天才少女の歌を聴きに行く
もうかれこれ6日前のお話。
去る7月1日木曜日、先日LIVEに来て下さったmatheさんのお誘いで、LIVEに入って来ました。
matheさんの言うことには“高校生の天才SINGERがいるので、是非その可否を私のような音楽を生業とする者の目で確かめて欲しい”とのこと。
といっても、SINGERはSINGERでもただのSINGERではない。
所謂地下アイドルという部類に属する人らしい。
わたしはその種のひとたちのLIVEに行くのは初めてなので、如何なものかと興味もあり
たまたま予定が空いていたこともあり、快諾した。
matheさん曰く「石川遼や、矢沢永吉のような天才たちと同じ空気を感じる」とのこと。
大塚にあるLIVEハウスで地下アイドルたちが何人も歌うイベントがあり
彼女はそのトリを務めるという。
イベント中盤くらいで、出演者の一人が誕生日であるためサプライズが用意されていた。
何と前述の彼女がその出演者のためにHYの「366日」という歌を披露したのだ。
♪怖いくらい 覚えているの あなたの匂いや 仕草や すべてを
このサビのメロディ、歌詞に覚えのある方は沢山いることだろう。
遠目に彼女のことを眺めながら、めっぽう歌の上手い人だなあと思った。
今まで黄色い声を上げていた暑苦しいファンたちも、彼女の歌声に黙って耳を傾けていた。
彼女の名前は新芽 歩
“しんが あゆむ”と読む
“SINGERとして歩んで行く”
そういった想いを込めて付けた芸名のようだ。
彼女のサプライズ出演の後は、また元のように順番にアイドルたちが歌って行く流れとなった。
彼女の出番が再びやってくるまで、我々はロビーのソファで休むこととした。
matheさんが言うことには、平日ということもあり
いつもは人でごった返す会場も今日は至って人が少ないという。
![炸熱~歌キチ、愛をうたう~-新芽 歩](https://stat.ameba.jp/user_images/20100711/20/golden-moment/d6/4b/j/o0384059010634715881.jpg?caw=800)
matheさんとお話をしている中で、新芽歩嬢は何と自分と誕生日が同じということが判明した。
今月末、7月31日生まれとのこと。
それだけでも何だか妙に彼女に対して親近感が増した。
そんな偶然は滅多にあることではない。
小学生の頃、お誕生会に呼ばれることはあっても、決して自分はお誕生会を開くことはなかった。
夏休み中であるため、全くその機会を失っていたからだ。
だから、お誕生会を開くということは、ある意味自分の中では憧れでもあった。
幼かったあの頃の自分にとっては・・・・・・。
彼女はどうだったのだろうか?
お誕生会は開いてもらえたのであろうか?
またもし開いてもらえなかったとしたら、どんな気持ちでいたのだろうか?
そのあたりは詳しく聞いてみたい気がする。
今は誕生日に関しては、深い執着はない。
むしろ日々に忙殺され、忘れてしまうこともしばしばだ。
だから誕生日に関しては、良い思い出などひとつもないと言っても過言ではない。
さてどうやら彼女の出番がそろそろのようなので、会場に入る。
すると、出演者の中で一二を争う人気の小桃音(ことね)まい通称“まいにゃ”の歌っている最中だった。
彼女、写真のイメージから、すらっとした背の高い人かと思ったのだが、実際はちっちゃかった。
身長146cmとのこと。
彼女、舞台の上手から下手へ、端から端へと所狭しとよく動く。
彼女に合わせてファンも左右に動く。
これは民族大移動といって、ファンの間ではお馴染みらしい。
“まいにゃ”こと小桃音まい
この様子を後ろから眺めていたのだが、この民族大移動に参加している輩が、後ろに居る私の前まで
わざわざ移動して来た。この男、夢中になって自分が気持ち良いのは結構だが、人の視界を塞ぐのはやめて頂きたい。
本日は満員というわけでなく、前の方にも十分スペースは空いている。それなのにこの男は空気が読めていないというか、LIVEスペースの使い方を分かっていないというか、とにかくものの見事他人を邪魔していた。
自分さえよければ、他人はどうでもいいのか?
汗まみれの体を、はあはあ息切らせながら不用意に近づけるのはやめてほしい。
最低限のマナーを守るのが人としての務めではないのか?
それが出来ないのなら、二度と参加するな!
