1997年7月10日(木)から8月25日(月)まで『もっとあぶない刑事』を再放送。この頃になると、さすがに80年代にやっていたドラマの再放送は少なくなり、日テレ4時枠では、松田優作リバイバル・ブームでの『探偵物語』、「あぶない刑事」シリーズ、それから西田敏行主演の「池中玄太80キロ」シリーズぐらいとなっていく。

 

1998年7月21日(火)、「金曜ロードショー」枠で放送する『あぶない刑事フォーエバー TVスペシャル’98』と新作映画版『あぶない刑事フォーエバー THE MOVIE』のプロモーションとして、『あぶない刑事』の再放送が開始された。8月28日(金)のTVスペシャル版放送当日にも午後4時からの再放送枠では第23話「策略」(1987年3月7日放送)も放送されている。なお、これが夕方の再放送と「金曜ロードショー」枠で放送されたものが唯一重なった日でもある。

 


1998年8月28日(金)の日本テレビ番組表(同日付の『読売新聞』ラテ欄より)

 

しかしながら、9月12日(土)公開の映画版『あぶない刑事フォーエバー THE MOVIE』を待たずして、9月3日(木)放送の第25話「受難」(1987年3月22日放送)で、なんと打ち切り…。後番組は、『星の金貨』、『続・星の金貨』になった。



1998年9月3日(木)の日本テレビ番組表(同日付の『読売新聞』ラテ欄より)

 

 

2000年8月7日(月)、『もっとあぶない刑事』が始まるも、その初回はなぜか第6話の「波乱」(1988年11月11日放送)から。一応、その後は間引きされることはなくて9月7日(木)に最終回「一気」で終了。これが日本テレビの地上波放送における「あぶない刑事」シリーズ最後の再放送となってしまった。

 

 

 

以降、「あぶない刑事」シリーズにかぎらず、夕方4時枠では日テレ伝統のアクション刑事ドラマは放送されることはなかった(2002年の春から秋に掛けて、午前中の枠で、松田優作をフィーチャリングした『探偵物語』と『太陽にほえろ!』のジーパン編が再放送されたのみ)。そして、2003年年3月28日(金)にアニメも含めた夕方の再放送枠は消滅。翌週3月31日(月)からは情報番組『汐留スタイル!』が始まる。後に一度だけ再放送枠は復活するも、残念ながら短期間で消滅していってしまう。


2003年3月31日(月)の日本テレビ番組表(同日付の『読売新聞』ラテ欄より)

 

他局はまだ4時台には再放送枠は持っていたものの、日本テレビに追随するように再放送枠をやめてしまう。

 

先述したとおり、「あぶない刑事」シリーズ最後の再放送は2000年だから、この当時5歳くらいの子が観ていたとして、いまだと二十歳前後。だから、少なくとも、関東で現在十代の人たちにとっては“夕方に『あぶない刑事』の再放送を観ていた”という記憶はないことになる。

 

 

ただ、CSでは昔から定番ではあったし、東映では映画版のほかにテレビシリーズのソフト化もVHS・LD→DVDと随時行われて、レンタルビデオ店でそれが置かれているところも多かったので、80年代にやっていたテレビドラマとしては視聴環境は抜群に良くて、その世代でも認知度が高い。

 

 

まあ、それでも、こういったものは自分から求めて観ていく、いわば能動的なものであって、“テレビのスイッチを付けたらやっていた”再放送みたいな受動的なものではない。そう、この受動的な視聴の仕方こそ、再放送の最たる魅力なのである。数年前、自分の知り合いで、昔のテレビドラマにも刑事ドラマにも興味ない人が、tvk(テレビ神奈川)でやっていた『刑事貴族』の再放送に懐かしさからハマっていると教えてくれたことがあった。あらためてその時、再放送の影響は大きいものだなと感じた次第である。

 

 

今回の映画『さらば あぶない刑事』は、1月30日(土)の公開に向けて、媒体での取り上げ方がシリーズ中かつてないほど。往時を知るファンとしても嬉しいかぎりなのだが、唯一寂しい点は地上波でのテレビシリーズ再放送がなかったこと。昨年10月改編期から今月来月あたりまでに掛けて無印と『もっと』の両作品を、金曜は『女神のマルシェ』と『それいけ!アンパンマン』があるとして、月曜‐木曜の4時台でやったのならば、雰囲気はもっと盛り上がったんじゃないかと思う。