混沌を内包した世界の

撹拌された感傷の

磁気嵐で狂わされた方位磁針の

静かに整列していく様を

心象に感じて


ため息を零したエアコンの

その偶発にさえ由縁を捏造しそうになる

このこころの所作を

宙ぶらりんな客観が

また眺めている


無意味にも存在が許される場所

日向ぼっこの微睡みみたいな

無防備でいられる


そんな


場所なのか 

肌なのか 


 こころなのか


ふと

それが春なんだと 


   悟る


ため息みたいに


最期のキスに含まれた嘘は

知りながら騙されたい


騙されたという嘘にも

知りながら騙されてくれるだろ?



春に翔びたい

誰にも気づかれないままで