弁護士さんに依頼してから2週間後、通知の返事が来ないため
裁判手続きに入るという報せを受け、私は依頼者と会った。
依頼者は落ち着いた様子で、私に言った。
依頼者 「・・・死んだ方が楽ですよ。」
私は聞き流したつもりだったが、その言葉は私の中のどこかに引っ掛っていた。
そして、その報せを受けたのは、その日から数えてちょうど45日後の事だった。
その連絡は、依頼者の奥さんからだった。
奥さん 「遺書を残して、居なくなってしまいました。」
阿部 「・・・?」
当初、私は何を言っているのか全くわからなかった。
裁判が始まっているだろうに、なぜ、いなくなる必要があるのか。
しかし、奥さんの電話の様子から緊迫した空気を読み取り、私はすぐに向かう旨を伝え、電話を切った。
そして、紹介した弁護士に現在の状況を聞いた。
弁護士 「・・・順調だよ。仮差してるから、焦ってるのは向こうだし。」
つまりは、弁護士は先に債権保全のため、相手の詐欺師の資産に仮差しを行い
身動きを取れなくしてから、裁判に挑んでいたのである。
なぜ勝ち戦の前に、当事者である依頼者が・・・。
私は依頼者宅に向かう車中で考えていた。
そして、依頼者宅に到着すると、依頼者の家の前に強面の車が1台
中にはそれっぽい格好の男が2人いた。
チンピラ1号 「お前か!!○○っていうのは!!」
阿部 「・・・何だお前?」
チンピラ2号 「おいっ、手荒な真似はするな!!すんませんねぇ~、○○さん」
阿部 「ば~か、俺は○○じゃねぇ-よ。」
チンピラ1号 「とぼけんな!!」
阿部 「○○さんは、遺書おいて出て行ったんだよ!!バカタレ!!」
チンピラ1号 「うそっ!?」
続く
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