「大徳寺」塔頭『高桐院』“石畳の参道”散策・・・京都最古の禅寺『建仁寺』“大雄苑”でのひととき | 銀座由美ママの心意気

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働く女の心意気を、銀座という世界を通して、様々な観点から表現したくブログを始めました。 そんな銀座ママの日常です。どうかご笑覧下さいませ。




荻吹くや 崩れ初(そ)めたる 雲の峰  

―正岡子規

 

葉月最後の日曜日となりましたが、風が心地よいこんな朝はいかがお過ごしですか?




由美ママは、ある一日、京都「大徳寺」の塔頭『高桐院』に参詣し、

細川三斎公の手で建立された名茶席「松向軒」の幽玄な黒壁を眺め、ゆったりと瞑想に耽って参りましたが、

あんなに暑かった京の空も、見上げるとあの雄大な“雲の峰”も崩れ初め、

“荻”の葉が風にそよぐ中、だんだんと“秋の雲”の景色に変わる風雅な様を愉しみました。



銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院 参道 銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院 参道石畳
「大徳寺」塔頭『高桐院』“石畳の参道”


銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院 松向軒 銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院 黒壁の松向軒
黒壁の幽玄の世界・・・茶室『松向軒』

銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院 三斎公井戸 銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院 袈裟形のおつくばい
「細川三斎公」の“井戸”と“袈裟形のおつくばい”


銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院  銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院3

銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院 庭園
『高桐院』書院に寛ぐ由美ママ・・・

銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院  銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院 書院からの庭園
“細川三斎公建立”「大徳寺」塔頭『高桐院』の書院  http://iggy.jp/otera/koutouin/koutouin.html


銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院 細川九曜紋 銀座由美ママの心意気-大徳寺高桐院 三斎公 墓石
細川家の“九曜紋”と「三斎公墓石」



さて、掲句の“荻吹く”とは、「荻の葉を揺らす風がたてる音」のことで、

古より、“荻”の艶やかで潤いのあるこの葉は、秋の風を受けて気持ちの良い音を奏で、

「そよ」「そそや」と表わされていましたが、読みの“ヲギ”は、神または霊魂を招く・・・

という“ヲグ”からの由来とされ、古代の人々は初秋に吹く“荻葉風(おぎのはかぜ)”に神の声を聞いたとされていました。



また、秋風にそよぐ“荻の群生”は、しばしば歌に詠まれ、“荻”というと“秋の風”を連想させてきましたが、

古典に於いての“荻”は、「秋はきぬ年もなかばに過ぎぬとや荻吹く風のおどろかすらん(千載230)」
の寂然法師の歌が知られ、この歌は、元は古今集の「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかねぬる」という藤原敏行の名歌を踏まえた歌なのですが、

秋の到来を日常の生活感覚で捉え、「年も半ばに過ぎぬとや」の一節に、季節の変化から年月の経過に、

より深い感性があるように思えますが、この透明な“秋の風”が“荻の原”を吹き流す美しさは、思い思いに立ち返りし、静かな“秋の音”を届けてくれるような気がしますね。http://www23.big.or.jp/~lereve/saijiki/170.html



銀座由美ママの心意気-建仁寺双龍図2 銀座由美ママの心意気-建仁寺 双龍図
“京都最古”の禅寺『建仁寺』双龍図

銀座由美ママの心意気-建仁寺 風神雷神図屏風 銀座由美ママの心意気-建仁寺 座敷
『建仁寺』“風神雷神の屏風”

銀座由美ママの心意気-建仁寺大雄苑 窓

銀座由美ママの心意気-建仁寺大雄苑2

銀座由美ママの心意気-建仁寺大雄苑 銀座由美ママの心意気-建仁寺 大雄苑
京都最古の禅寺『建仁寺』 “大雄苑”で瞑想する由美ママ http://www.kenninji.jp/index.php



銀座由美ママの心意気-SAMURAI 銀座由美ママの心意気-SAMURAI2


ところで、細川公・・・と言えば、現在、サンフランシスコ『ASAIN ART MUSEUM』にて、【SAMUTAI】と題する展覧会が開かれていますから、熊本城や、永青文庫にしまわれる細川家の秘蔵の収集品数万点の中から、160以上の選ばれた作品が展示されているようですので、サンフランシスコに行かれる機会がありましたら、是非、ご覧になられてはいかがですか?  ~Sep,20,2009まで・・・ http://www.asianart.org/Samurai.htm



銀座由美ママの心意気-閑居に生きる
「和楽」“モック”『閑居に生きる』も好評発売中・・・http://www.waraku-an.com/book/index.html




風の音や 汐に流るる 荻の声  

―幸田露伴「露伴全集」


初秋の“風の音”から、秋を知らせる“荻の声”が聞こえる頃となりましたが、どうかそんな“ささら荻”が、風に吹かれるまま、しなやかに翻り裏返り、一瞬、仄白い葉裏を見せつつ作り上げる瑞やかな紋様を愛でられるようなよき日曜日をお過ごし下さい。