新日本プロレスの9・21神戸ワールド記念ホール大会、
同じくシリーズ最終戦の9・24コンベックス岡山大会を
3泊4日の出張で取材してきた。
当初、岡山のテレビ解説(サムライTVニアライブ中継)が入っていたので、
岡山のみ取材する予定だったものの、せっかくの中1日興行なので、
神戸から取材に入り、流れを把握しておこうと予定を変更したのだ。
本来、ここで2連戦の総評を行なうところなのだが、
リング外で思わぬメインイベントに出あうことになった。
今回はまず、そちらについて書いてみたい。
神戸大会の翌22日は大阪に戻った。
神戸に残る、岡山に先乗りするという選択もあったのだが、
大阪のほうが知人、友人も多いし、プロレスリングバー『カウント2,99』に
マスターには抜き打ちで顔を出してみようという企みもあったから(笑)。
その大阪へ向かう途中、携帯電話(※未だガラケー!)にやたらと
着信が入っていた。そのうち3件は片山明選手からのもの。
片山選手とは、ここ数日でも何度かメール交換をしていた。
電話ということはなにか急な要件なのだろうか?
とりあえず、夕方前にホテルにチェックインできたので、
部屋で落ち着いてから電話を入れてみた。
「あのう、明日の岡山大会を観に行こうかな?と思っているんです。
あそこのイベント会場は行ったことがあるから構造もわかっているんですよ。
嫁さんは仕事があるんですけど、プロレスファンのヘルパーの人が
連れていってくれるというんでね」
多少、片山選手は興奮した口調。
私も驚いた。
まさか、彼の口からプロレス観戦などというセリフを
聞く日が来るとは予想もしていなかったからだ。
「とりあえず、ライガーだけには電話を入れておいたほうがいいですよ。
いまは昔と違って、簡単に会場に入れないと思うから。
チケットのほうも残っているかどうかわからないし。
一応、鈴木みのるにも伝えておきますから。
なにか困ったことがあったら連絡をください。
ただ、ボクはニアライブの解説が入っているので、
試合が始まったらまったく動けないんで…」
30分後に、ライガ―に電話を入れてみた。
まだ連絡が来ていないようで、ライガ―も驚いていた。
「えっ!? 片山が来るんですか!
そうですかあ、わかりました。
ボクがちゃんとスタッフに話しておきますから。
本当に片山が来るんですねえ……ありがとうございます!」
その後、ライガ―と片山選手は連絡を取り合ったらしい。
一応、みのるにもメールを入れておいた。
片山より1年遅れで入門してきたみのる。
ムチャクチャ態度のでかい新弟子で、
みのるのせいでそれ以降に入ってきた新弟子が
みんな辞めていったという伝説がある(笑)。
「鈴木のせいでいつまでたっても自分たちの
便所掃除当番が続いたんですよ(笑)。
でも、いまもあいつはあのときのまま…
鈴木の試合がイチバンおもしろいです」
片山選手もそう振り返っている。
みのるからも簡単な返信があった。
「マジ!? チャンスがあれば会いたいなあ」
この短い返信のなかに、
みのるなりの想いが込められているように感じた。
(つづく)