今年の『NEW JAPAN CUP』(以下、NJC)は、

オカダ・カズチカが制した。

昨年のG1クライマックスに続いて、

またしても初出場初優勝の快挙達成!


おそるべき、25歳である。


ただ、最終戦の3・23後楽園ホール大会を

最前列の放送席で解説していて不思議な感覚に何度かとらわれた。


昨年のNJCを制したのは、

攻めダルマと化した後藤洋央紀。


準決勝で真壁刀義を破り、

決勝では前IWGP王者(その時点での王者はオカダ)の

棚橋弘至を打ち砕き、3度目の優勝。

春男の称号を完全に手に入れた。


今年も後藤は上がってきた。

準決勝では、難敵デイビーボーイ・スミスJrを

勝率100%と言われる(?)隠し技、

後藤式で退けている。


まず、このあたりから不思議な感覚が始まった。

昨年の準決勝の真壁戦で決めたのも久々の後藤式。

どこかで見た光景、いつか感じた空気、場所も同じ

1年前の後楽園ホールの放送席。


いわゆるデジャブのような感覚におそわれた。


優勝決定戦(オカダvs後藤)でも似たような空気を感じた。

1年前、とことんまで攻め込まれながら、

棚橋の脚にしがみついてまで立ち上がろうとした荒武者。


結果、裏昇天から昇天・改を決めて、

後藤が見事にⅤ3を達成している。


終始冷静な表情を崩そうとしないオカダに対し、

鬼気迫る表情で向かっていく後藤を見ていると、

昨年の優勝戦が被ると同時に、応援したくなってしまう。


魂のこもったエルボー、エルボ―を連打すると、

ついにオカダも苦痛の表情を浮かべる。

このあたりで、またもデジャブ…。

昨年の棚橋戦がオーバーラップしてきた。


だが、結末だけは違った。

オカダの痛烈な高角度ドロップキックが

後藤の後頭部にヒットした瞬間、勝負あり。

あとはレインメーカーで仕上げに入る。


本当に、オカダという男は底が知れない。

あれだけ精魂込めた後藤の攻撃をすべて食らいながら、

最後には、しっかりとリングに仁王立ちしている。

しかも、涼しい顔をしているのだから始末におえないのだ(苦笑)。


その後、4・7両国でオカダの挑戦を受けて立つ棚橋がリングイン。


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「棚橋さん、お疲れさまでした!」


「悪いがオカダ、オレは生まれてこのかた疲れたことがないんだよ!」


このやり取りをいったい何度聞いたことか?

実際には、そう何度も聞いたことがないのかもしれないが、

2人が対峙すると、このセリフがすぐによぎる。


またもデジャブ…。

1・4東京ドームから、わずか3カ月での再戦。

毎回が大勝負。


棚橋が敗れたら時代が変わる。

いや、時代が動いてしまうかもしれない。

棚橋の”愛”も信じてやりたいし、

怖いもの見たさの感情もどこかにある。


大一番へ向け、カウントダウンが始まった。


さて、すべてにIWGP王座が懸けられた

4度目の棚橋戦に臨むオカダ。


このレインメーカー、

いや”人類の想像を超えた史上最強のインベーダー”をゲストに迎えて、

1日午後、サムライTV『NEW JAPAN ROAD♯7』の収録が行なわれた。


私は当初、当然のようにマネージャー格の外道が付き添うものと思っていた。

ところが、収録前日に確認すると、オカダがひとりで出演するという。


ということは、マネージャーが必要だ!

外道さんなしでは締まらない。

だから、やっぱりバンダナを持参しなくてはいけない。


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そこで、こういう状況になってしまった。

右端の人物は、給食当番ではないし、

お惣菜屋さんのおばちゃんでもない。


使命感にかられた外道さん…もとい、GK道である。

とくに打ち合わせは一切なしの本番収録だし、

もちろん、台本にGK道の出番など皆無だし、

すべてがアドリブ。


この迷惑なアドリブに対処できてしまう清野茂樹アナはさすがだし、

多少苦々しい顔をしつつも、自分のキャラを押し通すオカダは、

本当に頭がいいなあと思った。


単独で、テレビの前でこれだけ自己主張する

オカダ・カズチカはなかなか見られないと思う。


それにしても、このGK道の暴走ぶりを見たら、

本家というか本物の外道さんはどう思うだろうか?


まあ、それ以前にアンタは恥ずかしくないのかって?

ぜんぜん恥ずかしくないよ(笑)。

だって、普通にやったって面白くないじゃんか!

(※ホントは恥ずかしいけど…)


そんなワタクシのことはともかくとして、

大一番を控えたオカダ・カズチカのトークはじつに興味深い。

私の誘導尋問にもまったく乗らず、自分を貫いているからだ。


レインメーカーは頭脳も明晰なのである。


◎サムライTV『NEW JAPAN ROAD ♯7』

 ゲスト=オカダ・カズチカ

 オンエア=4月6日(土)、23:00~24:00


どうぞ、お見逃しなく!!