実に不愉快だった。
まいにゃは動きの切れの良さは見事だったが、この種の歌い手にありがちなのだが
歌詞が何をい言っているのか全く分からなかった。
しかも全て知らない曲ばかりなので、正直聞いているのが辛かった。
動きだけを見せるのであれば、いっそ歌詞は無くして、フェイクにでもした方が良いのではと思った。
自分の中に生まれた不快な思いを断ち切るかのように
懐かしい曲のイントロが耳に入る。
PRINCESS PRINCESS 通称“プリプリ”の「ダイヤモンド」だ。
キラキラした笑顔と共に、新芽歩が登場した。
先ほどの「366日」でバッチリ証明された抜群の歌唱力!
真っ直ぐで伸びのある歌声が会場内に響く。
奥井香のだみ声とは180℃違う澄んだ歌声の「ダイヤモンド」は新鮮だった。
その後、M.Cを挟んでオリジナル曲を2曲
その後また2曲披露。
自分と比べてはいけないが、自分が高一の時に、ここまで歌えたかというと
歌えていなかったであろうと思う。
本格的に歌を習い始めたのが21歳の時。
それを考えると、恐るべき歌唱力だと思う。
matheさん曰く、彼女はきっと前世でも歌っていたはずだという。
私はそういったことはあまり信じていないし、よくわからないので
何とも言えないが、確かな歌唱力は本物だと思った。
そして彼女が身に纏っているきらめきは好感が持てる。
笑顔も見ていて気持ちが良い。
この“好感がもてる”というのが実は大事で
例え歌が上手くても、冷たい感じや、お高く止まった感じの取っ付きにくさを与える人も多い中
見る者に親近感を感じさせられるのは貴重だと思う。
何よりも私が良いなと思ったのは、“歌詞を伝えられる”歌い手であったことである。
結構人のLIVEを観に行って感じるのは、例えばバンドであると、演奏の音だけが際立って聞えて来て
歌詞が埋没してしまって、何を言いたいのかが分からないことが往々にしてある。
これではいけないと思う。
サウンドだけ聴かせたいのであれば、Vocalは必要ないではないか。
何のためにVocalがいるのか、その存在意義が分からない。
そんな人たちは所詮は自己満足であると言える。
まず誰かに自分たちの音を聞いてもらってアドバイスをもらい、出すぎた音がない様に自分たちで判断できるようにならないといけないのではないだろうか?
そういった意味で彼女は優れていたと思う。
ただ、matheさんのいうように彼女が前世でも歌っていて
所謂天才なのかどうかは、今回のLIVEでは判断できなかった。
しかし高校一年生という若さであるのだから、無限の可能性を持っていると言える。
もし真の天才であるのなら、必ず世に出てくるであろうと思う。
私自身が“天才は1%の可能性と99%の努力だ”というエジソン的考えの人なので
努力し続けることが絶対必要だとは思うが、彼女も間違いなく努力はしているはず(それを努力していると自覚しているかいないかは分からないが)なので
今後の彼女に期待したいと思う。
LIVE終了後、物販(本人と握手したり、サインしてもらえる)の時間になり
私はCDを購入、サインと握手をしてもらった。
CDは残念ながら、matheさんお薦めの1stシングルは品切れで、2ndシングル『Shining Star』のみだった。
彼女に同じ誕生日であることを告げると「これも何かの縁ですね」と笑顔で返答。
うん、いい笑顔だ。
matheさんが、彼女は忘れっぽく、覚えてもらうのに時間がかかったと言っていたので
おそらく彼女は私のことなどもう覚えていないに違いない。
でも、私はこの間もなく16歳になる少女の存在をこれからも忘れずに頭の片隅に留めて生きて行くことだろう。
matheさん、お誘いありがとうございました。
また時間合えば是非!
記事の掲載遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
これが2ndシングル『Shining Star』のジャケット。
この写真は何だかおばさん臭くて、実物より老けて見えるので頂けない。
茶色は本人がお気に入りで選んだとのこと。
色はそれで良いとしてもこの写真に決めたのは選んだ人のセンスを疑う。
ジャケットとしてはむしろ、歌詞カードの裏であるこちらの方が相応しいと思う。
事務所は彼女を本気で売り出す気があるのなら、ジャケット写真にも気を配って欲しいものである。
これでは彼女のことを知っているファンしか買わないではないか。
彼女のことを知らない人が、ジャケットだけで買う気にさせるものにしないと、勿体ないと思う。