どーも。

昨日から母親が京都へ行きました。

一人暮らしを満喫・・・ですが、べつに

いつもと変わらぬ生活の大五郎です(´▽`;)




いまさらですが、映画『海猿3』を見てきました。

月刊誌の映画紹介のコメント書いてて

気になっていたので・・・。

俺に欠けている、「なにがなんでも生きる」という感情を

奮い起こさせてくれる映画でした。

臆病者のほうが救助隊に向いている・・・

自分も助かりたいから必死になる・・・

恐怖を感じるから危険を察知する・・・

俺は自分を過小評価して「生」にしがみつくのが

おこがましいと思っているフシがあります。

もう、そう思わないように・・・なりたいです。


ちなみに・・・

映画は『3D』で見たのですが・・・

『TOHOシネマ』の3Dメガネって



オチつき大五郎え日記

『ウルトラマンセブン』みたいですよね(笑)


ちなみに、ちなみに・・・3Dメガネの

ひたいの部分に、小さな窓みたいな箇所がありますが、

そこを指で隠すと、映像が3Dに見えなくなります。

もし、メガネをかけても3Dに見えなかった場合、

ひたいの部分を拭いてみたらいいかもです。


それにしても、伊藤英明さんと佐藤隆太さんて、

めっちゃいいコンビですよねぇ(^-^)

熱くて、固い絆で繋がっている感じがいいです。

伊藤英明さん・・・同じ歳に思えない(汗)




では、『誰にでもあった昭和のフィクション外伝』

10話目を、どうぞ(^o^)/





++++++++++++++++++++++++++






結局、ボクはスギウラ君とタカオ君、
あと名前も知らない上級生の男子との
取り引きに応じることにした。
ボク1人でなわとびの練習したって、
飛ぶタイミングが分からないままでは
向上するのは難しいと思ったからだ。
それに、4個入りのガムを分け合うのって、
なんだか『ともだち』って感じがする。
もちろん、そう思ってるのは
ボクだけだろうけど。


「もう1人、とっくんしたいってヤツが来るから
ちょっと待っててくれよ。
あ、それと、そいつにはガムのことナイショだぞ。」


ボクが連れてこられたのは、
言葉が悪いけど・・・その・・・
外壁のコンクリートがボロボロの、
屋根は茶色にサビたトタンで出来た・・・
家?アパート?だった。
スギウラ君は、その一言を告げて、
その家の中に入っていった。


「長いヒモさえあれば、とっくんできるからな。」


タカオ君がそう言う。
みんな平然としてるし、スギウラ君が普通に
その家に入っていったことから、
ここがスギウラ君の家みたいだ。


「みゃーぅ」


ふいに、その家の裏から白いネコが出てきた。


「おー、タマ。元気そうだな。
エサはもらえてるのかー?」


タカオ君がそう言って、近寄ってきた白いネコの頭を
ナデナデしてた。
スギウラ君のネコなのかな?


「人聞きの悪いこと言うなよな。
オレが食べれなくても、コイツだけは
しっかり食べてるんだからな。」


ちょっとふくれた顔して、スギウラ君が家から出てきた。
手には、丸まった長い縄を持っている。


「あの、ここ・・・。」


ボクが聞こうとしたら、


「あぁ、やっぱりびっくりするよな、フツー。
ここがミツマサの家なんだよ。夜にげ、すんぜん。」


タカオ君が説明しながらジョーダンを言ったら


「バカ、夜にげは、かいひできたんだよ。
・・・しばらくはだいじょうぶだ。」


し、しばらくって・・・。
スギウラ君は学校で、他の子の残した給食を
食べてあげていることがある。
その理由がよくわかったような気がした。
そこへ、のんびりした声が聞こえてきた。


「みんな~、待った~?」


声がしたほうを見てみると、同じクラスの
ノガミ君だった。
『のっくんの『の』は、ノロマの『の』~♪』と
他のみんなに言われていた男子だ。
ボクと似ている雰囲気の子だ。
もう1人の特訓志願者って、
ノガミ君だったのか。


「おう、来たな。これでそろったみたいだから、
今から『ヒミツのとっくん』をするぞ!」


上級生の男子が、不敵な笑みを浮かべて、
そう宣言した。






オチつき大五郎え日記


特訓は、いつの間にか
辺りが薄暗くなるまで続いた。
スギウラ君とタカオ君が縄を回してくれて、
ボクとノガミ君が、上級生の
手を叩くタイミングで飛ぶ・・・。
上級生のタイミングは、かなり早めに出されていた。
自分の思っているタイミングより早くて、
はじめは戸惑ったけど、ノガミ君もボクも
自分のタイミングを信じていたら、いつまでも
飛べないと諭されて・・・。
でも、本当に、上級生の言うとおりだった。
早めに、早めに。
ノガミ君は、それでも苦戦しているようだった。
顔はニコニコしてるように見えるけど、
飛べなくて悔しいって気持ちは伝わってきた。


