おいでやす 京都丹後へ 特別番外編 | GONのどないかならんの?

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自分に本当に素直な気持ちを綴ったり
 日ごろ全く意味のないことを綴ったブログ。








             晴れ渡る青空だった1日

       気がつくと不機嫌になったりと安定しない空


           京都の北の道をゆったりと走る。














         朝よりの何も口に入れない時間を越え



       何処で何を食べればいいのか正直悩んでいた。



     特産と言われる物は口にし正直 残された時間は僅か。












            ふと目に留まる喫茶店













           その姿からおよそ想像つく味


            店の外より中を覗き伺う。











     店内は数組の客を談笑させ静かに時を刻んでいた。













      地元に帰るには限界の時の鐘が鳴ろうとしている



          ボクはやむなく店内へと足を運ぶ。















            奇異な形をした外見の店



            その味たるや想像に易い



      今まで幾多の店に入り幾多の時間を過ごした



    その流れから奇を衒った店程 長くは無いと知っている。















          基本を疎かにしては先は短く暗い



             その店内は列車の作り



    外見も宛ら中も当時使われていたままの姿であろう















            その中へと足を踏み入れる

















               意外に静かな店内



 今風な男の子がエプロンをし水を持って此方が座るのを待っていた













                   窓際
















     作りは列車そのものを運用しているので全てがそうなる










   店を入り 両端 二組の客を越えて右手の座席へと腰掛ける



   少し開いた窓より少しだけ先程より涼しく感じる風が入ってくる












 エプロンの男の子の気の無い接客が想像を現実へと考えを寄せた














 

       隣の席の男性は取り出した煙草の先に火を灯す


 

           狭い店内は煙で充満し始める。



       ボクはやはりと思い席を立ち隣の車両へと移る



     隣は一組の男女が何やら話しながら食事をしていた。















      ボクはその二人の席より少しだけ離れて席を座る



        二人の静かな笑い声に少し心癒される


















                メニューを開く



            奇を衒った喫茶店のメニュー



   見る時間を出来る限り省き注文し足早に去ろうとしていた。















        しかし 内容に今までの考えは払拭される










   飲み物に特化している喫茶店かと思えば食事も凝っていた



        見た目と内容の差に驚き注文を迷った。



           あえてスタンダードを選んだ















 


             マルゲリータとカプチーノ
















    最初の印象からメニューを見て違う店に行った気分となった。



          店内の・・・いや車窓より見える景色。



     それ程絶景と言えるものでも無くても不思議と心が躍る。
















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           何も無い風景と言う人が居る



















          実際にはそんな風景は存在しない。




















  木々が生い茂り 山が聳え 遥か向こうまで広がる空と大地



       その風景を人は皆、 何も無い と答える。
















        その素晴らしい景色が在ると気がつくまで



   この自然の恩柄には感謝しないんだろうなと一人愚痴を零す
















                 静かな時間



















            時折聞こえる単車の列の音




          それが過ぎ去ると聞こえる鳥の声




    鳥が囁き終えると木々の葉の擦れる音が偶に耳へと入る




     すこし離れた男女のひそひそ声が大きく聞こえる程だ




















 


      話の内容が店内にぶつかり此方へとやってくる


 

    どうやら女性の父親は病気で男性は本当に心配していた。



  内容と対応 気遣いからして時の浅い二人ではないことが伺えた













         こちらへと向かう足音にふと我に返る
















          男の子が注文をした品を持ってくる



 その置き方は只単に慣れては居らず丁寧にしようと試みていた



     それがボクには無性に嬉しかったのを覚えている

















      出来合いの物が来ると思っていた自分は情けない



 何処にでもあるピザに濃くしただけのコーヒーが出てくると思っていた



     見た目で何事も判断してはいけないと改めて思った。




 


 








 


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    丁寧に膨らませ焼きあがったナンは非常にやわらかい



   程よく焼かれ溢れるチーズとフレッシュトマトの絶妙とも言える



     甘酸っぱさがピザ好きのボクを幸せ顔へと変化させる。













          ポテトチップが遊び心を妙に擽った



      パリパリと口に運びながらその時にハッとした















          ジャズが流れていることに気がつく


















      店内に入り20分は経過しようとしていた時にだ


 

     そのジャズは聞こえるか聞こえないかの微妙な物



      しかしボクは十分に聞こえていて良かったはずだ



 












       店内に入った時の店の猜疑心と途中の緊張



    それからの安心した心と何時の間にか寛いでいた状況



      それらがこれ程に落ち着いた店内の音楽さえも



           ボクの耳には届かなくしていた
















           食べ終えた食器を横へとやり



             カプチーノに手を延ばす。
















                店内を見渡す
















          店主はこの形をしっかりとイメージして



    車両を此処へと運び今迄 こうして客を見てきたのだろう



         創業から十五年もの月日が経っていた



       見た目で判断した自分が一層恥ずかしく感じた


















         少しだけ口をつけたカプチーノを眺める

















          幾分の時が過ぎたか分からない



       もう帰る予定の時間は過ぎているだろう。




















   予定を大幅にずれ込んでいる事にも気付かないふりをした

















    半分に減ったカプチーノに少しだけシナモンで掻き混ぜる



  カップを口元へと近づけるとほんのりとしたフレーバーが鼻を横切る















   飲み終える少し前に強く掻き混ぜ最後をゆっくりと楽しんだ
















    店内に居るのは女性店主と男の子だけと思っていたが



             奥の方に男性が居た。












        一度も姿を見せぬ男性はおそらく店主



      店内を奥さんに任せ厨房で自らの拘りを見せる



      その形と味を十分に理解出来たような気がした



















         カップにほんの少しだけ残ったカプチーノ


















           それを最後にゆっくりと啜った。
















         もう丹後より帰らないといけない時間だ





















              それは分かっていた














                分かっていた・・・
























         でも、何故か肘を着き窓から空を眺めた






























                 空が好きだ




























       なんだか、その日の夕日がとても綺麗な気がした






 




















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          おいでやす 京都丹後へ 特別番外編


                 丹後編 全終了