2011年、新型ウイルスが世界的大流行(ハンデミック)を起こし、730万人が死亡する!


2011年'私はある国の繁華街に立っていた。


ある国がどこであるかほ'その夢の中ではあまり意味をなぜなかった。


それは世界中で'わずか数日かl週間程度のうちに連続して起きるのだから。


その光景をはじめて見たときには、とうてい億じ与れなかった。


これほどたくさんの人が同じ病気に感染して倒れていくのは'私がこれまでに見た夢の中でもなかったからだ。


人ごみの中で'激しい咳が繰り返し繰り返し聞こえてきた。


人だけではない。


何十人'何百人という人の咳き込む音が重なり'車道の車の青さえ消してしまうのではないかと思えたほどだ。
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道端に目をやると'うずくまって喉から何かを搾り出すように小刻みに身体を震わせる人もいる。


もはや咳をする体力すらないのか?


気管支が激しい炎症を起こし'すでに呼吸困難の症状が出はじめているのがわかった。


気がつくと'すでに驚くほど多くの人がこの病気を発症していた。


街中で'満員の電車の中で、人ごみでごった返すデパートやショッピングセンターで'会社でも学校で'映画態でも次々に激しく咳き込み'呼吸困難を起こして倒れていく。


救急車のサイレンが絶え間なく鳴り響き'呼吸器がこすれるようなぜいぜいという音を立てながら'発病した人々が次々と病院に搬送されていく。


だが'それはまだ、恐るべき感染症によるパニックのはじまりでしかなかった。


咳き込む人の口から押し出されたウイルスが空気中を舞い'道行く人の身体に忍び込んでいくイメージが'私には見えた。


危ない!



この病気はどんどん感染が拡大していく!!


たったいま感染した人が'自覚症状のないうちに'ウイルスを次の街へ'次の国へと運んでいき、世界中に拡散していくのだ。


これまでに人類が経験したどんな感染症の流石よりも、すさまじいに違いない。


わずかのあいだに'都市が'国全体が'この恐るべき感染症の手の中に落ちていった。


感染者は何十万人も何首万人'いや何千万人にもなるだろう。


私は呼吸国難を起こした患者が握ぎこまれる病巌へと入っていった。

最新の医療設備を誇る病院でさえ'対応できない状況だった。



病鏡のロビーは珍寮の順番を待つ患者の群れで埋め尽くされている。

だが'辞意はいつになるかわからない。


高熱と激しい咳、そして呼吸器の異状を訴え、苦しみながら床に倒れる人があとを絶たない。


珍事を受けることもできず'待合室で倒れてそのまま亡くなってしまう人もいる。

急激に拡大する感染症に'病院の人手はまったく足りていない。

いや、それどころか医師や看良師でさえ、咳をしはじめていた。



医療関係者でさえ'すでにこの病気に感染しているのだ。


やがて、高鹿を出して意識がもうろうとしはじめ、ついには診察や治療ままならなくなって いく。


病室もすでに入院患者で満室になっており'これ以上はどんな重症守も受け入れることができそうにない。


病院の機能がほとんど虜挿してしまったのだ。


もはや'病院全体が巨大な戦場になっているのではないかとさえ思えた。

あまりの惨状に'私は自分の目を覆った。


これはハンデミック(感染症の世界的大流行)だ-

私は同じような夢を何度も見た。


夢の中で訪れるのは'そのたびに違う国だった。


だが'状況は似たようなものだ。


ブラジルでも'日本でも'中国でも'東南アジアでも、ヨーロッパでも'アフリカでも、多くの人が同じウイルスに感染し、多数の犠牲者を出している。


私の耳に「H5N1」という青葉が響いた。


この病気の呼び名だ。


それは'人間には感染しないと思われていた「鳥インフルエンザ」だ!!


鳥のインフルエンザウイルスが突然変異を起こし'強い毒性を持ったまま'人から人へと感染する新型インフルエンザに進化したものだった。


医師や看護師が必死になって'次から次へとワクチンを注射している様子が見える。


たが、従来のインフルエンザワクチンではまったく効果がない。


新型インフルエンザのハンデミックに備えてワクチンの開発が進められていたが'その薬でさえも'十分な効果があるとはいえなかった。

H5N1型のウイルスは'驚くべき速さで突然変異を繰り返していたのだ。



鳥から人に感染することがわかった時点で作られたワクチンでさえ'すでに大きな効果は期待できなかった。


私が夢の中で訪れたどの国でも'国民の大多数が感染し'会社も'学校も'スーパーやコンビニも'閉鎖が相次いでいる。


電気やガスなどのライフラインも'非常事態として使用量に制限が設けられ'生活沓需品でさえ工場の多くが操業を停止し'畢晶を輸送する流通ルートも半減してしまっている。


人々はわずかな備蓄の食糧で飢えをしのぎながら、状況が好転し'パンデミfツクが終結するのを待ちつづけた。


もはや'地球全体が鍾済活動を止めようとしているかのようだ。


新しい感染症が世界を席巻し、膨大な数の犠牲者を出していく。

ハンデミツクが終息するのが先か'人類が滅亡するのが先か?



