春雨は いたくな降りそ 桜花 いまだ見なくに 散らまく惜しも
―万葉集
春の疾風が、木々を揺らす風音で目覚めた朝はいかがお過ごしですか?
まだ咲き始めの「桜花」は、こんな春の嵐にも“散る・・・”心配はないことでしょうが、
桜の季節には、実に様々なことが想い出されますね。
私事ですが『由美』本店 www.yumi-ito.com では、そんな桜花爛漫の咲き誇るこの美しき4月に、
間もなく開店“満”27周年を迎えることとなりました・・・
さて、今年の「花見」は、「清明」初候の今週末が、
最も優美に夜桜が映える宵となりそうですが、
この「花見」とは、いったいいつ頃からの風習なのでしょうか?
日本には「古事記」「日本書紀」の時代の遥か古えより、
山の神様である「サ神様」を祀っていた歴史がありますが、
この「サ神様」とは、古代民族が最も尊敬していた神様で、
“座る”ことを意味する“しゃがむ”は、“サ拝む”が“しゃが拝む”となり、
つまり「サ神」を拝むことと関係があります。
また「サ神」は、普段は山の頂上に棲んでいて、
簡単には近寄れなかったことから“サカイ(境)”と云う言葉も生まれ、
その他では、お供えものは“サケ(酒)”。
「サ神」に山からいただく月のことを“サツキ(皐月)”と呼び、
さらには“サクラ(桜)”の呼び名も、「サ神」の“サ”と“クラ”は神霊が鎮まる“座”を意味し、
そこから“桜”となり、つまり「サ神様」の依る“サクラ”の下で、
“サケ”“サカナ”を“ササゲル”と云われました。http://homepage2.nifty.com/masa555satou/m1sakura.htm
由美ママ近所の「東大医科研病院」構内の桜も見事に満開!http://ameblo.jp/ginzayumimama/entry-10495838379.html
このように「サ神様」は、「春になると人里で一番美しく咲いている桜の木の下に降りる・・・」と云われ、
「サ神様」が居る“サクラ”の木の下で、その「サ神様」のお下がりの“サケ”や“サカナ”をいただくことは、
昔から神様に対する神聖な行事で、それが後の「花見」の由来となり、
赤・白・緑の花見団子も生まれました。http://www.uny.co.jp/syunsaituusin/saijiki/3gatu/3gatu_m.htm
その後、幾年の歳月を経て、奈良時代は一時、唐から伝来した“梅”が「花見」の主役となりましたが、
平安貴族の時代に入ると、再び“桜”が主役に返り咲き、
貴族や上流階級の人々に限られた風流な催しとなりました。
それがやがて、江戸時代に入り、だんだんと庶民の楽しみへと変わり、
「花見」の前日からお弁当の準備や、来ていく服装を選んだり・・・と一大行事となりました。
「八芳園」 http://www.happo-en.com/
白金台一丁目(桑原坂)に存在する「古地老稲荷神社(こじろういなりじんじゃ)」は“火伏せの稲荷”
http://www.withfox.jp/guideminato/kojiroinarijinja.html
玉持ち子連れの“お狐さま”
そんな「花見」を通じて、このように悠久の昔からの人々の工夫や心の豊かさを知り、
その心が、“日本の良き愉しみ”として、こうして現代まで受け継がれているのは、
なんと素晴らしいことでしょうか・・・
この週末は、皆で古からの風雅な宴・・・「花見」を愉しみたく思う由美ママでした!!!