11月となったので、毎年恒例の「スカパー!昔のドラマ・アワード 2017」を発表。


選考基準は例年と同じく以下の通り。


まずは何と言っても自分の眼鏡に適ったもの。次に、地上波での最後のオンエアから久しかったり、スカパー!初放送であったり、未ソフト化といった付加価値があるものを優先。あとは、初回放送の時間帯やリピートの回数など視聴環境が優しかった事柄も含んでみた。


それでは発表。

 

○ 連続ドラマ部門

 

最優秀作品、次点、第3位ともに該当作品は無し

 

【寸評】 これほどまでに不作だった年はないんじゃないかと思うくらいCS初放送&未ソフト化の作品が各チャンネルで出てこなかった。甚だ残念。その一言に尽きる。そんな中、東映チャンネルでは昨年より、『鉄道公安官』、『ザ・ボディガード』など、1970年代のレアなアクション・ドラマを放送しているのだが、ベストフィールドという映像ソフト販売会社がソフト化した際の恩恵として放送されるもので、この賞が推す蔵出しの基準(CS初放送及び未ソフト化)からは少々外れることになる。まあ、それでも、今迄観たくても観る機会が持てなかった作品がドシドシ観られるようになったことは歓待したい。今年は特に、ともに長らく幻の存在だった小林旭主演の『ターゲットメン』と芥川也寸志がボス役をやっていた『ゴールドアイ』がCS初放送及び初ソフト化されたことは賞賛に値する。よって、この二作品には連続ドラマ部門の「特別賞」を贈る。

 

○ 単発ドラマ部門

 

最優秀作品は、テレ朝チャンネルで放送の『呪いのマネキン人形』(1984年、テレビ朝日ー円谷プロダクション)

 

次点は、AXNミステリーチャンネルで放送の「名探偵雅楽」シリーズ 全3回(1979年~1980年、テレビ朝日ー歌舞伎座テレビ)

 

第3位は、ホームドラマチャンネルで放送の「変装探偵」シリーズ 全2回(1981年~1982、テレビ朝日ー東映)

 

【寸評】 連続ドラマ部門が不調だった一方で、この単発ドラマ部門は好調そのもの。昨年とは全く逆である。選ぶのを本当迷った。それくらいもっといろんな作品に賞を与えたかった。

 

昨年末からテレ朝チャンネルで始まった特番『EXまにあっくす』(全6回)のなかで放送された円谷プロ制作による「土曜ワイド劇場」作品のうちで一番面白かったのは、その最終回に放送された『呪いのマネキン人形』。円谷プロ的なエッセンスは『帰ってきたウルトラマン』のレギュラー出演者やスタッフが名を連ねた『怪奇!金色の眼の少女』あたりなのだが、『呪いのマネキン人形』にはアクションだけではなくサスペンスものもイケる村川透監督の巧さが、“ウルトラマンの円谷プロが作った2サス”という下駄を履かせなくても見応え十分であった。次点は、本物の歌舞伎役者を随所に使い、そして歌舞伎座で大掛かりにロケするなど、初期の2時間ドラマがお手軽に作っていたのでなく、如何に拘って作っていたのかが伺える逸品として推した。第3位は、山城新伍版「美女シリーズ」(天知茂主演、テレビ朝日ー松竹)みたいなもので、わずか二作で終わってしまったのが惜しい面白さだった。

 

○ カムバック部門

 

最優秀作品は、ホームドラマチャンネルで放送の『冷たい血』(1982年、朝日放送ー松竹)

 

ホームドラマチャンネル 番組紹介

http://www.homedrama-ch.com/series?action=index&id=14701&category_id=4

 

次点は、時代劇専門チャンネルで放送の『快傑ライオン丸』(1972年~1973年、フジテレビーピープロ)&『風雲ライオン丸』(1973年、フジテレビーピープロ)

 

