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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成26(2014)年4月16日(水曜日)
        通巻第4205号    
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 ウクライナ暫定政権、軍事力を投入し占拠派排除へ
   飛行場を奪還、銃撃戦で親露派の四人が死亡した
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 ウクライナ暫定政権は軍事力を投じて、東部ルガンスクなど占拠のつづくスラビャンスク飛行場や政府庁舎に進撃を開始し、反政府活動家の強制排除に乗り出した。暫定政権は、選挙している親露派を「テロリスト」と読んだ。
 
 日本のマスコミのウクライナ報道は、すこしおかしい。
いや、あまりに欧米の基準に立脚しすぎである。プーチンが悪魔のように報道されているが、民族自決の原則から言えば、クリミアの住民が決めたことを欧米が露骨に介入した内政干渉であり、欧米の論理の鵬がおかしいのである。

 欧米スタンダードに従えば、東チモール、コソボ、南スーダンの住民投票による分離独立は正当で、クリミアの独立はそれなら何故いけないか論理的整合性のある摂理は一切開示されていない。

もっともロシアの強権的なクリミア併呑はいささか帝国主義的ではあるが、もともとクリミアはフルシチョク時代の「ボタンの掛け違い」からウクライナ編入の経緯があり、地もと住民はウクライナ国民というアイデンティティに乏しい。
率直に言えばシリア空僕をドタキャンしたように、オバマ外交は失策につぐ失策である。

プラス面で作用したのはウクライナの中央から西半分のウクライナ人が、より欧米寄りになったこと。中国が他国の領土を侵害した場合、国際社会から、制裁を受けるという現実を認識できたこと等だが、依然としてウクライナは親露派と西欧派にわかれ、内戦に発展する危険性が残る。


EUがウクラナイ問題でプーチンを激しく非難しない。理由はウクライナ支援に最大で13兆円程度が必要(最低でも三兆円強)とわかって、欧米はもうこの辺で介入をやめにしようと悲観的なことが挙げられる。
これ以上ロシアに楯突くより、ウクライナが希望の高まりをもってEUと米英の支援に経済を依存しようとしているのは明瞭であり、それがもはやお荷物という判断にEUは傾いた。


▲ウクライナ経済の未来に青空がみえてこない

ほかにもマイナス面はウクライナの暫定政権にネオナチが多数混入していて、どうやらまともな政権とは言えないことが欧米メディアでも明らかになっていることだろう。

ガス供給中断をちらつかされてEUの結束がはやくも乱れ始めたこと、とりわけドイツは制裁に距離をおいて米国とは宙ぶらりん。つまりウクライナのユーロ加盟は格段の明瞭さで遠のいた。

また産油国の米国離れが加速している現実に対してオバマはほとんど無能である。ケリーは中東で「失言」ばかり繰り返し、イスラエルも彼の和平仲介に迷惑顔となった。
サウジアラビアとの関係改善のため、急遽リヤドを訪れたオバマはサウジ国王と二時間会見したが、イランをめぐる意見の相違は埋まらず、ついに晩餐会に国王は欠席するという事態が出来した。

欧米寄りの論調で「アルジャジーラ」を放送するカタールは産油国の中で鼻つまみ、エジプトは事実上の軍事政権が復活した。

リビアは部族対立の内乱に解決の見通しは薄く、トルコはトルコで、エルドアン批判をそとから繰り返した欧米情報機関とマスコミの「希望」を覆してエルドアンが圧勝。イスラエルは米国の介入を意に介せず、独自の中東外交を展開するに至った。

気にくわないナショナリストが当該国のトップにたつと攻撃を加えるのも欧米マスコミの癖、安倍首相を「危険なナショナリスト」「靖国参拝に失望」と酷評した欧米ジャーナリズムが立脚するのは要するに左翼リベラリズムの延長にある「グローバリズム」である。
だからトルコのエルドアンは「チンピラ首相」となり、次期インド首相に最先端のモディ師には「ヒンズー至上主義」の危険人物というレッテルを貼るのである。
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 ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆ 
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 小泉は保守っぽいミーハー政治屋、麻生は「国賊」。えっ?
  アベノミクスは消費税で頓挫中だが、舞台裏の暗闘の結果なのか、それとも?