「が、がんばろう・・・。」


ボクは口下手だから、
こんなことしか言えなかったけど


「うんー。ありがとう~。」


ノガミ君は、のんびりした口調で、
笑顔で、そう答えていた。


3人の協力と、2人の努力で、
今日は自己最高の20回飛べた!
あとは、このタイミングを自分の体で
覚えておかなくちゃ。
ガム1箱10円の価値はじゅうぶんあった。
ちなみに、当たり付きのガムの箱・・・ハズレだった。


「こんなの、歌を歌いながら飛んでたら簡単だぜ。」


とタカオ君。


「一羽のカラスが、かーぁか♪ってな。
最近の体育は、オレらにとっては遊びだよな。」


そう言って、笑ってみせるスギウラ君。
そうなのか。
いいな、運動神経がいい人は。
ボクもノガミ君も、もうヘトヘトになりながら、
この日の特訓は終わった。
帰り際、上級生が


「うまく飛べるようになったみたいだな。
まだとっくんが足りないようなら、
またガム持って来いよ。」


と、ボクだけに耳打ちしてきた。
いい人なんだと思うけど、
最後は、どうしても悪魔のささやきに聞こえた。
ボクは無表情のまま、うなづいていた。


「それにしても、ダイゴロウって
・・・笑わないんだな。」


「え・・・?」


「なんでもない。じゃぁな。」


タカオ君は、帰り際にそう言い残していった。


ボクは・・・ボクだけガムの取り引きをして
ノガミ君は何もしなくても特訓が受けれることに
少し差別を感じていた。
帰り道、ノガミ君と歩いているときに、
こっそり聞いてみた。
すると、


「うんー。ボクはスギウラ君とタカオ君と
ちょっと前まで同じ班だったから・・・。
タカオ君にそうだんしたら、
昔のよしみだって言ってくれて・・・。」


ノガミ君は、嬉しそうに、そう答えてくれた。
そうか・・・ボクとノガミ君・・・
同じようで、違うんだ。
クラスの子たちといっしょに過ごしている時間が。
正直、うらやましいって思った。


「今日は、いっしょにとっくんしてくれて
ありがとう、楽しかったー。じゃぁねー。」


分かれ道で、ノガミ君はニコニコしながら
そう言っていた。
ボクと同じくノンビリしてる子だと思っていたけど、
やっぱり全然似てないって思った。
温かくて、優しい子だと感じた。


「こちらこそ・・・」


ボクは、その一言を言うのが精一杯だった。
胸の奥がジワっとして、何か溢れそうになっていて、
それを押さえ込むのに大変だったからだ。
・・・そういえば、同じ歳の子に「ありがとう」って
言われたの、初めてかもしれない。
ボクは気分よく、家に帰った。




「どこへ行ってたんだ!」


家に帰るなり、あの人・・・
父さんが玄関で仁王立ちしていた。
ボクがまっすぐ家に帰らなかったのは、
どこの街でもなかったこと・・・今回が初めてだ。


「・・・ご、ごめんなさい。」


ほとんどボクに接してくれない父さんが、
本気で怒っていることに、ボクはビビった。
怒られながらも・・・父さんだって、
いつも帰りが遅いじゃないかって
思ったりもした。
夜中、トイレに行ったときに、
母さんが、父さんの食事を用意したまま
食卓で寝ていたのを、何度か見たことがある。
なんとなく理不尽さを感じる。


「まぁまぁ、シゲちゃん。
これくらいの男の子だったら、暗くなるまで
外で遊んでくるもんだって。
シゲちゃんもそうだったろう?」


親戚のおじさんが、そう言って、
父さんをなだめてくれた。


「ご迷惑をおかけして、申し訳ない。」


父さんが、おじさんに謝っている。


「いいんだって。
ダイゴロウ君が無事に帰ってきたなら、それで。」


「さ、夕飯の用意ができてるから
手を洗ってらっしゃい。」


父さんの後ろにいた母さんが
ボクを家の中へ促してくれた。
母さんは怒ってないようだ。
怖くて父さんの顔はよく見てなかったけど・・・
怒鳴ったあとに、どこかホっとした空気に
変わったことは感じていた。
心配してくれていたのかもしれない。
そう思うと、胸の奥がチクっとした。




++++++++++++++++++++++++++


つづく。







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「暗くなるまで遊んじゃダメなの?」と「ことりーず」。


どんな親でも、子供が心配になっちゃうんだよ(´▽`;)