時代劇専門チャンネル 番組紹介

https://www.jidaigeki.com/program/detail/jd00000318.html

https://www.jidaigeki.com/tokusatsu/

https://www.jidaigeki.com/program/detail/jd00000528.html

 

第3位は、日テレプラスで放送の『子供が寝た後で』(1992年、日本テレビ)

 

日テレプラス 番組紹介

http://www.nitteleplus.com/program/drama/kodomoga.html

 

【寸評】 かねがね観てみたかった『冷たい血』を放送する「ウィークエンドサスペンス」枠は以前に同チャンネルで放送したことのあるものをリピートする枠で、この作品もどうやらCS初放送ではないらしい。本来だったら単発ドラマ部門にエントリーされて然るべき賞を与えたかったけれど、こちらに廻してみた。『快傑ライオン丸』と『風雲ライオン丸』は十年ぶりの登場。ソフト化はなされている作品ではあるのだが、大好きなピープロの制作ということで入選。第3位の『子供が寝た後で』もリピートが掛かるのは六年ぶりくらい。

 

【総評】 残念ながら本年度の最優秀チャンネルは該当チャンネルはなし。強いて言えば、東映チャンネルとホームドラマチャンネルが頑張っていたが、最優秀チャンネルを捧げたいような飛び切りの作品を放送していたわけではなかったので…。それから私事ではあるが、スカパー!設置以来十九年ずっと加入していたフジテレビのCSチャンネルをとうとう契約解除してしまった。設置当初、ずば抜けて面白かったこのチャンネルの面影はもうどこにもない。また、TBSチャンネルも同様なことで、そろそろ自分にとって危うい存在になりつつある。

 

さて、権利関係、視聴者の多様な趣向、そしてHD化など高騰する経費、スカパー!において昔のドラマを放送する状況は依然として厳しい。そいした状況を視聴者に説明しつつ、ともに復刻を楽しんだテレ朝チャンネルの『EXまにあっくす』は、まさに昔のドラマ好き諸氏の代弁者だった。第2期の放送を番組自らアピールしつつ、なんのアナウンスも出来ないまま終了してしまったのは実に惜しい。ということで、それへのエールとして、本年度の「企画賞」を授けたい。

 

テレ朝チャンネル 番組紹介

http://www.tv-asahi.co.jp/ch/recommend/ex_maniacs/

 

それでは〆の言葉を。各チャンネル編成担当者の皆様、来年もぜひとも昔のドラマ好きを喜ばせてください。どうぞよろしく。

 

 

 

 

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前回の記事で、日本映画専門チャンネルに苦言を呈した後、その公式サイトから毎月届くメールマガジン「日本映画専門チャンネルEXPRESS!」が届いた。12月のラインナップが速報されている。なんというか、映画作品よりもテレビ番組作品よりにますますシフトしていっている。この編成、どうなんだろうか…。

 

日本映画専門チャンネルはその名のとおり、かつては邦画を専門に放送するチャンネルであった。たしかに、以前から邦画以外に日本のテレビドラマも、親会社のフジテレビや東宝がその時期に推す〝旬〟の劇場公開における関連作品として取り扱ってきたのだが、どっしりと邦画放送をメインに置いていた。しかし、2015年7月から編成方針が大幅に変わり、その時期に劇場公開するものや特集放送する映画作品とはまったく無関連なテレビドラマを拡充し、加えてVシネマなんかも取り扱い始めるなど、「日本映画専門」とは言えないものとなっている。

 

たとえば、来週10月16日(月)の番組表を見てみると、その日24時間放送するうち、8時間がテレビドラマで、3時間がVシネマなのである。

 

日本映画専門チャンネル 週間番組表(10月16日~10月22日)

https://www.nihon-eiga.com/timetable/20171004.html


それで上述した2015年7月以後にここで放送するテレビドラマは他チャンネルですでにやっていたものばかりで魅力がなかったのだが、12月放送分は、ちょっとは気合が入ったようなものをやってくれる。

 

というわけで、メールマガジンには〝転載してはいけない〟とは書いていなかったので転載してみる(本放送時の枠や日付などは当方で加筆)。

 

<12月放送作品>

東京12チャンネル(現・テレビ東京)で1972年から1973年に掛けて放送された

「私が作った番組 マイテレビジョン」SEASON 1
(美輪明宏/永六輔/戸川昌子&野坂昭如の回を放送)

 

12月は池広一夫が手がけたサスペンス作品を放送!

