母がちょっと病後なので、帰ってきてからはずっとおさんどんに精をだしています。すると自分がいかに要領が悪いかよくわかる・・・料理なんかは嫌いではないのですが(というより結構好きなのですが)、でも慣れない和食などつくって時間がかかったり、野菜の値段の高さに目を回したりしています。野菜の高い国、というのは許せん。いったい何を食べろというんでしょうか。そして高値の国産ニンニクのすぐ隣にその十分の一の価格で中国産のニンニクがごろごろとおいてあったりするのも不気味です。この価格差は怪しすぎる・・・とやっぱり手が出ない。そこをついた心理的作戦なんでしょうか。


でも料理はまあいいのですが、掃除買い物お洗濯・・・とやっていると、一つ一つはそれほど時間をとらなくても、なんだか細切れの時間割になってしまいます。これが要領が悪い、ということらしい。母はずっとこれをちゃっちゃかこなしながら、ばしばし外出もしていたんだよなーと今更のように感心したりします。私はどうも立派な主婦にはなれそうにないですね、やっぱり。グラナダの我が家で、同居人のアントニオ君やシルヴィアちゃんと、「食べたらすぐ皿を洗え!」とか言い合っているのがせいぜいのところのようです。


まあそんな中、一応出稼ぎに来ていることでもあるので、昨日ようやく重い腰を上げて初仕事に出かけてまいりました。ビデオ翻訳で、テレビ局の仕事です。


すわテポドンか、と思ったら、全然関係のない軽い話で、まあぼちぼち仕事を始めるにはよかったかな、という感じでした。普段グラナダで黙々と翻訳をしているときには、同じ空間で「働く人たち」を目にする機会がないので、日本でどこかの会社やテレビ局を訪ねて、そこで通訳なり翻訳なりをするときにはいつもわくわくします。毎日一緒に働いている人たちがいる組織の中で、その人たちの日常をほんの少し覗かせてもらえるのは、なんとなく嬉しい。ああ昔日本の会社で働いていたときは、こういう空気の中にいたんだな、とちょっと懐かしく思ったりもします。


テレビ局というのは特に、ラフな格好をした若い人たちがうろうろしていて活気がありますよね。なんだかフクザツそうな機械がごっちゃりあって、いろいろなブースで今ホットな様々な話題の映像が映し出されていて、それにテロップをつけたり、ナレーションを重ねたり、本当にたくさんの作業を重ねて(しかも時間と戦いながら)番組を作っていくんだなあ、と思うと見ているだけでもとても面白い。まあ観察なんかしている余裕があった、というのはそれほどきつきつの仕事ではなかった、ということなのですが。


そんなわけできのうは初仕事でした。ここ二年間というもの結構ぎちぎちやってきてちょっと一息いれたいので、今年の夏はあまり飛ばさず、ぼちぼちやっていこうかな、と思っています。