ドロレス キャノン, Dolores Cannon, 南山 宏

ノストラダムス霊界大予言


第十九章 恐るべき実験


 危険な秘密プロジェクト



 ノストラダムスの予見によると、この紛争の時代に国々はその狂った人でなしを抑止するために、死に物狂いで解決策を求めるようになるという。
その結果、この時代は実験がつぎつぎに実地に移される時代ともなるのだ。
科学者たちが探し求めたのは'新しく、より徹底的な兵器と'とうてい信じがたいような戦争方法だった。
なかには、人間の想像力を極限まで悪用したと思われるものもある。


 ダルメシアで乳、血、蛙が用意される。
 戦争が始まり、バレソヌ付近に疫病。
 スラグオニアの端から端まで大いなる叫喚が伝わるが、  

 そのときラヴエソナの近-で怪物が誕生する。


            (第二巻三十二番)


ノストラダムス-これは反キリストの時代に原子力使用の機械類が使われることをうたったものだ。
「乳、血、蛙が用意される」とは'死の機械である核兵器自体とともに'新兵器が開発される付近の研究所を指す。
「そのとき怪物が誕生する」は、ラヴエソナの近-でこの究極の恐ろしい兵器が開発される時期をあらわすが、すでにその研究は現在進行中であり、やがて紛争の時代には実を結ぶだろう。


わたし-それはどんな兵器になるのですか?


ノストラダムス-これまでに発明された核兵器のどれともまったく別物の、想像を絶したひじょうに恐るべきしろものだ。ほんとうに、言葉で表現するのがためらわれるのだ。


わたし-無理に説明をお願いするつもりはありません。
でも「蛙が用意される」 は'これに関係があるのでしょうか?


ノストラダムス-戦争の苛烈さによって生態系が乱れるために、あらゆるものが均衡を失い'陸上のさまざまな動植物が疫病におかされることを意味しているのだ。


わたし-どちら側がこれらの兵器を使いはじめるのですか?


ノストラダムス-この近づきつつある戦争では、どの陣営も抜かりなく恐るべき兵器で武装しているのだよ。


 港に近い二都市のなかに、
 空前絶後の天罰が二つ現われる。
 飢えと疫病に悩む民は剣によって放挿され'
 大いなる不減の神からの救いを求めて泣き叫ぶ。
               (第二巻六番)


ノストラダムス-これには多様な意味があるが'訳が少々ずれているようだ。
「港」は、必ずしも厳密な意味での港ではなく'たんに二つの主要都市を隔てる水塊を指す。
二都市とはロンドソとニューヨークを指すから'水塊は大西洋のことになる。
二都市に加えられる天罰とは'細菌戦研究の結果として生じるものだ。
細菌かウイルスかはわからないが、病気を起こすこの一種の有政体が最終的にニューヨークとロンドソの住民への影響を狙って、大気中に放出される。
 だが有機体にある種の突然変更が生じるため'二都市の住民は別個の病状を発するようになるのだ.
元来同一の有幾体が別個の遺伝子プールにおかれるうちに、自ら突然変更を起こして異なる方向へ発達してしまうからだ。

疫病が発生した結果両首都のサービス体系は崩壊する。

周辺の住民はパニックにおちいって自発的に都市に近づかなくなりへ都市は事実上の隔離状態となる。
彼らは都市への供給をいっさい拒否するため'都市住民は食糧の欠乏から飢え死にしはじめるO食べる物がないのではなく'疫病に身をさらす危険を犯して配達しょうという人間がいないからだ。
ひん都市の機能は崩壊し、大勢の人々が死に瀕するだろう。
人々は食べ物を見つけようとして商店を襲撃へ略奪し、暴徒と化した彼らを兵士が銃剣の先で突き刺すだろう。


わたし・・・だから「剣」がでて-るのですね。

食糧の貯蔵所から人々を遠ざけるために、銃剣の先で追い払うのですか?


