ギルドなどソーシャルゲームのコミュニケーション設計 | こびと達のコンテンツづくり:  Gouache株式会社

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モバイルコンテンツをコツコツと作る制作会社、Gouache。
お菓子もコツコツよく食べる。
渋谷区代官山町。

最近、ゲームにおけるコミュニケーション設計の重要性を感じています。
スタンドアローンで1年間選ばれ続けるゲームを、今のソーシャルゲームで提供するのは至難の業です。
ですが、コミュニケーションをうまく設計すれば、その難易度が下がると思います。

どうしても工数がかかりますが、
それ相応(また以上)にゲームの継続率向上効果、他機能との相乗効果は望めるのでは?と思っています。

よい記事があったので、下記にリンクと要約をお送りします。
是非、企画担当者の方はヒントにしてください。(釈迦に説法という箇所ももちろんありますが。)

http://gigazine.net/news/20120825-onlinegame-communication-cedec2012/

【要約】
特に優れたコミュニティ設計を持つゲームとして、以下の2タイトルを例として解説。
・「ファンタジーアース ゼロ」。通称FEZと呼ばれているゲーム。
・「伝説のまもりびと」というゲーム。全てのソーシャルゲームの中で、最高レベルの長期継続率を叩き出している(と思われる)ゲーム。
両タイトルとも、商業的に大成功し、今なお多くのプレイヤーに遊ばれ続けられているタイトル。

■FEZから考察できる優れたギルド設計

1)ゲームの最初からギルドが成立している
プレイヤーに入ることの必然性を感じさせられるか?

2)ギルドの目的=ゲームのメインディッシュとなっている
ゲームを進めているだけで、ギルドに貢献し、仲間を助け、協力するというコミュニティ育成行動を自然と行えるようになっているか?

3)仲間たちとの協力プレイが前提
味方プレイヤー同士での意思疎通や作戦会議を、会話をしながら連帯を取っていくコミュニケーションを促進するようになっているか?

4)上級者が新入りの面倒を見る動機が提供されている
上級者が初心者にノウハウを教えたり、初心者を見つけて(半端なものでもいいい)を贈りつけ、それに対して初心者が「何かくれた」「うれしい」「ありがとうございます」とコミニュケーションが発生するようになっているか?
また、初心者を助けることに対するインセンティブが用意されているか?

5)コミュニティに対して、共通の話題が常に提供されている
ギルドの目標がシンプルに定義されているか?それと上級者と初級者で教え合えるゲーム性になっているか?

6)初心者でも貢献できる仕組みがある
例)上記FEZでは前線にいかなくても、座っているだけで人の役に立てる「クリスタル掘り」という仕事があります。クリスタルを掘ると、召喚獣を呼び出することなどができるようになります。
前線から帰ってきた人に「クリスタル10」とか言ってポッて渡すんですよ。そうすると「ありがとう」「悪いな」っていって戻って行くんです。そんな感じで、クリスタルもらった人は前線で召喚獣を出し、初心者の人は自分の陣地に座り込んでいるだけで、「あり、あり」と言われながら、初心者は感謝されるというゲーム性。
初心者救済の仕組みが組み込まれているか?
初心者でも、いきなりベテランと組み合ってもちゃんとゲームとして成り立つバランスになっているか?

■伝説のまもりびとから考察できる優れたフレンド設計

1)人の助けを借りると圧倒的に有利になるゲーム性
他のプレイヤーのキャラクターを借りるなど、他人のリソースを借りて、強力して、遊べる要素は入っているか?
また、リソースを借りた相手に、感謝の言葉をしっかり伝えられる仕組みが入っているのか?

2)非同期だけど、ログイン時間が近いだけで絆を感じられるゲーム設計
1時間以内などログイン時間が近いプレイヤーの力を借りられる仕組み、
またそれを促進するためのプレイヤー同士のコミュニケーションが取られる仕組み(●●時に強いボス倒すので力を貸してください)など
が入っているか?

3)ただログインするだけでも人の役に立てるお手軽さ
このゲームではログインをするだけで他人に力を貸せたり、他人へメリットを提供できる。
お手軽な手段で人の役に立つことができる仕組みを組み込めないか?
他人から援護要請があった場合、プレイヤーに負担を感じさせていないか?

4)人の役に立てば立つほど、自分も有利になるゲーム性
このゲームは、他人にアリガトを言われないと進行できない箇所がある。
さらにそれで得たポイントは翌日にログインすると獲得できるようになっていて、
更に継続的なログインを促進する。

5)ゲームのメインサイクルに、他のプレイヤーへの巡回が入っている
例)他人の部屋を巡回してアリガト、アリガト言って回るだけで経験値が稼げてしまう。

まとめ
チャット・掲示板・メッセージ機能・宅配機能など、ゲーム内で充実したコミュニケーション手段を提供するのはオンラインゲームでは当然だと思って下さい。
その上でゲームシステムとコミュニティ要素を融合させることによって、初めてオンライゲームのコミュニティは活性化されます。