中野です。






皆様。



大変、


大変長らくお待たせ致しました。





本日4月22日。




兼ねてよりご案内していた新作ブーツが再入荷で御座います。





SLOW WEAR LION BOOTS


OB-8185HR クロムエクセルレザー/レーストゥトゥ

オックスフォードブーツ #7124








構想より丸1年。


順調に入荷すれば2月の頭には入荷していたのですが・・・・



わたくし中野の余計すぎる拘りが時間を要してしまい、約2か月遅れての入荷になってしまいました。。。




ただし、今回も細部まで拘り、


入念に計算した形に仕上げて頂いておりますので、


実物の雰囲気は相当良いであります。




色を含めディテールをご紹介します。





まずは『形』。



今回のイメージソースはカナダは”VIBERG”社のオックスフォードブーツ。






通常、この様なLOW CUTブーツにおいては締め付けや着脱による使い勝手の良さから”外羽根”と呼ばれる形が大半ですが、このVIBERG社のオックスは上品さも意識しているようで”内羽根”の仕様でのオックスも作っております。





この”外羽根”と”内羽根”。


上の画像が”内羽根”。


で下の画像が”外羽根”。




この違い、分かりますか???



言葉で説明すると、



『靴ひもを通す箇所の革が、アッパー(甲の革)に対して上に乗っかっているか、埋まっているか』



です。




ちなみにSLOW WEAR LION BOOTSの、代表作である8593コクサンは、”外羽根”式です。




何故、一般的なブーツにはこの外羽根式がよく用いられているかと言うと、


それは『使い勝手の良さ』です。



羽根の部分が全開するので、着脱が比較的素早くできるうえにフィット感の調節も容易にできる点が靴本来の要素として大変理にかない、以後狩猟用や屋外労働用など一般的にも広く浸透します。


1860年代にはブーツだけでなく短靴、つまり今日の一般的なシューズにも採り入れられ、今日に至ります。


その起源はヨーロッパでの有名な戦いにあります。

プロシアの陸軍元帥だったゲルハルト・レーバレヒト・フォン・ブラヘルが、この外羽根での戦闘用ロングブーツを仕立てさせ、1815年にかの「ワーテルローの戦い」で、フランスのナポレオンに立ち向かったという話が広まって、普及してきたのです。







逆に内羽根は、


羽根の部分が全開しないので、外羽根の紐靴に比べるとフィット感の調節にはやや難がありますが、その見た目の清楚さから、主にフォーマルユースや室内執務用の靴として普及してゆきました。


この内羽根の起源はイギリスの王室にあります。


正に7つの海を支配したイギリス史上最強の女王陛下、ヴィクトリア女王の夫君であるアルバート公が、1853年にこのスタイルでミドルブーツを考案したのがはじまり、と言われています。



前置きが長かったですね。(笑)


一言でまとめると、『上品なワークブーツ』という事です。






このVIBERGの内羽根のオックスフォードは、実物を見たことがある方は分かるかと思いますが、


本当に美しい造りです。



ワークブーツなのに、何か他のブーツとは存在感が違う。


始めはその違いが何なのかが全く分からなかったのですが、


羽根の違いだと気付いた時からずっと、この内羽根のオックスフォードブーツをSLOW WEAR LIONに落とし込んで作ってみたいと考えておりました。




そんな昨年の春、



SWLのブーツを生産して頂いている工場より、たまたまなのですが


『昔に制作していた、内羽根と相性の良い木型のベースが倉庫の奥から見つかった。』


との連絡が来た時、僕はもうこれは作る運命なんじゃないかと感じまして。



それでデザインをさせて頂く事になった経緯で御座います。






おおよその仕様は、シンプルに『VIBERG』を参考にしてあります。






緩やかに湾曲させている切り替え。







その、内羽根に特化した木型をベースにSWL独自のトゥの丸みを持たせたボリューム感の強い木型が成せる、この存在感。










クロムエクセルレザーの、切り口の柔らかさを生かす・質感を感じて欲しいために履き口にクッションはつけずに”切りっぱなし”の仕様に。





おおよその一般的な牛革でこの仕様にしてしまうと、ほぼほぼの確率でこの履き口より靴擦れを起こします。


しかし、クロムエクセルレザーは全くそのような事が起こりません。


さすがの一言。





そして、ソールは今回初となるVIBRAM社製#7124の通称”シャークソール”。


別名”リップルソール”とも呼ばれております。








今回は、僕がどうしてもこのソールにしたく、


工場より『このソールはアメリカのVIBRAM社もあまり在庫を抱えていなかったようで、アメリカで生産から始めるので輸入する(日本に到着するまで)のにすごい時間がかかってしまいますけど大丈夫ですか?』


という話で他の即入手出来るソールをススメて頂いてのですが、やはりこのソールにしたいと駄々をこね・・・・・。



納期が遅れてしまった一番の原因はこの”ソール”です。(笑)




このシャークソールの、かかとに当たる箇所には”EVA”(茶色の箇所)を挟んでおります。




このEVAは(Ethylene-Vinyl Acetate Copolymer)エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂の略で、
ポリエチレンよりも柔らかく弾力があり、軽量・無公害の素材です。

用途としては、サンダルの底材やバスマット、目地材などによく使われる事が多いです。



ポリエチレンのように塩素を含まないので、焼却してもダイオキシンが発生しない、環境にやさしい素材で、低温特性に優れ、寒い場所などでも硬くならず、弾力性に優れています。


また、比重が小さく、塩化ビニルやゴムと比べても非常に軽量で、耐久性に優れ、風雨や紫外線を浴び続けても劣化しにくい特徴を持っている万能素材です。



一般的にブーツのリペアにおいては、


VIBRAM#7124のシャークソール自体が、凹凸はあれども割と固く薄い素材としての認知があるので、


クッション性を増す為 + 厚みを持たせるという上で、このEVAが非常に相性が良いという事で、


シャークソールを使用したリペアなどで重宝されております。




今回は、そのイメージを丸々そのまんま使用。



ブーツ好きな方が一度は気になったであろうソールを贅沢な仕様にて取り入れてます。







デザイン・仕様の説明はおおまかにこんな感じでしょうかね。






あとはカラーバリエーション。

お色は計5色です。

BLACK



BROWN



NAVY



BURGANDY



NAVY/MOCHAコンビ






そして、肝心のお値段ですが・・・・・・・・・

値段は

『50,000yen + TAX』

と仕様としてもうちょいいってしまうかと心配しましたが抑え目で済みました。

8593Hと同価格で御座います。

ただし。。。。。

足数ですが、

各カラー各サイズで『3~5足』ずつのみの入荷です。

更には弊社SWLネットショッピングとの共有販売品となっておりますので、

早い段階で欠品が出てしまう恐れが御座いますので気になった方はお早めにGETしてあげて下さい。。。

もちろん、店頭まで見に来れる方は見に来て履いて、何かを感じてもらえれば何よりで御座います。

最近は全体的な入荷も遅れてしまっており在庫がスッカスカでどうなるかと思いましたが・・・

何とかゴールデンウィーク前にこの品番が入荷して一安心です。。。

お時間のある方!!

是非とも一度見にいらして下さい。

久々にこんなに長いブログ書いて燃え尽きたので今日は帰ります。

嘘です。

今週は土日共にわたくし中野、店頭に立っておりますので、

皆様のお越しを心よりお待ちしております!!!!!!!

みんなでこの格好良いブーツ履いて、ウキウキ気分でおでかけしましょう。



ではでは。

ペヨング中野。