ノストラダムス-食糧を住民に配給する目的でだ。政府は都市内に残ったなけなしの食糧を住民に公平に分配したいと思うが'恐慌におちいった民衆が独り占めしようとするので、彼らは銃剣で追い払われる。
二都市の全住民はその窮状からの救いを神に求めるのだ。


オー、レクトゥア、ミラソダのすぐそばに
三晩にわたって空から大火が降る。
原因は口がきけないほど素晴らしく見えるが
その直後に地震が起きる。
(第一巻四十六番)


ノストラダムス ここにうたった事件は、最初のきっかけこそ人間が作るが、基本的には自然災害だ。
科学者グループが地球のさまざまなエネルギー場を研究するうちに'それを戦争をはじめ種々の目的に利用しょうと考える。
ようやく自然界で直接の実験を始めるとき、あやまって地球周辺のエネルギー場を破り、一筋のエネルギーが宇宙に飛び出す。
その結果'限石が引き寄せられて次々と地球に飛び込んでくるようになってしまう。
この事故は北海の近辺で起きるだろう。
科学者は破れの修復に努めるが、まだ実験段階であるためへ地球周辺エネルギーの均衡をすぐに復旧できjほど装置の精度が高くない。
修復する間に集辞した圧力がl定量に達すると、その直後に地震が発生するのだ。


わたし-なぜ三つの名前が入っているのですか?


ノストラダムス-この計画はひじょうに危険なため政府の秘密プロジェクトにされ、コードネームが使われる。
「ミランダ」は、主要な実験施設の場所のコードネームをアナグラムにしたものだ。
この事件とこれらのコードネームとの関係が一般の人々にまったく知られないのは、政府が何としてでも事件全体の隠蔽をはかるからだ。
政府も大気圏に何度となく突入して-る限石までは隠しきれないのだが、一般人にとってその理由はつねに不可解なままだろう。


わたし-すると'コードネームを解読できる人々がどこかにいるのですね?


ノストラダムス・・・そのとおり。
コードネームがさまざまな政府グループによって解読されている可能性はある。この事件に関わっている政府が必ずしも英語圏に属しているとはかぎらないからへコードネームも英語とはかぎらない。


わたし-これまでの訳でも何か限石に関係があるとは解釈されていたのですが、彼らは自然現象と結びつけようとしています。


ノストラダムス-一般世界にとっては自然現象と見えるし、未来の歴史の教科書にも自然現象と記載されるだろう。自分たちの役目が政府の重大機密であるため'科学者たちがその情報をいっさい漏らさないためだ。


遺伝子操作による人種改良


一九九九年の七の月に
空から恐怖の大王がやってくる。

 彼はモソゴルの大王を蘇らせる。
 その前後、戦争が幸福に統治する。
            (第十巻七十二番)


 これは珍しく日付が記されている四行詩である。


ノストラダムス…この日付は間違いない。この戦争の時代には多くの実験がおこなわれ、平時には
通常あまり恐ろしすぎて探求できなかったようなテーマが研究される。

実験は人種改良に関係している。

つまり、特殊な特徴をもつ品種を作るために動物をかけあわせるように、人間を交配することだ。

これは秘密裡に数十年、いや今世紀の大半をかけて続行されている長期計画なのだ。

彼らはこの戦争中に研究成果を実地に試そうと決めた。
 その一つは、機敏さ、賢さ、強さは残したまま、交配によって人間を退化させて原始性、非文明性、
淳猛性を強化した人種を作り出すことだ。この不幸な人々は、普通の兵隊と比較してどれほど効率
よく任務をこなせるかを調べるために、戦争で使われるのだ。

彼らはすべてを表に記録している。
この時期には世界じゅうで戦争が展開されるため、きわめて動揺した時代になるだろう。

二十世紀は戦乱のひどさでは最たる世紀だ。


わたし…同感です。誰がこんな実験に手を染めるのですか?


ノストラダムス…はっきり予見できないのだが、一種の共同研究、それも主要国同士が組んでいるのは明らかだ。このような研究に投資する金をもっているのは主要国だからね。


わたし…アメリカも?


ノストラダムス…そうだ。アメリカ、ロシア、日本、そしてヨーロッパの数カ国だ。


わたし…そんな話は一度も聞いたことがありませんが。


ノストラダムス…極秘計画だからだよ。


わたし…「恐怖の大王」 にはどんな意味があるのですか?


