長いのでいくつかに分けて。
こんだけ絶望したんだったら、もう絶望の歌は歌いたくない。
とにかく光に向かっていきたいって思った（野田）
RADWIMPSの音楽の最大の特徴は、ドキュメンタリー性である。
”25コ目の染色体"ふたりごと″ ”有心輪“、”狭心症″、”五月の蝿″などなどさまざまな形で彼らは音楽によるドキュメンタリー作品を生み出し続けてきて、それによって他のロックバンドとは違う独自の立ち値置を確立してきた。
アルバム 『君の名は。』 がいわゆる映画のサウンドトラックの意味合いを超えた形であれだけ多くの人に聴かれたのも、あのアルバムが、RADWIMPSが映画『署の名は。』 と共に紡いだ時間のドキュメンタリーになっていたからである。
あまりにも正直で、まっすぐで、敏感で、執念深い彼らだからそういう音楽が作れるし、どう作ってもそういうノンフィクションでドキュメンタリーな音楽になってしまう特殊なロックバンドとも言えるだろう。
このインタビューは、そんな音楽でドキュメンタリーを撮ってきたRADWIMPSの完全ドキュメンタリー。
つまり究極のRADWIMPSインタビューだ。
特に4枚目のアルバム『おかずのどはん』 リリース以降の長い混沌の季節の真相がここまで赤裸々に括られたのは初めてである。
しかも「これだけ絶望したんだからもう絶望したくない、とにかく光に向かっていきたい」と思って彼らが作った最新アルバム『人間開花』が誕生した今、この記事を表紙巻頭で多くの人に読んでもらうことはもう義務だと息うんだ － ”スパークル“の歌詞じゃないけれど、そんな思いを込めてこの記念碑的インタビューをお届けする。
①武田、山口加入現体制になる（2004年）「これはすごいことになる」っていう根拠のない自身があった（桑原）
ー ではまず、RADWIMPSにとって最初の転機になった瞬間は？
野田洋次郎（他・G） 「やっぱり、（山口）智史（Dr・Cho）と武田（祐介／B・Cho）を連れてきたというのがデカいよね」
桑原彰（G・Ch0）「そうだね。僕がたまたま、管史が渋谷でコンタクトレンズのビラ配りしてるところを見つけたのがきっかけだよね。洋次郎の受験でバンドは－時休止してたんですけど、受験が終わって、じゃあまたやろうかってことでメンバーを探してた時に、渋谷を歩いてたら智史に会ったんです。智史とは高校生の時の大会で知り合ってたんですけど、そこで久々に会って、あっちも憶えててくれて。『今何してんの？』みたいな括をしようとしたんだけど、『今、バイト中だからごめんね』って言ってその場は終わってしまったんですよね（芙）」
野田「智史は、ツインペダルを蕗める高校生として俺らの界隈ではちょっと有名だったんですよ。あとジャズ科にいたから」
桑原「音大でジャズ科っていうの聞いて、じゃあ絶対上手いよね、つて樽をしてね」
野田「まあ、ほぼ学校行ってないっていうのは、あとからわかるんだけどね」
桑原「億も知らなかった」野田「麻雀しかやってない、とかいって。でもその時はまんまと音大のジャズ科っていう言葉にね（笑）」
桑原「そうだね（芙）」
野田「で、3人で会ったんですよ、新横浜のファーストキッチンで。そしたら智史が 『俺、テッドに命かけるから』 つって」
－ （笑）いきなりそういうモードだったんだ？
野田「僕らはその時もうインディーズでCDを1枚出してて、地元の横浜ではちょっと知られてる存在だったから、このチャンスにっていう感じだったんじゃないですかね。ベースはオーディションを結構やったんだよね」
桑原「何人かやりました」
野田「高校生のバンド大会で知り合った人とか、当時の事務所の人に紹介してもらったりとか……。途中、はば決まりかかった人がいたんですよ。智史と桑が 『この人がいい』ってなったんだけど、俺が待った掛けた。憶えてるでしょ？」
桑原「3人目ぐらいの人だね」
野田「なんかそのときは直感的に『え？ 違うでしょ』 みたいな感じになったんですよね。で、結局最後、武田がきて」
武田「桑原さんと智史とはもともと知り合いで。地元の繋がりもあったし、管史とは大学も】緒で先輩後輩だったんです。それで智史から、『こういうバンドあるんだけどやってみない？』って購いを受けて。で、1回スタジオに入って書出してみたんですよね」1
－「武田くんに対しては、直感的にイケるって感じだったの？
野田「そうですね。まあ結構やりそうな見た目をしてたので」
武田「見た目だけ？」
野田「すごい格好がフアサフアサしてた」
桑原「重ね着？（芙）」
