お年寄りの方の運動指導に行くと

フロアがキンキンに冷やされていることがある。

「ウァー寒くないですか??」と聞くと、

「え?暑いでしょう・・」と。


そういう時は、無理やっこ、寒い中がんばってやるか

勝手に冷房を高くするかで

その場を凌ぐ。


どうしてこの体感の違いがあるのか?


原因は2つ


「冷房になれているのかどうか」  と

「年齢」。


「冷房になれているのかどうか」ということは、

常々冷房のある場所で過ごしているかどうか、ということ。

冷房のある場所で過ごしていると

その状態で、体温を調整するように

体の機能ができてくる。

・・・つまり、冷房がある状態の「環境」に合わせた

体温調整になるわけで、

冷えた環境だと、汗をかいて熱を逃がす必要がなくなるから

その分,汗腺が不要になってくる。

・・・・・で、使える汗腺が少なくなってしまう。

・・・・・で、汗をかけない体になってしまう。

熱がたまったままでも、周りが冷えているから

汗をかく必要がなくなるわけだ。


もう一つが、「老化」

だんだん、年とともに汗をかくための汗腺が少なくなる。

じいちゃん、ばあちゃんが無性に暑いのに

クーラーも入れずに過ごせるのは

辛抱強いところもあるけれども

それだけ鈍くなったということもある。


キンキンに冷えている部屋でも

パンツ1張で過ごしている姿からもそれがわかる。

お年寄りは、意識があって自分で動けるなら

「感覚が鈍くなって」も

ある程度自分で調整できる。


自分の体があてにできないなら

温度計をおいておけばいい。


・・・が子供が危険である。

3歳までに汗腺の数が作られて決まってしまう。

・・ということは、生まれて3年間の間に

大事に大事に育てられて

空調の効いた部屋で育てられたら

そういう空調の【環境】に慣らされた

汗腺数になる。


北の国の人と、

南の国の人とは

汗腺の数が数百万違う。


地球温暖化を唱える方々によると

21世紀後半には地球の温度が

6.4度上がる予測がある。


外気温があがるのに

発汗のための汗腺が少なくなるということは

それだけ体温調整のための

体の機能が追いつかないということか。


夏場の冷えた室内と

室外の温度差で

自律神経もやられてしまうらしい。


それがいわゆる冷房病。


手足の冷え、頭痛、だるさ、肩こり、腰痛、便秘、下痢、肌荒れ

かぜをひきやすくなり、

女性では月経不順や月経痛の原因にもなる。


たかが、冷房病。

されど冷房病。


自律神経の狂いは恐ろしい。

なった人間にしかわからないかもしれないけど、

続いてしまうことで

ウツに近づいてしまう。

そして、治療に長期を要する。

本人も家族も大変な思いをすることになる。


冷房に当たりすぎないことが

家族のため

自分のため

そして、日本の未来のためである。


これは言いすぎではない。

大げさじゃない。


ヒトとしての機能の一部が

めちゃくちゃになってしまう。