ノストラダムス…この計画の総合的監督に当たる人物は相当の権力をもっているので、さまざま領国の政策決定に影響を及ぼすことができる。

いわば王権の背後にいる実力者であり、支配者というよりもむしろほんとうの王様だから、誰からも恐れられているのだ。

あるいはこの人物の名を別のつながりで聞いたことはあるかもしれないが、その可能性は小さいだろう。ひどく秘密主義のため、彼のふるう権力に誰も気づかないのだ。


 人種改良といったが、ノストラダムスは遺伝子操作とか、あるいはクローソ人間とかの可能性を予見していたのだろうか。

動物ではすでに実用化されている。科学者たちは人間に対する実験はおこなっていないと執拗に否定している。秘密のうちに、戦争目的にプログラムされたある種の人間の交配実験が進行しているなどということが、ありうるのだろうか? ノストラダムスによれば、それらの人間たちは世界の若者のためどころか、戦争に使われるのだという。ただひたすら殺人に生きるような人間を、遺伝子操作とクローソ技術で生み出せるのだろうか。そんな生き物を人間と呼べるのだろうか。たしかに彼の言うとおり、こんな非人間的な実験は戦時でなければ実行できま
い。


 同時にこれは、第二次大戦中にヒトラーがおこなった実験のことも言っている。

選択交配によって超優秀人種を作り出そうとしたのだ。

この四行詩も、類似の状況で生じる二件の別個の出来事を述べた例といえよう。
 プレソダは、クローソ人間だと解釈したわたしの説には同意しなかった。

その実験が人間の選択交配を取り扱っていることに間違いない、とノストラダムスがはっきりと確信していることは、彼が見せられた場面から判断して間違いないというのだ。

一九三〇年代に始まって以来極秘のうちに続けられてきた、何世代にもまたがる長期計画の結果、短期間の世代交代(十代の両親)と選択交配によって七十余年の期間のうちに多大の〝進歩″が達成されたのだ、というのである。


 いずれにせよ心象風景を見ていたのはプレソダなのだから、彼女の言うとおりかもしれない。

選択交配による人間改良それ自体もひどく恐ろしいが、しかし遺伝子操作がこれほど発達している以上、何らかの関与があると考えざるをえない。

ノストラダムスにはあまり複雑すぎて理解できなかったため、明快にブレンダに伝えられなかったのだろう。


 人間の群れから九人が分離され、
 審判と忠告から隔てられる。
 彼らの出発と同時に運命は分かたれ、
 K (カッパ)、Th (セータ)、L (ラムダ) は
死に、追放され、道に迷う。
             (第一巻八十一番)


ノストラダムス…これはまだ起きていない。カトリック教会の運命と、紛争の時代の終末に起きる事件の両方に言及した詩だ。


 カトリック教会に関するほうは本章には無関係であるうえ、これまでの章の内容と重復するので、省略したい。


ノストラダムス…紛争の時代が終わりに近づくころ、各分野からつねに進歩的で明敏な科学者を集めた委員会が透足する。この紛争の時代における超強力兵器開発の戦略家として招集されるのだ。
これは第二次大戦中に作られて原子爆弾を開発した科学者委員会ときわめてよく似ているが、もっとひどい兵器が登場する。
彼らは隔離されるため'戦争の進展状況などについてはまったく認識していない。

兵器が完成したとき、戦況は変化し、彼らはすでに劣勢におちいっており'結局彼らの側は負け、戦勝国側は科学者たちの正体を発見する0
彼らの運命はこの兵器開発における役割に応じて決定される。
恐ろしい死を迎える者もある。
詩のなかのギリシャ文字はそれぞれ、とりわけ劇的な運命を迎える科学者のイニシャルをあらわしている。


わたし-前出のあの有名な詩では一九九九年七月と示されていましたが?


ノストラダムス-これまでに話した内容にしたがって四行詩を結びつけるのは'あなたの仕事だ。


わたし-では'この人々が舞台裏で動いている人物なのですね?


ノストラダムス-それはちがう。この九人の科学者は関係者だからへ おおむね世界に知られるだろう。
その一方で舞台裏の連中は、世界じゅうに散らばるシンパ団体の'金と力をもつ共鳴的支持者たちの援助で逃亡するのだ。


わたし-イニシャルで認識できる科学者はこの連中なのですね。


ノストラダムス-そうだ。時がくれは科学者たちにこのイニシャルが当てはまるだろうe


 ノストラダムスは多-の四行詩のなかで反キリストを〟世界″と表現している。
その権力の絶頂期に世界の多-の部分を征服し、世界の独裁者の観を呈するからである。


第3巻九十二番の「世界はその終蔦に近づく」は、この詩に述べられた出来事が反キリストの力が弱まりはじまることを意味しているのだと考える。