野田「そう、重ね着してエスニックな格好してた。バンダナみたいなの巻いてなかった？ あとなんか布垂らしてたし」
武田「なんか布が好きだったんだよ」
桑原「（笑）」
野田「スラップがね、一見上手っぽかったんで。それにまたまんまと畷されて（笑）」
-(笑)RADWIMPSのメンバーとしてイケるっていう基準というのは、当時どういうものだったんですか？
野田「まだ自分たちがどういう音楽をしたいかが固まってなかったし、それぞれに好きな要素がいっぱいあったから、その人であることによって制約が作られないぐらい自由度が高いメンバーが欲しいっていうのがありましたね。技術としてもそうだし、俺らにない部分をちゃんと引っ張り出してくれるようなメンバーがいいなっていう。だから実験場に相応しい人が欲しいっていう感じは味くあった気がする。特に当時はまだメロコア・パンク全盛で、そういうバンドが主流だった中で、僕らが行きたいのはちはっと違うよね、新しい何かを探したいよねっていうのがあったので」
－ じゃあ智史くんだったら、ジャズっていうのがポイントだつた？
野田「大きいですね。いわゆる聴いたことあるリズムは嫌だったので、スタジオ入ったら『8ビートは叩かないで』 とか、そういうことをすごい言ってました。だからものすごく会話でコミュニケーションするし、その当時から智史には相当員損はかけてたな」
-武田くんも、ベーシストとしてそういう自由度があった？
野田 「そうですね。やっぱりジャズやってたっていうのがあるし……まあ今思えば、まだまだみんなへっぽこだったけどね。俺もほんとに歌下手だったし」
－ その当時、桑原くんはどういうプレイヤーだったの？
野田「プレイヤーとして何か際立つっていうより、精神的に引っ張る側でしたね。スタジオ取るよ、とか、これするよ、とか。愛情がものすごく強いのは感じてました」
-そのRADWIMPSへの愛情はどこから来てるの？
桑原「洋次郎が作る曲に対して、勝手に『これは絶対すごいことになる』っていう根拠のない自借があったんですよね。でも僕には正直そういう能力がないから、学校辞めてちゃんと専門学校入っとこうって思ったんです。高校の時に大会で優勝したことによる勘違いもありつつ、勢いに乗って辞めもゃったところもあるんですけどね」
野田「その大会も、桑が勝手に応募してたんですよ」
桑原「そう（芙）。当時、”もしも“のMDをライブハウスで配ったりしてたんですけど、それを自分で耳コピして歌洞を轟いて、当時のもうひとりのギターと一緒に関内にある事務所に直接持っていって学校の帰りにエントリーしたんです」
野田「いきなり家来たもんね、『ハンコだけ捺して』って」 － （芙）。
桑原「『親御さんの許可いるから』って（実）」
野田「その行動力とかは、すごいなって今あらためて思いますね。桑の家にも、『毎日これだけはやる！』みたいなギター練習課題が貼ってあったんですよ。スケール、速弾き、コピー、とか書いてあるんですけど、絶対これやってねえわ、みたいな(笑)」
－ (笑)とにかく野田くんの曲が桑原くんにとって衝撃だったんだ？
桑原「そうですね。高校生だったし、まず曲を作るってこと自体がまったく逢う世界っていう感じで。さらにその曲が高校生ながらスゲーなって思うもので、学校とかでいろんな人に聴かせてもやっぱりみんなすごいって言ってたし、なんか確信があったんですよね」
RADWJMPSを変えた10の瞬間
1．武田、山口加入。現体制になる（2004年）
2．横浜CLUB24にて、現メンバーで初のワンマンライブ開催（2004年）
3．アルバムを1年に2枚リリース、同年末に野田入院（2006年）
4．ワンマンライブ「セプテンバーまだじゃん。」を横浜アリーナにて開催（2007年）
5．桑原「辞めたい」事件（2008年）
6．アルバム『絶体絶命』リリース（2011年）
7．東日本大震災の1カ月後から「絶体延命」ツアースタート（2011年）
8．野田、ソロプロジェクト"illion"始動＆『トイレのピエタ』で役者デビュー（2012－2015年）
9．映画『君の名は。』で劇伴を捜当。映画、アルバムともに大ヒット（2014－2016年）
10．アルバム『人間開花』リリース（2016年）
Cut(カット) 2016年 12 月号 [雑誌]/著者不明
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このインタビューは、そんな音楽でドキュメンタリーを撮ってきたRADWIMPSの完全ドキュメンタリー。
