна!

Лишь она ему нужна
Та, что смотрит из пруда, из пруда!

И художника русалка
Нежно за руку взяла
Одурманив его взглядом
Вдруг под воду увела

Но в ответ не услышал слов
Лишь заиграла его душа
В этом лице он узнал её
Ту, что так сильно ему нужна!

И упал на дно художник
Погрузившись в вечный сон
И заплакала русалка...
Ах, зачем же умер он?

Но в ответ не услышал слов
Лишь заиграла его душа
В этом лице он узнал её
Ту, что так сильно ему нужна!

Лишь она ему нужна
Та, что смотрит из пруда...


「新・人魚姫(русалочка)」はブラチーノとほぼ同時期の1976年に撮影されました。
この人魚姫と「アラジンと魔法のランプ」はDVD化されてるのに
何故ブラチーノがほったらかしなのかまるで解せぬ。それはさておき。
おそらく子供の頃にアンデルセン読んで人魚姫の結末に衝撃を受けたのであろう監督が、
どう考えても自己投影であるオリキャラの道化師を登場させて、
人魚のためにひたすら尽くし最後は自己犠牲まで厭わない、という
監督のマスターベーションったらそれまでだがいい映画ですよ。
この時代に撮られたロシアの児童向け映画のきらきらっぷりは異常です。

そしてそのきらきらした映画でPV作られちゃうバンドКиШ。
(但し映画の道化師が人魚に捧ぐのはあくまでも無償の愛である。)
これがパンクロックバンドの歌詞だとは……。
曲だけ聴いたら画家とルサールカの悲恋の歌だなんて誰も思うまい。
「怪奇幻想小説の短編のようなミステリアスな歌詞で特に有名」と
wikiにあるけど決して誇張ではないんだろう。
しかしツインボーカルのひとりで歌詞のほとんどを手掛けていたКнязьさんは
去年脱退しちゃいましてね……(тДт)
ミュージカル仕立てなので通常の作品とはわけが違うとはいえ、
脱退後の最新作でスウィーニー・トッドがコンセプトのアルバム「TODD」なんて
歌詞まるまる外注でしたよ戻ってきてКнязь!!!

「また帰ってくるもん!」って言いきったファンも見かけたけど真相はどうなんだろう?
はまったばかりなのでさすがにまだそこまでは突き詰められず。
でも実際に一度抜けたРенегатさん帰ってきてるし。

「曲はいいけど歌詞が弱い!」と嘆くファンもいるが、
まあ所詮自分外国人なんで「TODD」の歌詞も十分楽しいですよー。Akt2楽しみ!

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