『ジュークボックス』 山田正紀 徳間書店
ジュークボックス
山田 正紀 徳間書店 1990-03 売り上げランキング : 1071301 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
生体工学兵器にジャックインするサイバーパンクであり、
謎の存在との戦争ものであり、
生命言語を描くメタフィクションであり、ハーラン・エリスンの
「北緯38度54分、西経77度0分13秒、ランゲルハンス島沖を漂流中」
へのオマージュでもある。
例によって並のSF作家の3倍以上のアイデアをぶち込んでいる凄さ。
50年代アメリカの青春小説でもあります。
どれかひとつのネタだけでも傑作と言われるだろうに、
二つの現実に見事に説明を付けるラストも素晴しい。
アーサー・C・クラーク の「2010年宇宙の旅」 の結末にぶっ飛んだ方は、
ぜひともこれを読んで欲しい。
機械知性と人間知性の関係においても、
センス・オブ・ワンダーが大爆裂します。
重厚な大長編ではなくて、短編連作形式なのが軽く思われて減点する人もいそうだが、