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①武田、山口加入現体制になる（2004年）「これはすごいことになる」っていう根拠のない自身があった（桑原）
ー ではまず、RADWIMPSにとって最初の転機になった瞬間は？
野田洋次郎（他・G） 「やっぱり、（山口）智史（Dr・Cho）と武田（祐介／B・Cho）を連れてきたというのがデカいよね」
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野田「まあ、ほぼ学校行ってないっていうのは、あとからわかるんだけどね」
桑原「億も知らなかった」野田「麻雀しかやってない、とかいって。でもその時はまんまと音大のジャズ科っていう言葉にね（笑）」
桑原「そうだね（芙）」
野田「で、3人で会ったんですよ、新横浜のファーストキッチンで。そしたら智史が 『俺、テッドに命かけるから』 つって」
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桑原「何人かやりました」
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武田「桑原さんと智史とはもともと知り合いで。地元の繋がりもあったし、管史とは大学も】緒で先輩後輩だったんです。それで智史から、『こういうバンドあるんだけどやってみない？』って購いを受けて。で、1回スタジオに入って書出してみたんですよね」1
－「武田くんに対しては、直感的にイケるって感じだったの？
野田「そうですね。まあ結構やりそうな見た目をしてたので」
武田「見た目だけ？」
野田「すごい格好がフアサフアサしてた」
桑原「重ね着？（芙）」
野田「そう、重ね着してエスニックな格好してた。バンダナみたいなの巻いてなかった？ あとなんか布垂らしてたし」
武田「なんか布が好きだったんだよ」
桑原「（笑）」
野田「スラップがね、一見上手っぽかったんで。それにまたまんまと畷されて（笑）」
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－ じゃあ智史くんだったら、ジャズっていうのがポイントだつた？
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野田 「そうですね。やっぱりジャズやってたっていうのがあるし……まあ今思えば、まだまだみんなへっぽこだったけどね。俺もほんとに歌下手だったし」
－ その当時、桑原くんはどういうプレイヤーだったの？
野田「プレイヤーとして何か際立つっていうより、精神的に引っ張る側でしたね。スタジオ取るよ、とか、これするよ、とか。愛情がものすごく強いのは感じてました」
-そのRADWIMPSへの愛情はどこから来てるの？
桑原「洋次郎が作る曲に対して、勝手に『これは絶対すごいことになる』っていう根拠のない自借があったんですよね。でも僕には正直そういう能力がないから、学校辞めてちゃんと専門学校入っとこうって思ったんです。高校の時に大会で優勝したことによる勘違いもありつつ、勢いに乗って辞めもゃったところもあるんですけどね」
野田「その大会も、桑が勝手に応募してたんですよ」
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桑原「『親御さんの許可いるから』って（実）」
野田「その行動力とかは、すごいなって今あらためて思いますね。桑の家にも、『毎日これだけはやる！』みたいなギター練習課題が貼ってあったんですよ。スケール、速弾き、コピー、とか書いてあるんですけど、絶対これやってねえわ、みたいな(笑)」
－ (笑)とにかく野田くんの曲が桑原くんにとって衝撃だったんだ？
桑原「そうですね。高校生だったし、まず曲を作るってこと自体がまったく逢う世界っていう感じで。さらにその曲が高校生ながらスゲーなって思うもので、学校とかでいろんな人に聴かせてもやっぱりみんなすごいって言ってたし、なんか確信があったんですよね」
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1．武田、山口加入。現体制になる（2004年）
2．横浜CLUB24にて、現メンバーで初のワンマンライブ開催（2004年）
3．アルバムを1年に2枚リリース、同年末に野田入院（2006年）
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