ちょうど1年前の今日
アルコール性慢性膵炎で入院したんだけど

入院後の検査で仮性嚢胞(強力な消化液である膵液が溜まった袋)が急激に出来てしまったことが
判り(入院前の検査ではまだ無かった)、タイミング的に入院を延長して、
嚢胞にメスが入れられる時期(形成してから5週目までは手術不可)まで絶食も延長し

そのまま仮性膵嚢胞胃開窓術(膵液の溜まった袋が破裂しないように胃に窓を開けたようにする)を
受けることとなったが、おかげで絶食期間は26日間になってしまった

点滴を受けているとは言え何とも言えない中途半端な空腹がずっと続いて辛い日々だった
食事の時間になると周りの入院食の良い匂いでたまらず、いつも病室には居られず喫煙所に逃げていた
そのせいか食事に対しての考えや、思い、憧れ、感謝がずいぶんと変わったのも事実だ

膵炎になると、とかく言われるのが脂質を控えるってこと

インタネで検索すると
膵炎に1番悪いのは油
と言った記述が多く、私も退院当時はとても惑わされました

低脂質食を心がけると言うのは、脂質は消化に時間がかかり
膵臓に負担がかかるからであって、油が膵臓になにか悪さをするわけではない
むしろ、油は3大栄養素であって必須栄養素でもあるので摂取しなければならない

じゃぁまずは3大栄養素ってなんだってことになるけど、こう言うことだ

たんぱく質体を作る栄養素
たんぱく質は、体内では古いものと新しいものが常に入れ替わっています。
タンパク質は体の中で、アミノ酸に分解されます。アミノ酸は、髪、爪、内臓、筋肉などの主成分でもあり、
ホルモンや酵素などを作るのにも欠かせません。


炭水化物体と脳のガソリン
炭水化物を食べると、消化吸収されて血中で糖となり、この糖が体や脳の活動に欠かせないガソリンになります。
消化吸収された炭水化物は、肝臓に蓄えられ、食事の間はそこから供給されます。
食事を抜くと、血液中の糖が少なくなり、イライラしたり、集中力が欠けたりしてきます。
体だけではなく、心や頭に大切な栄養源なのです。

脂質脳の機能・ビタミンの運び屋
脂質は脳の正常機能にも必要な栄養素であるだけでなく、食事の消化、吸収、
脂溶性ビタミンの運搬にも欠かせません。
臓器、神経、骨などを守ったり、体温等を正常に整える役割があります。
特に多価不飽和脂肪酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は体内で
合成されないため食品から摂取しなければなりません。

脂質の働きは
高カロリーで効率の良いエネルギー源
細胞膜や神経組織、核酸等の構成成分として重要
脂溶性ビタミンの吸収を助る

で、脂質が欠乏すると
血管や細胞膜が弱くなり、脳出血の可能性が高くなる
やせすぎ・疲れやすくなる・体力が低下する

なんだかこんな風に説明すると脂質はメリットが多いけど
1日に必要なエネルギーの20~30%が良いとされているんだけど、約50gになる

最近の日本人の脂質摂取量が50年前の3倍の57.4gが平均らしいけど
膵炎患者でも週当たり50gが最低でも必要だそうで、平均すると1日7.15g
50年前の日本の平均脂質摂取量は1日当り18.3g

最近では脂質の過剰摂取による病気が増加しているらしい
前述の半分 「 30g程度が健康上好ましい量 」 だと言われはじめているんだ

簡単な計算では、健康な人でも脂質の適量は体重×0.3gで求められるそうで
体重65kgとすれば19.5g(60kgなら18g)

病院で膵炎での食事の脂質量を突っ込んで聞いてみると
1日20~30gと言う答えが返ってくると思う

膵炎になって制限された脂質の量が
最近では健康体の適量と言うのは皮肉なのだろうか
脂質の面だけでとらえれば膵炎患者の食事は健康食と言うことになる

そう言えば先日、時々参考にさせていただいている ”さそりのらびりんす~たわごと~” で
ブロガーの亜優さんと同じ食事をしているご家族がどえらい健康体な数値をたたき出したとか

脂質面でも健康的だが刺激物も少なくしなくてはならないのが膵炎食
私も大好きだった唐辛子は全くと言っていいほど使っていないし、コショウもほとんど使わない
使っても白コショウを食べる直前に少量だ

こうすると、コショウの風味が強いけど少なくて済む
本来コショウは冷蔵庫などがなかった頃に、臭ってしまった肉の臭いを消すために
使われたのだから、現代ではほとんど不要だ、風味を楽しむ程度の少量で良いのだ

病気になってはじめて健康的な食事を出来るようになったとは何とも皮肉なものだ
未病な皆さんには発病前に健康的な食事を心がけて欲しい

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