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倉山満『増税と政局 暗闘50年史』(イースト新書)
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 2013年10月1日、安倍首相は消費税増税という苦渋に満ちた選択の決定に追い込まれた。これは財務省と党内の反安部派が糾合した政治の暗闘の結果であり、安倍首相は自身が望むことと逆方向へ追い込まれ、この日を境にしてアベノミクスは輝きを失った。
爾来、50%以上の上昇ぶりを示して意気軒昂だった日本の株価はドンと低迷し、ことし4月1日の消費税増税実施後は日本経済が停滞期に陥落したかにみえる。そのうえTPPの交渉難航を投資家はマイナスととらえているため株価がさらに下がる。
四月以後、花見景気は雨で吹き飛び、建設現場は予算がついても人出不足、景気は末端で鋭角的に落ち込んでいる。左翼ジャーナリズムはアベノミックスが失敗しそうだとはしゃいでいる始末だ。
いったん元気をなくすと、景気の根幹が「気」であるように、精神的な溌剌さを取り戻すには時間がかかる。げんに東京市場の株価は1万4000円を割り込んだ。

さて本書は過去半世紀を遡及して日本の裏権力の象徴である旧大蔵省、いまの財務省と歴代総理との増税をめぐる暗闘を活写したもので、このような視点から経済を論じ、政治を一刀両断する珍しい試みである。しかも著者の倉山満氏は、どちらかといえば憲政史の学究として知られる。
 半世紀の暗闘史の細かな経緯は、いささか独断と偏見に満ちているが、本書に当たっていただくとして、文中におもしろい比喩が何カ所も出てくるのでこの欄を借りて紹介したい。
 まず倉山氏の小泉純一郎評が出色である。
 「小泉といえば、竹中平蔵とともに『小泉・竹中構造改革によって格差社会をつくった新自由主義者だ』とよく言われていますが、その評価はまったくの嘘です。小泉は新自由主義者ではありません」と断定する。
なぜか?
 「彼にはいかなる主義もないからです。本物のノンポリで政策などどうでもいい。なんとなく強い日本が好きで中国が嫌いで、アメリカが好き程度のことはあっても、政策そのものに大したこだわりを持っていません。なんとなく保守っぽければいいというミーハー保守が小泉です」となる。
 評者(宮崎)はかつて小泉政治を「郵政改悪でマイナス100点、靖国参拝がプラス100点。結果、零点だ」と比喩したことがあるが、小泉の靖国参拝にしても、ふっと保守によりそうジェスチャーでしかなかったことは、いまや明々白々、そのごの「原発反対」では左翼と変わらない行動をとって、バカ殿とゾンビ・コンビを組んでの都知事選迷走劇をやってのけ、失笑を買ったのは周知の通りである。
 倉山氏に拠れば、麻生財務相は「ニセ高橋是清」で、増税反対といいつつ、途中から「増税は国際公約」と言い出してカメレオンのごとく立場を変えた「国賊」だと激しい批判の形容がつく。これには異論を抱く読者のほうが多いだろう。
 また「有識者会議」などと「無識者会議」が実態であり、「とっくに経済学的に論破されているデタラメ」を最初に結論ありきで答申したにすぎないと辛辣で手厳しい。
 消費税をめぐる議論のでたらめな審議過程と裏権力である財務省との相克を、著者の主観が濃厚とはいえ、なかば強引に活写した評論となった。

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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)ベトナム革新党(ベトナム民主化運動勢力)のホームページを紹介します。
よろしければクリックしてお読みください。
「ベトナムには、なぜ民主主義と人権が存在しないのか?  ダン・クォン・ハン 」
私はダン・クォン・ハン(Dang Xuong Hung)といいます。私はジュネーブのベトナム前領事(2008~2012)で、2013年10月18日から、ベトナム共産党とその政府を糾弾している、ベトナム外務省の副長官です。非民主的体制と共産党からの離脱という私の決断の根底にあった人権侵害についてお話しする機会を与えてくださったUN Watchに対し感謝の意を表明いたします。
私は内部関係者としての観点から、ベトナムにおける人権の現状についての個人的懸念を述べたいと思います。長い間自問自答してきた疑問に対する私の見解と証言を、皆様にお伝えしたいと考えています。
http://viettan.sakura.ne.jp/?p=76
    (KM生)
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 宮崎正弘最新刊の案内  http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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宮崎正弘の新刊予告
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宮崎正弘 vs 川口マーン惠美
『なぜ、中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック、予価972円)
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『中国を動かす百人』(双葉社 1620円)
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『習近平が仕掛ける尖閣戦争』(並木書房、1620円)
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