立ち上げてまだ2週目なのに、早くも増刊号を書くことになってしまった。
まあ、先日会った軍事ジャーナリストの清谷信一からも、最初のうちはできるだけ毎日更新した方がいいよ、とアドバイスされたし。
『週刊文春』9月26日号で、林真理子女史が、こんなことを書いていた。
ハーフの人っていいなァ。顔はハズレなく綺麗だしたいていはバイリンガル。来世は絶対にハーフに生まれたいものだ。そして世界を舞台に生きていきたいとつくづく思う。
あのねえ……
もう30年ほども昔の話になってしまうが、彼女が書いた『美食倶楽部』という小説を読んだら、朝鮮人参を食べているカエルを煮た料理が美味、とかいう描写があって、もしかしてこの作家、残念な人なんじゃあるまいか、と思ったのを覚えている(カエルが人参食うかよ)
なんと言うか、あんまり進歩していないみたいだね。
同じ頃、つまり30年ほど昔の話になるわけだけど、日米ハーフでバイリンガルの少年がいた。
しかも彼は、東大とハーバードの両方に合格してね。当時、日本のマスコミは「天才」と持ち上げていたもんだ。
けれども、その後、世界を舞台に生きていけたどころか、どちらの社会でもモノにならず、今やどこでどうしているかさえ定かでない。
世の中、それほど甘くないんだよ。
俺は親類にハーフがいるし、バイリンガルの友人知人も複数いる。
だからよく分かるのだけど、ハーフに生まれたら自動的にバイリンガルになれるようなものだったら、誰が苦労するもんか。
と言っても、日本で暮らすハーフたちの苦労というのは、我ら「純ジャパ」には、よく分からないことも多い。
そこで、全力でオススメしたい本がこれだ。
友人のサンドラ・ヘフェリンが書いたものだけど、実は彼女自身、日本名も持つ日独ハーフ。
彼女自身や、周囲にいるハーフの若者たちの、いささかトホホな現実。でも、前向きに生きる彼らのたくましさ。
ハーフは決して恵まれた存在ではなく、むしろ雑草のたくましさを備えた人たちなのだということが、この本を読むとよく分かる。
コミックエッセイなので、中学生でも読める。
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