「嫁・姑殺人事件」 (テレビ朝日「土曜ワイド劇場」 1985年9月28日放送)

「十字路に立つ女」(テレビ朝日「土曜ワイド劇場」 1991年9月7日放送)

「家族ゲーム」 (テレビ朝日「月曜ワイド劇場」 1982年11月8日放送)

「家族ゲーム2」 (テレビ朝日「月曜ワイド劇場」 1984年3月12日放送)

「万引夫人のとんでもない誤解」(テレビ朝日「土曜ワイド劇場」 1984年9月1日放送)

「見込み違い夫婦」(テレビ朝日「月曜ワイド劇場」 1985年9月16日放送)

 

他にも大林宣彦演出による「麗猫伝説」(日本テレビ「火曜サスペンス劇場」 1983年8月30日放送)、「可愛い悪魔」(日本テレビ「火曜サスペンス劇場」 1982年8月10日放送)。なお、この二作品はどちらも円谷プロダクションによる製作。

 

以上。

 

再度断りを入れさせていただくと、昔のテレビ番組が好きなだけに「日本映画専門なのにテレビドラマを放送するな!」とは言わない。他チャンネルでやったことないような、そして実現不可能だった蔵出し作品(CS初放送&未ソフト化)が観たいのである。

 

なので、そろそろ日本映画&テレビ専門チャンネルと名称を変更しても良い頃ではないか?、そして親会社の東宝、角川大映、フジテレビが製作著作を持つ、無尽蔵で魅力的なコンテンツをスカパー開局当時のように再度花開かせる時であろう。

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いま、スカパーで国内の2時間ドラマを放送しているところは、11チャンネルにも及ぶ。TBSチャンネル、フジテレビONETWONEXT、テレ朝チャンネル、チャンネルNECO、チャンネル銀河、AXNミステリー、ファミリー劇場、ホームドラマチャンネル、LaLa TV、日本映画専門チャンネル、時代劇専門チャンネル(ただし、時代劇のみ)。

 

で、ラインナップを見ると、だいたいが1990年代中盤以降に作られて放送された、素人探偵が観光地で事件に遭遇して料理とかの専門知識で犯人探し当てて、崖で告白させて解決しちゃうやつね。船越英一郎が大事にしようと提唱しているスタイルの。

 

スポーツ報知 船越英一郎&山村紅葉、2時間ドラマ減少で苦悩「消えていくのはさびしい」

http://www.hochi.co.jp/entertainment/20170524-OHT1T50203.html

 

日刊スポーツ 崖っぷち2時間ドラマ、帝王船越英一郎の直訴が熱い

https://www.nikkansports.com/entertainment/column/umeda-b/news/1823862.html

 

2時間ドラマは大まかに三つのジャンルに分けられる。まず一つ目は、殺人などの刑事事件は起こらず(または主体にはならず)、女の一代記なんかを綴ったもの。二つ目は、ミステリー。犯人探しとかアリバイ崩しの謎解きもの。今日の2時間ドラマはこれが多い。三つ目が、サスペンス。たとえば、事件の犯人は最初から判っていて、それを追跡したり、または被害者や目撃者が襲われる恐怖から逃げていくもの。いまでは、ほぼ失われたジャンルとなってる。

 

1980年代半ばまでは、この三つのジャンルがバランスよく取れていた。それが1980年代後半になると、ミステリーもの、それも素人探偵ものが突出して増えていき、展開がワンパターンな長期シリーズものも形成されていく。1990年代から2000年代の最盛期はそういったものが謳歌していたわけである。

 

