こんばんは☆

さてさて、今回は、親の大恩の十番目ですね。

宮本武蔵』や『三国志』で有名な作家・吉川英治氏は、ある夏の、母との思い出を次のように書き残しています。

「終日の暑さに喘いでいる折から、
 沛然と篠つくような夕立が降ってきたのです。

 わたしはいい年をして子供みたいに、
 真っ裸になって庭へとびだした。
 頭から豪雨を浴びて、

 ── 行水だ、行水だ。

 と、欣(よろこ)んでいた。
 すると昼寝していた母が、ふと庭面へ顔を上げると、
 裸足のままその大雨の中へ駆け降りて来たのである。

 嬰児でも抱えるように、いきなり私の手をつかんで
 家の中へ引っぱり込み、

 ── 馬鹿、馬鹿、馬鹿。

  と、わたしのお尻を幾つも打った。
 雨にあたっては毒なことぐらい知らないのかと云って、
 もう三十ぢかくもなるわたしを折檻して
 やまないのであった」


幕末の思想家、吉田松陰は29歳で処刑される前、こんな歌を詠んでいます。

「親思う 心にまさる親心 今日のおとずれ 何ときくらん」

常に案じてくださっている親が、自分の死を聞いたら、
どう思うだろうか、と胸に込み上げてくるものがあったのでしょう。

子を思う親の心を感じ取って歌った歌が、以前、大ヒットしました。

かりゆし58の「アンマー」です。
歌詞を掲載させてもらいました。

・・・・・・・・・・

『アンマー』 / かりゆし58



初夏の晴れた昼下がり 私は生まれたと聞きました
母親の喜び様は大変だったと聞きました
「ただ真っ直ぐ信じる道を歩んでほしい」と願いこめて
悩みぬいた末に この名を私に付けたと聞きました

我が家はあの頃から やはり裕福な方ではなく
友達のオモチャや自転車を 羨ましがってばかり
少し困ったような顔で 「ごめんね」と繰り返す母親のとなりで
いつまでもいつまでも 泣いたのを覚えてます

アンマーよ 
アナタは私のすべてを許し すべてを信じ すべてを包み込んで
惜しみもせずに何もかも 私の上に注ぎ続けてきたのに
アンマーよ 
私はそれでも気付かずに思いのままに過ごしてきたのでした

「強さ」の意味をはき違えて ケンカや悪さばかりをくり返し
勝手気ままに遊びまわる 本当にロクでもない私が
真夜中の静けさの中 忍び足で家に帰ったときも
狭い食卓の上には 茶碗が並べられていました

自分の弱さに目を背け 言い訳やゴタクを並べ
何もせずにただ毎日を だらだらと過ごし続け
浴びるほどに飲んだ私が 明け方眠りに落ちる頃
まだ薄暗い朝の街へ 母は出て行くのでした

アンマーよ 
私はアナタに言ってはいけない 決して口にしてはいけない言葉を
加減もせずに投げつけては アナタの心を踏みにじったのに
アンマーよ 
アナタはそれでも変わることなく 私を愛してくれました

木漏れ日のようなぬくもりで 深い海のような優しさで
全部全部 私のすべてを包み込んだ
アナタの背中に負われながら 眺めた八重瀬岳の夕陽は
今日も 変わらず 茜色に街を染める

度が過ぎるほどの頑固さも わがままも卑怯な嘘もすべて
すべて包み込むような 愛がそこにはありました
アナタのもとに生まれ落ちたことは こんなにも幸せだった
今頃ようやく気づきました こんな馬鹿な私だから

春先の穏やかな朝に 新しい命が生まれました
アナタの様によく笑う 宝石みたいな女の子
「優しさの中に凛々しさを秘めた人」になるようにと願い
アナタの一番好きな 花の名前を付けました

・・・・・・・・・・

「アンマー」という曲は、
「かりゆし58」が初めて発売したシングルです。

「アンマー」とは沖縄の言葉で「母親」という意味。

中学中退の前川真悟(Vo/B)が、「必ずやさしい目で見守ってくれていた」母親に伝えたかった思いを曲にしたそうです。

「かりゆし58」は沖縄出身の高校時代からの友人で結成された3人組のバンド。

「かりゆし」というのは沖縄の言葉で「とてもめでたい」という意味だそうです。

これに、沖縄のメインストリートの国道58号線から58をとって「かりゆし58」というのがバンド名の由来。

仏説『父母恩重経』に、

「己(おのれ)生(しょう)ある間は、
 子の身に代(かわ)らんことを念(おも)い、
 己(おのれ)死に去りて後には、
 子の身を護らんことを願う」

と説かれています。

生きている間はもちろんのこと、死んでから後も、なお子供を護ってやりたい、と願ってくださるのが親なのです。

幾つになっても案じ続けてくださる親の御恩を、“究竟憐愍(くきょうれんみん)の恩”と言われます。

以上、10回に渡って、お釈迦さまの教えられた「親の大恩十種」を紹介させて頂きました。


■┓徒然なる ●┓
┗● ひとり言┗■



ぴょんたのひまわり日記 from Japan!!-水墨画.jpg



画像は、職場の玄関に飾られている水墨画です。

けっこう大きくて、圧巻です。

芸術作品は、何か、その人の魂が打ち込まれていて、じーっと見ていると、感じるものがあります。

大英博物館メトロポリタン美術館は、とても大きな施設で、とても一日では見切れないのですが、
やはり、大御所の作品が展示されていて、美術の教科書とは、ぜんぜん伝わってくるものが違いました。

また、時間をつくって、どこか観にいってみたいです☆

(*^-^)

気に入って下さった方は、クリックで応援よろしくです☆
    ↓
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
人気ブログランキング


□━●━○━●━□
 ぴょんたの
  ひまわり日記
■━○━●━○━■

[発行人]
森安秀邦(ぴょんた)

[Profile]
昭和50年4月13日、ロンドンで生まれ、5歳で日本へ。
英語はすでに忘れ、日本語で精一杯(笑)
小学生のときは、サッカーに没頭。
中学時代は、香港で過ごし、
高校時代は、陸上部(種目は400mH)でした。
スポーツも好きですが、美術系も好きです。
大学は工学部環境工学を専攻してました。
ベイクドチーズケーキと肉ジャガが大好物。
職業は、仏教(浄土真宗)の講師。
浄土真宗親鸞会の講師として法話や勉強会などで話をしています。

▼ よろしければ、お友だちにも紹介してくださいね (^^)/
  配信希望は「ひまわり希望」とメールでお知らせ下さい。
 → h-moriyasu0193@nifty.com

▼ バックナンバーは、ここから見れます☆
 → http://ameblo.jp/go-go-pyonta/

▼ 親鸞会公式ホームページはこちらへ☆
 → http://www.shinrankai.or.jp/

▼ 仏教の内容を、もうちょっと深く学んでみたい、という方は、
  気軽にお声をかけてください。
  お近くの勉強会をご案内します☆
 → h-moriyasu0193@nifty.com

▼ 配信停止は「配信停止希望」とメールでお知らせください。
 → h-moriyasu0193@nifty.com

発行部数:93部(目指せ100部!!)