まるで'人類とウイルスの生存をかけた最終戦争の様相を呈していた。


私の脳裏には「7300万人」という数字が浮かび上がった。


2011年から'新型インフルエンザの問題が深刻化し'2013年までに世界中で7300万人が死亡する。


現在の世界人口の1パーセント以上にあたる人たちが命を落とすだろう。

100人に1人!


第二次世界大戦の犠牲者さえ上回る数字だ。


はじめて新型インフルエンザの予知夢を見たのは'1986年のことだった。


鳥インフルエンザもあまり注目をされることはなく'「H5N1」というウイルスの存在も知られていないころだ。


最初の予知夢は'


「1996年に中国でH5N1という鳥のインフルエンザが人間に感染し'子ともら100人が死亡するが'政府はこの情報を醸蔽しようとする」


というものだ。


それはこんな夢だった。


一羽のニワトリがけだるそうにうずくまり'咳き込むような仕草を繰り返すばかりで'あきちかに衰弱している。


ニワトリの身体中を、ウイルスが広がっていくイメージが見えていた。


ひと目で鳥のインフルエンザだとわかった。


即座に、「H5N1」という言葉が私の脳裏をよぎる。やがて、この名で知られるようになることは間違いない。


人間がかからないはずの鳥のインフルエンザウイルスが'新しい種類に進化しようとしているのた。


やがて']緒に飼われていたはかのニワトリにもインフルエンザが伝染し、一羽また一羽と'力なく倒れていく。


恐ろしいほどの強毒性ウイルスた。


あとにはおびただしいニワトリの死骸ばかりが残った。


さらにカモやアヒル'水鳥などにも感染は広がっていく。


そしてついに、鳥からウイルスを移された患者が出てしまった。


私が見ていたのは'高熱と激しい咳に苦しみながらベッドに横たわる少年だった。


家族は感死に介護しているが'病状はますますひどくなるばかりだ。


毒性はニワトリの体内にいるときよりもゥ-x*倍も強くなっている。


私は心の中で叫び続けた。


「いままでのインフルエンザとは違う!
ウイルスが進化したのだ!
従来の轟は効かない!」 


だが'少年はやがて呼吸困難と多膿器不全を起こして亡くなってしまう。

悲しむ家族たちの様子を見つめながら、私は少年の冥福を祈るしかなかった。


だが'ウイルスの猛威はやむことがない。


次から次へと'子どもを中心に感染者が続出する。


未知のウイルスを特定できない病院も'政府機関も'このインフルエンザの流行には打つ手がない。


手をこまねいて'病床で苦しむ子どもたちを見守るだけだった。


やがて'ウイルスがH5N1型の鳥インフルエンザだとわかる。


最終的には子どもを中心に100人の命が失われてしまった。


だが'この被害が公表されることはない。


政府が圧力をかけて'情報を隠してしまうのだ。


 このときはまだ'人から人へと感染するまでには至っていない。


政府は'この恐ろしいインフルエンザウイルスを根絶しようと'感染の恐れのあるニワトリや飼っている鳥を処分し'焼却している。


だが'すべてを封じ込めることは難しい。


いや'もう手遅れだ!


空を行く渡り鳥の群れが'私の目には映っていた。


その後'繰り返し、鳥インフルエンザに関する予知夢を見た。


ウイルスが中国を飛び立った渡り鳥とともに世界中へ広がっていくピジョンだ。


最初は香港へ'そして東南アジアからアジア全域へ'さらにヨーロッパやアフリカ'アメリカ大陸まで、またたくまにウイルスは運ばれ、やがて世界各地で鳥インフルエンザの感染が起きはじめる。


インドネシアで'タイで'インドで'トルコで、ロシアで'もちろん日本やブラジルでも'渡り鳥から在来の鳥に感染し'広まっていく。


ある国では飼育されていた鳥から人へと感染し、またしても死者が出てしまうだろう。


一方、鳥のあいだでしか流行していない段階で感染を食い止められる国もあるようだ。


だが'この恐ろしい予知夢を見る回数は'日に日に多くなっていった。


もはや'鳥インフルエンザが人から人へ感染する新型インフルエンザへ変異し、ハンデミツクを引き起こすことは遡けちれないだろう。


私は2006年4月24日に'国連環境計画宛てに新型インフルエンザの大流行に関する警告の手紙を送った。


これまでに私が新型インフルエンザの流行を予知した国の政府機関に送った手紙は'すでに100通以上になっている 


2008年1月に来日したあいだにも'予知夢を何度も見た。


出雲大社に行ったとき'トルコやインド'アメリカなどの政府宛てにも菅告の手紙を送っている。


だが'これが最終的な予知だとほ'まだ思えない。


その後も、新型インフルエンザの予知夢は続いている。


もしかすると、夢の中で聞こえた「7300万人」という犠牲者の数字も、これから増えてしまうかもしれない。


その可能性はある。


何度も夢を見るうちに'感染はさらに世界中に広がり'亡くなる人の数もどんどん増えていくのだ。


すでに状況は、イエローシグナルからレッドシグナルになけつつある。


人類が'肉眼では揮えることのできない敵に対して'用意周到に闘いの準備をしていかなければ'この予知夢は終わることがないだろう。