話を戻して、いまスカパーで2時間ドラマをやっている11チャンネルの中でラインナップが最低なところは、日本映画専門チャンネルの「昼の2時間サスペンス」枠だ。本放送時の年代はほとんどが1990年代後半から2000年代、よくて1990年代前半のもので、しかもすでに他のチャンネルで幾度も放送していたもので占められている。

 

日本映画専門チャンネル 「昼の2時間サスペンス」 紹介

https://www.nihon-eiga.com/program/#31

 

最近の日本映画専門チャンネルは〝看板に偽りあり〟の体をなしている。リアルタイム視聴が乏しい平日昼間にこの「昼の2時間サスペンス」を置いて、なんとか時間を埋めてる有様。手抜きも甚だしい。今年の7月から始まったのだが、それ以前から「ひるおびドラマ」枠と称して、1時間枠の連ドラで埋めていて、やはり他のチャンネルでやったものばかりだったので、まったく持ってやる気が感じられない編成が続いているのである。

 

当ブログ 日本映画専門チャンネル「ひるおびドラマ」は諸刃の剣か?

https://ameblo.jp/goro-chayamachi/entry-12038754148.html

 

「日本映画専門なのに、テレビドラマを放送するな!」とは言わないが、とにかく改善を求めたい。

 

さて、ようやくここからが本題。

 

11チャンネルのなかで、2時間ドラマのラインナップが突出して素晴らしいのが最近のホームドラマチャンネル。先月は山城新伍主演の「変装探偵」シリーズを蔵出し(未ソフト化&CS初放送)放送。これは「土曜ワイド劇場」枠で1981年と1982年に放送されたもので、山城新伍演じる私立探偵が美女がらみの連続殺人事件に、普段の冴えない姿とは別人のモテ男に変装して事件に関わる廻りの美女としばし楽しんだ後に、その巧みな話術で彼女らから証言を引き出して解決していくというミステリーコメディもの。もちろん「土曜ワイド劇場」特有のお色気あり、残酷描写ありで、二本とも井上梅次監督だったりするから、差し詰め東映版「江戸川乱歩の美女シリーズ」(松竹製作・天知茂主演)といった趣だろうか。

 

ホームドラマチャンネル 『変装探偵』 紹介

http://www.homedrama-ch.com/series?action=index&id=14019&category_id=4

 

ホームドラマチャンネル 『変装探偵II』 紹介

http://www.homedrama-ch.com/series?action=index&id=14020&category_id=4

 

来月はもっとスゴくて、ウィークエンドサスペンス ミステリーセレクション枠でやるものは「こういう昔の2時間ドラマが観てみたかった!」というラインナップそのものだ。

 

ホームドラマチャンネル 『幻の結婚式』(1985年1月26日放送) 紹介

http://www.homedrama-ch.com/series?action=index&id=14698&category_id=4

 

ホームドラマチャンネル 『無人霊柩車殺人事件』(1980年9月6日放送) 紹介

http://www.homedrama-ch.com/series?action=index&id=14699&category_id=4

 

ホームドラマチャンネル 『父にかかる電話』(1985年9月17日放送) 紹介

http://www.homedrama-ch.com/series?action=index&id=14700&category_id=4

 

ホームドラマチャンネル 『冷たい血』(1982年8月21日放送) 紹介

http://www.homedrama-ch.com/series?action=index&id=14701&category_id=4

 

この四作のなかでオススメとしては、当時すでに故人となっていた沖雅也が出演していた『幻の結婚式』。翌月にも生前に撮っていた主演作品『浴室の死美人』が放送されるなどして当時ちょっとした話題になったものだ。

 

それから『冷たい血』なんかも。これは松竹京都が製作している。つまり必殺シリーズのスタッフが手掛けていて、当時毎年あの「京都妖怪地図」シリーズを作って放送していた夏場恒例の怪奇シリーズ枠で、その姉妹作と呼べるもの。

 

是非とも期待して待ちたい。

 

 

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