次は「赤の時代」ですね。


はい。
この時代は燃えさかる炎をイメージしてください。
状況はどんどん悪化し、たいへん危険で厳しい時代になります。
期間は2015年から2043年までで、たいへん長期にわたります。
しかも、この調子でいくと'2043年までには人類の80パーセントは地球からいなくなるという予知が出ています。
環境の変化により、無数の危機が表面化します。
台風、火山噴火、水位上昇、水不足、バクテリア、ウイルスなどの問題が複合的に発生します。


----講演会では、「二〇三九年に日本、オランダ、インドネシア、そしてブラジルの南部の海岸線など、いくつかの国や地域が水没する」ともおっしゃっていましたね。


これは百パーセントの確率でそうなります。
すでに当たり前の話となっていて'わたしがわざわざ予知するまでもないことです。

水位上昇は灰色の時代からすでに始まっているのですが'二〇二一年には水位が七メートル上がります。

オランダはいろいろな対策を講じているところですが、最大の被害を受けるに違いありません。

しかし、この百パーセントという碓率はいま行動を起こせばまだ減らすことができます。

人間が迅速に生活と考えをあらためればの話ですが。


----なぜ問題が一気に表面化するのですか。


地球温暖化が大きな要因であることはたしかです。
現在、大気中のCO2やメタンにより温室効果が進行していることはみなさんもご存じでしょう。

地球は太陽熱をどんどん吸収する一方で、熱の放出ができないでいる。
そして、環境がつぎつぎと壊れていく。

わたしたちは屋根に太陽光パネルを設置して太陽光発電を行っていますね。

あれはたいへん便利なものですが'地球自身はそうはいかない。
太陽熱をもらいすぎるわけにはいかないのです。
科学者はあまり口にしていないことですが、地球と人類にとってたいへん危険な現象が起きていることは申し上げておかなければなりません。
太陽熱を吸収するとどんな変化が起きるのですか。

まず、極地などの氷が海に解けることによって、広い地域の環境が変わってしまいます。

とくに危険なのは、真水と海水の混合によって風の向きが変わることです。

いままで地球上の風には決まった流れがあ-ましたが、それがどんどん変化し、各所で流れが衝突して渦を巻-ようになる。

それが巨大な台風やサイクロンを起こして、甚大な被害をおよはすことになります。

地球には冷たい空気の流れと熱い空気の流れがあります。

本来なら冷たい空気が優勢で温度調節に貢献しているのですが、これからは熱い空気が優勢になり、極端に寒冷な地域や暑い地域ができてしまう。

いまでも気温が四〇度、五〇度にのぼる場所が出てきていますが、二〇二六年までには六〇度の場所も出てきます。

すると、そこで生まれる台風やサイクロン、ハリケーンも巨大になり'なかには直径が一万キロメートルにおよぶものも出てきます。


----11万キロメートル...。

そういえば『未来予知ノー卜』でも'「二〇二四年十二月二十六日、米ニューヨーク州で、驚異的な規模の巨大ハリケーンにより史上最大の洪水が発生する」という予言を紹介しました。


そう'わたしが話しているのはそのハリケーンです。



----しかし'直径1万キロメートルといえば、アメリカ大陸をすっぽり覆うほどの大きさです。
数字が間違っているのではないですか。



いえ、間違っていません。
このハリケーンは地球でいちばん大きな破壊をもたらします。
アメリカは甚大な被害を受けるでしょう。
いまの感覚だったら直径一万キロのハリケーンなんてあ-えませんよね。
ところがそれが普通になってしまう。
温度が上がれば規模が大きくなるのは当然のことです。
いまの台風やサイクロンの五倍も六倍も大きい暴風雨が、日本、中国、インド、台湾、フィリピン、ミャンマー、ブラジル、アメリカ、イギリスを襲うようになります。


----想像以上に厳しい時代のようですね。


問題はとても深刻化していて、何十億人もの人々が大規模な地震や台風などの被害にあって亡くなる危機的な時代です。
人類はまったく準備ができていないので'放球の環境の激変についていけないのです。
どこに逃げたらいいかわからない。
水も食料もなく、病気にもかかる。
そうやって八〇パーセントの人たちがいなくなります。
ブラジル、ロシア、日本、中国、韓国、インドネシア、タイ'アメリカなどでは生き残る人がいますが、小さな地域では人種が絶滅してしまうこともあるでしょう。
しかも、赤の時代の終わりには'二酸化炭素の濃度上昇によって新たな氷河期が始まる可能性があり'わたしはそれをいちばん恐れています。


----今度は氷河期ですか。
それほどのようなものですか。


氷河期は'太古の昔から六百~七百万年ごとに地球に訪れていたことはご存じだと思いますが、人類の科学技術により、間隔が一挙に短縮されてしまいます。

地球は緯度ゼロのラインで風が南北に分かれています。

そこから東西南北における風向や季節、気候がすべて決まっていたわけですが'分かれ目がずれることによって地球の熟バランスが崩れてしまい'これが氷河期の原因となります。

大気の各層でいろいろな現象が起きて'いままで雪の降っていたところに'いきなり二〇~三〇キログラムの氷のかたまりが落ちてくることもあります。


----二〇キロの氷ですか。


ええ、しかも降雪量は急増し'気温はどんどん下がり、現在のアラスカよりもずっと寒くなる。
突然なにもかもが氷づけになります。
アメリカでは以前に、現代の氷河期を描いた『デイ・アフター・トゥモロー』という映画が公開されましたが、いまの調子でいくと'二〇四三年にはあの映画で措写されたものの三~四倍もの氷河期が訪れるかもしれません。
この氷河期で失われる人命も多いはずです。


----氷づけとなる期間は長いのですか。


いったん凍ってしまうともとに戻すのには時間がかかりますから。
ちょうどふたが閉じてしまったようなもので'地球に入ってくる太陽光だけで氷を解かすのはなかなか難しくなります。

環境回復はたいへん長期にわたるプロセスとなるでしょう。
氷河期が実際に訪れる可能性は高いのでしょうか。
何とも申し上げられません。
しかも、二〇四三年まではあと三十五年しかない。
このような惨事を食い止めるには、いまの時点で汚染をゼロにするしかないのですが、人間はいまでも毎日毎日、汚染を生み出しながら生きている。
今日から止めようと思っても無理です。
誰にも止められないし、止めようとしない。
みんな他人事に思っている。
だから'赤の時代が訪れるのはほぼ確実です。
地球に有害なことをしてきたつけが回ってくるのです。
でも、人間が1日でも早く環境改善に意識を向ければ、被害を小さくすることはできる。

いままで壊した自然はとりもどせないので惨事を完全に回避することはできませんが'最悪の事態を防止することはまだできます。


(※『未来予知ノート』では'灰色の時代を「二〇一三年から二〇四三年にかけて」と記述しているが'今回のインタビューを踏まえると'灰色の時代は正確には二〇一二年前後から二〇一五年まで、赤の時代は二〇一五年から二〇四三年までとなるようだ)