センバツ準V・三高が土壇場で逆転! | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

帝京の三回戦敗退の余韻も冷めやらぬまま第二試合、日大三対国士舘戦が行われた。
センバツ準優勝・日大三に対する国士舘は昨年のセンバツ出場校。
ちなみに、日大三は首都圏では「三高(さんこー)」と呼ぶのが一般的である。


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夏は日大三が西東京、国士舘が東東京にブロックが分かれるが、東京では屈指の好カードである。
日大三は5日前に興南と甲子園で優勝を懸けた決勝戦、それも延長戦を戦っている。
帝京以上に夏に向けてのリスタートが難しい状況で迎えた春季大会である事は容易に想像出来る。


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帝京対国学院久我山戦をスタンドで観戦する三高の選手達


3回裏、センバツで投打に活躍、今日は一塁手として先発した山崎福也の後逸で動き始めた。
これが適時失策となり、国士舘が労せず先制した。

国士舘はブラスバンドや新入部員と思われる選手達も応援に参加。
スタンドは、まさに蜂の巣を突いたような大騒ぎ。

帝京を破った国学院久我山も選手とスタンドの一体感が番狂わせを演出していたように感じられた。
帝京敗退を直前で見ているだけに日大三の選手達は嫌な予感が去来したのではないだろうか。
神宮第二は応援スタンドとグランドが非常に近い為、一般的な高校野球の試合より
応援団からの影響を受けやすいのが特徴である。


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ブラスバンドとチアも動員した今日の国士舘応援団


6回表、一塁走者・山崎が六番・吉沢翔吾の三塁ライナーで飛び出してダブルプレイに終わった。
帰塁の際、山崎のスライディングが国士舘・一塁手の足元にハードヒットした。
国士舘の一塁手、山崎の去り際の態度・仕草から試合展開に影響を受けたプレイに見受けられた。


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リリーフした山崎の投球から三高が逆転の流れを引き寄せた


試合中盤から「甲子園みたいにしっかり打てなきゃ勝てないぞ!」などと野次が飛んでいた。
7回終了までは国士舘のペースで試合が進み、「センバツ出場校の連続敗退」が脳裏を過った。

8回表、代打・根岸昴平、二番・荻原辰朗が連続で四球を選び、無死一・二塁と好機を迎える。
三番・平岩拓路が確実に送りバントを決め、一死二・三塁と好機を拡大。
今日無安打だった四番・横尾俊健のショートゴロの間に三塁走者が還り、ようやく一点を返した。
更に五番・山崎、六番・吉沢が連続で四球を選び、二死満塁と一打逆転の好機が到来。
しかし、続く七番・畔上翔の打球は大歓声も空しくライトフライに倒れた。


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土壇場で逆転の瞬間


9回表、八番・佐野友彦の内野安打で無死一塁と同点走者として出塁。
続く九番・鈴木貴弘の送りバントを投手が二塁封殺を狙った送球がセンターへ逸れる。
更に逸れたボールをセンターも後逸。ボールはフェンス付近まで転がり、二人が長駆ホームイン。
3-2と日大三が土壇場で逆転に成功する。
9回まで主導権を握り、持ち味を発揮していた国士舘は悔やまれる敗戦だったと思う。

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試合終了後のイニングスコア

日大三は土俵際からの逆転勝利を「良薬口に苦し」という風に昇華出来るだろうか?
間髪入れず、明日は日大鶴ケ丘(10時から神宮第二球場)との対戦が組まれている。