早実・小野田が甲子園に帰って来る | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

二年前の夏、西東京大会で鮮烈なデビューを飾った早稲田実業の小野田俊介が甲子園に帰って来る。

2008年の夏、一年生の小野田は西東京大会・三回戦(府中西戦)で先発登板。
初回一死から4者連続奪三振。5回1/3を投げ、奪三振7、失点2。
降板後は外野を守り、打っても5打数4安打の大活躍。
惜しくも決勝戦で日大鶴ケ丘に敗れたが、強烈な印象を残して大会を去った。





同じく一年生投手として活躍した鈴木健介と小野田俊介の二枚看板を軸に
東京の高校野球は早稲田実業を中心に展開されると思われる程、強烈なインパクトを残していった。


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天理戦でレフトスタンドに本塁打を放った小野田


その後、秋季東京大会で準優勝して、選抜出場。ベスト8に進出。
一回戦では前年の近畿大会の覇者で優勝候補・天理を相手にサヨナラヒットを放つなど投打に活躍。
クレバーな投球スタイルから「佑ちゃん二世」などと持て囃されたのは新二年生の春。

2009年の春先の出来事であるが、遠い昔のような感覚さえある。
それは選抜以降の下降線を辿った戦績と関係している。

春季東京大会は三回戦で八王子に1-4で敗れると、
続く夏の西東京大会は四回戦で東亜学園に0-10でコールド負けを喫する。
最終年次を迎えた昨年の秋は日大三に5-14でコールド負け。

「早実のWエースの現在」(弊ブログ・09年10月21日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10369563610.html

「三高が強いのか?早実が弱いのか?」(弊ブログ・09年10月19日付け記事)
http://ameblo.jp/go-baseball-studium/entry-10367894857.html

小野田はマウンドに上がる事も無く背番号5でライトの守備位置で試合を終えた。
鈴木は完膚無きまま三高打線に打ちのめされた印象であった。

小野田は肩や肘の故障ではなく、
昨年の選抜後イップスのような状態に陥り制球が定まらなくなったという。
昨夏のコールド負けは東亜学園に小野田が打ち込まれた。


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昨年の日大三との試合での小野田


小野田は投手としての再起を計って冬場のトレーニングに励み、今年の練習試合解禁日に備えた。
迎えた3月14日の加藤学園(静岡)との練習試合で小野田は四死球で自滅。
4回までに10点を失って降板すると試合後に打者に専念する事を決意したという。

一二三慎太(東海大相模)のサイドハンド転向も然りであるが、
投球動作がいかに繊細な作業である事が窺い知れるエピソードではないだろうか。

浮き沈みと紆余曲折を経て甲子園に帰って来る小野田の活躍に注目してみたい。