青梅街道第6回(最終) 箱根ヶ崎から青梅 | らんまるの街道歩き・暗渠散歩ブログ

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2013年2月10日(月)

前日に続いての青梅街道歩きです。今までは子供の受験もあってこういう事ができませんでしたが、時間制約も無く、三連休で翌日もお休みなため、思い切って連続で歩く事にしたものです。

この日の歩行距離は約12km、歩行ルートはこちらです。
そしてこの日が青梅街道のゴールとなりました。

朝7:30の電車で出発し、新宿-立川-拝島-箱根ヶ崎とJRを乗り継いで前日ゴールの箱根ヶ崎から9:30に出発です。少し北上するとほどなく前日歩いていた街道に復帰し、暫く歩くと「瑞穂松原」の交差点で旧青梅街道と新青梅街道(自動車道)が合流します。

01瑞穂松原
昨日ほど寒くも無く、天気も良好で良い感じのスタートです。


交差点から少し進むと進行方向を示す標識と、青梅街道の標識が一緒にファインダーに収まるところがあってので思わず激写します。

02青梅街道標識
いかにも「今から青梅まで行くぞー」という感じで、一人で勝手に盛り上がってきました。

そこから歩くこと数分ばかり、都道・県道では比較的めずらしい、行き先の距離を表示している標識がありました。
03距離標識
青梅まで7km、いつもよりは軽めの距離なのでのんびり歩きます。

相当郊外に出て来たこともあり、蔵のある家や、ものすごく大きな家がかなりたくさん見られる様になってきます。
04城みてぇ
街道筋では比較的よく見かけますが、お城みたいな家ですね。

やがて街道は瑞穂町を過ぎて青梅市との境界に近づきますが、その「青梅新町境」という分かりやすい名前の交差点付近でまた早咲きの梅を見つけたので激写!
05梅
この日の陽気で、梅などを見ているとなんだかんだ言って春が近いことが感じられます。

青梅新町境の交差点を越えて、いよいよ青梅市に入りました。

06青梅市入り
あとはゴールの青梅の宿場まで一直線に歩きます。

新町桜株という交差点を越えると、しばし歴史的にお楽しみなスポットが街道の右側に連続している貴重なエリアに入ります。

初っ端は臨済宗建長寺派(←前日も同派お寺がありました)の東禪寺です。落ち着いた雰囲気で入口の庭園がとてもきれいなお寺でした。
07東禪寺
まず娘の受験成功のお礼を言い、商売繁盛や家族の健康などをいつも通りお参りします。

そこから数百メートル進むと、やたらと大きな神社の燈明のある交差点が見えますが、交差点の一本手前の道を右に入ると大井戸公園という、これまた素晴らしい歴史スポットのある公園に入れます。公園に着くと早速大井戸が見えています。
08大井戸公園
らせん状にものすごい深さまで掘った井戸ですが、今で言うボーリング技術が無い頃はこの深さまで掘らないと水が出なかったって事でしょう。今は水道から水が出ますが、当時は大変であったのですね。

そのまま公園を奥の方に抜けるとそのまま御嶽神社があります。このあたりの青梅新町を最初に開拓した吉野織部之助正清公が勧請したそうです。元和2年だそうですからほぼ400年前ですね。09御嶽神社
超立派な神社でした。合祀されている神様もたくさんいらしたのでそれぞれ娘の受験成功のお礼+更なる学業成就、家内安全、商売繁盛をしっかりとお祈りします。

街道に取って返して、燈明のある交差点を越えるとすぐに東京都指定の有形文化財である旧吉野家が、街道右手に見えてきます。先ほどご説明した、吉野織部之助さんのお宅で、要は名主さんのお宅という事になります。
10旧吉野家
丁度空も真っ青に写り会心の一枚となりました。

 

郷土の博物館から来られている方かと思いますが、説明院の方が大層詳しく由来などを教えて下さり、勉強になりました(こちらをご覧になって頂いたでしょうか?)。どうも有難うございました
屋内も見学可能で、当時の様子がよくわかります。

11旧吉野家室内
玄関部分の式台も、水戸街道などを歩いていた時に見た、本陣の式台と似ている様に思われました(一般の民家には無いものの筈)。


古民家をすっかり堪能し、街道に取って返すと100mばかりで鈴法寺の跡地の公園に辿り着きます。これは珍しい普化宗 (虚無僧で有名ですが、禅宗の一派とは知りませんでした)のお寺だったところですが、明治に入って廃寺になったそうです。今は公園となり、歴代住持のお墓10基が残るばかりです。

12鈴法寺跡

 

鈴法寺の次の「野上」という交差点あたりから旧道は北西方向に進んでいく筈なのですが、少し離れた東青梅に残る旧道部分の入口まではどうも住宅などで街道が寸断されてしまっている様です。
勝手な想像で本来の旧道ルートを想定してみたのがこちら。(歴史的な根拠はなく、勝手に推定しただけです)

てけてけと住宅街の中を適当に進み、東青梅5丁目あたりから復活する旧道ルートに入ります。
13旧道部分
この道路幅と湾曲具合、旧道の匂いがします!

