あまりに久しぶりすぎて、もう呆れてしまいますが。まだ生きております。おまけにまだグラナダはアルバイシンに住んでいて、まだ博士論文を書いており(はかどってはいませんが)、そして今でも翻訳・通訳を生業としています。未だになんとか食べている、という程度ですが。そうですね、人生そう簡単に激変するものでもないみたいです。

なのでまたいきなり帰ってまいりました。少しずつ書けるときに書いていきます。

今年も夏は日本に出稼ぎに帰り、二週間ほど前に戻ってきました。東京を出て早くも六年目になりますが、今年ちょっと驚き感動もしてしまったのは、離れてこんなに時間が経つあの街でも、私の人間関係がまだしっかり生きていて、以前よりも深くなってもいるのだと感じたことです。以前の上司や昔からの友人、家族(新しい家族が増えたのです。姪ができました!!今8ヶ月、歯が生えてきたところです。赤ちゃんというのは毎日世界を発見しているんですよね。その新鮮さがちょっと羨ましい)や懐かしい人たちがいる東京は、私にとってとてもいとおしい場所です。そろそろ帰ってくれば、こちらで仕事をさがせばいいじゃないの、と彼らが心から言ってくれるのも本当に嬉しくて、今年の夏は本気で東京に戻ってこようか、と考えたりもしました。それでも飛行機にのって十数時間、ヨーロッパに降り立った瞬間に、ああ居るべきところに戻ってきた、という気がするのが自分でもよくわからないところです。なんだかこちらに着いた瞬間、空気の中に自分が溶けてしまうような気がするんですね、上手く言えませんが。マドリッドからグラナダまでの乗り継ぎ便が翌日だったので、真夜中に着いたマドリッドの空港でスーツケースを翌日までロッカーに預けるときに、係りのおじさんに東京から来たの、24時間ももう旅行していて死にそうなんだけど、とぐちると、じゃあ今夜はマドリッドのホテルでよくお休み、よく寝るんだよ、と言ってもらえて、それだけでとても嬉しいような。ああ帰ってきた、という気がします。

そんなわけでまたアルバイシンに帰ってきました。帰ってくれば相変わらず空は青く、家々の壁は白く、椰子の木の向こうには雪山が見えます。眼下に見渡せるカテドラルを中心としたグラナダの街並みは、相変わらず溜息がでるほどに美しいです。10月からはじまる今年度もいろいろあることでしょう。また1年くらいいきなり沈黙してしまうかもしれませんが、ぼつぼつといろいろ書いていければと思います。お気長に、お暇なときに、お付き合いくださいませ。