どうなったの?MDGs~ゴール:8世界のみんなで助け合おう!Part2 | グッドネーバーズ・ジャパンのブログ

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みなさんこんにちは!広報インターンの水野です

前回のpart1に引き続き、MDGsゴール8について紹介していきます。
今回は目標2と3についてです。 
早速それぞれ見ていきましょう!

 後発開発途上国(以下LDC)の特別なニーズに取り組む

(1)LDCからの輸入品に対する無関税・無枠
(2)重債務貧困国に対する債務救済および二国間債務の帳消しのための拡大プログラム
(3)貧困削減に取り組む諸国に対するより寛大なODAの提供を含む。


 後発開発途上国(LDC)とは国連開発計画委員会(CDP)が認定した開発がとくに遅れた国々のことです。世界には現在49カ国あります。 

↓LDCの分布地図

それでは一つずつ中身を見ていきます

 (1) LDCからの輸入品に対する無関税・無枠

これは1つ目の指標で見たように貿易の仕組みを変えていこうということです。
日本では上記にならい、LDCからの輸入額の約90%が関税なしで取引されています


(2) 重債務貧困国に対する債務救済および二国間債務の帳消しのための拡大プログラム
そもそも債務とはなんでしょうか?
債務とはある国が別の国に対して抱える借金のことです。開発途上国は自国の発展のために高額な資金が必要でその多くは先進国から借りたお金です。

ちなみに、かつての日本も戦後は世界銀行やアメリカなどから借りた資金をもとに発展しました みなさん、日本がいつ世界銀行から借りたお金を全額返済したかご存知ですか
正解は1990年です。 もっと早い時期に返済したと思っていたので、私としては意外でした
 
さて、開発途上国の中には社会や経済の基盤が固まらず、資金を返済できない場合があります 
そこで、一定の条件を満たした国に対し、債務の帳消しを進めています。これは1996年から始まった取り組みでHIPCイニシアティブと呼ばれています。
以下の40カ国は重債務貧困国と認められ、債務救済が行われています 



債務削減から10年以上が経過し、世界銀行の報告によると、債務救済を受けた国々全体で次のような改善が見られました
社会福祉事業費が増加
乳幼児死亡率の低下
小学校での退学率が大幅に改善

また、それぞれの国に焦点をあててみると、債務の負担が軽くなったことで、アフリカにあるブルンジでは教育や医療が改善されました 地方ではヘルスセンターの建設や妊婦と5歳以下の子どもへの無料のヘルスケアが行われるようになりました 

さらに、教育費の増加により教員が増え、学校が建設され、良い教材が提供されました 
例えばガーナでは、268の教室、36の医療設備、10の病棟、87の井戸を作るための資金が確保されました

以上のように開発途上国の債務が削減されることで現地の人々に良い影響が表れていることがわかります。 


 (3)貧困削減に取り組む諸国に対するより寛大なODAの提供

 MDGsは今までブログで見てきたように多種多様な取り組みを行っています。そのため多額の資金が必要です。
そこで国連は先進国に対し、各国のGNI(国民総所得)比において0.7%以上のODAを拠出することを目標に掲げました。 

↓OECD諸国からのODAが援助国の国民総所得に占める割合、1990~2012年(単位:%)  



しかし、上記を見てもわかるように目標達成にはほど遠い数字です。
2012年時点で0.7%以上のODAを拠出している国はわずか5か国です 
MDGsの目標を達成するためにはさらなる増額が必要です

 
さぁ続いて次の目標です 
内陸国および小島嶼開発途上国の特別なニーズに取り組む。 

世界には領土が非常に小さな島国(小島嶼国といいます)が38か国(国連加盟国のみ)存在しています。
また陸に国境をかこまれ、海に接していない内陸国が48あります。
それらの国々は開発の観点から不利な状況にあるといえます 
小さな島国の場合、環境面で海面上昇など自然災害の被害を受けやすいためです。
また内陸国は海がないため、魚などの食糧や石油、ガスなどの資源が手に入りにくく、貿易面でも海での輸送が行えず、不利な環境にあります。

MDGsの中ではこれらの地域に対して、具体的なターゲットは定めていません。しかし、南南協力や三角協力などに取り組むことで現地の開発を支援しています

 南南協力とは、「南(途上国)」の国・地域同士が政治、経済、環境など様々な分野で協力していくこと
 三角協力とは、南南協力のリーダーを先進国や国際機関が務める形のこと

南南協力の一環としてこれらの途上国は様々な活動に携わっています。例えば、途上国間間における知識や技術の交流を行うための、南南資産・技術エクスチェンジもその一つです。
このような相互協力を推進していくことで自国の発展へとつなげているのです。 


さて、今回のpart2 はここまで
次回part3で残りの目標について書いていきます