上の写真で奥に見えている左カーブを過ぎてしばらくすると、進行方向と逆側に旧道の道標があります。
15道標

青梅から江戸方向に歩く人のためのものの様ですが、よく読んでみると「右 江戸みち 左 はんのう(飯能)/かわごえみち」とあります。江戸方向に行くのと飯能/川越方面に分かれる追分なのですね。14追分
右に行けば江戸、左に行けば飯能/川越。「この場所からそれぞれの道を別々に歩んで行く」みたいな気がしてこういったY字路の追分はとても好きです。

そこから数百メートルほど進むと右手に青梅六万部薬師があります。これは、天正18(1591)年にこの地を治めていた師岡氏の城が落城した上、疫病がはやった折、お坊さんが法華経を6万部を詠んだ
ものだそうです。(ちなみに少し前から『師岡』という表札がとても多いです)

 

 

 

そこから少し進むと東青梅駅前の交差点で旧道は都道63号に合流し、間もなく青梅の宿場に入ってゆきます。
17青梅宿場開始

今までずっと青梅街道を歩いてきて、宿場の風情が余り無い事がやや残念だったのですが、一気に宿場町らしい建物が並びます。

18建物1

そしてTV東京の『アド街ック天国』でも紹介されていた、老舗の旅館「橋本屋」も目にすることができました。
19旅館橋本屋
夕方になったらきっと玄関軒下の大正風ランプが、きれいに映えるんでしょうね。

そして青梅と言えば、ご存知の方も多いと思いますが、これです。20映画ポスター
映画看板ですね。何でも日本で最後に残った映画看板師の方が青梅にいらっしゃるため、街おこしの一環としてこういう古風な映画ポスターが街のあちこちにあるのだとか。。

住江町の三叉交差点にはこんなネコさんが良い雰囲気を出していました。21ねこ

そこから少し進むと右手には住吉神社があります。

22住吉神社入口

せっかくなのでお参りして行こうと思いますが、階段が急な上非常に長く、なかなかの難事業です。
23住吉神社階段

私のすぐ後に同じ階段を上ってきた家族連れの方が、階段を数えており、77段だそうです。ここでも他と同じようにお参りして、参道を引き返すと素晴らしい眺望が開けていました。
24住吉神社階段下
因みに下で手を振っている男性は、先ほど階段を数えていたご家族のお父さんです。

街道に引き返して歩くと左手には昭和レトロ商品博物館があります。25レトロ博物館
かなり入りたかったのですが、帰り電車の時間が気になるのと江戸時代の街道の史跡ではないので残念ながら割愛します。

 

そこから程なくJR青梅駅ですが、もう少し先に見たいところがあるので、駅は通り過ぎて先に進みます。
26青梅宿
旧宿場町の独特な風情がありますが、青梅宿は商店などがそのまま残っていて活気があっていいですね。

青梅駅から1km弱ほど西に進むと本日の最終イベント、東京都指定の有形文化財、旧稲葉家住宅というこれまた素晴らしい史跡があります。

27稲葉家外観
先ほどの吉野家が名主さんの家であったのに対して、こちらは案内の方に拠ると商家であったそうで、また別の風情があります。

屋内はこんな感じで、強力な歴史風情が感じられます。
28稲葉家屋内

また、ご厚意で改修工事中のお蔵も見せて頂きました。ありがとうございました。
29お蔵
銅板を張り替えたばかりで銅(あかがね)の照り返しが美しいです。3月あたりには工事も完成するそうですよ。

青梅の宿場を堪能し、駅に向かいます。青梅駅は何となく風情がありますね。
30JR青梅駅

駅名の看板も少しレトロチックな装飾がしてありました。

31青梅駅看板

東京行きの青梅特快がやってきたので、これに乗って帰宅しました。
32帰りの列車

2日連続で頑張って歩いて、これで青梅街道もゴールインです。ずっと都道でつまらないのかなと思っていたのですが、意外と楽しめた青梅街道歩き、ちょっとまとめ記事なんかも別に書いてみたいと思います。

2013年2月10日(日)アップ