テレビ再放送 | 銀座きものギャラリー泰三

銀座きものギャラリー泰三

一度は袖を通したい着物がここにあります。きもの創作工房 (株)染の聚楽

最近ちょっと投稿の間隔が長くなっていて気にはなっているのですが、何か良いニュースでもあればと思いながらも、本当に寂しい悲しい話ばかりが続きます。

京都の型友禅の老舗がどうやら廃業するらしいだとか、今年になってからでも水面下で随分廃業が増えていて、来年はもっと増えるのではないかと言われています。

経営者自身の高齢化と後継者がいないということ、本業の業績が悪化して、他に収益物件を持っているなどと言う場合も、年齢に関係なく廃業しているところが少なくありません。

ナショナルチェーンの店外催事などは問屋から借りているものに5倍も6倍もかけるというようなことが横行し、メーカー出し値の10倍を超えるということが常態化しているようです。

普通の値で貸すととんでもない値になるのである程度の金額で売るとなると、メーカーの利益などないにも等しく、勢い作り方も粗雑で、生地もペラペラということになります。

それでも利益が出ないとなると将来展望が描けず、致し方なく廃業を考えるか転業も視野に入れています。あるメーカー問屋はレンタルショップ展開を始め従来のものづくりを止めてしまったそうです。

今までチェーン店は物はいつでもいくらでも集まると思っていたでしょうが、そうは行かなくなる事態もついそこまで来ています。

専門店筋はそこまでひどくはないとは言うものの、ほとんど委託でいまだに支払いをそうとう遅延しているところもあるようです。

基本的には仕入先を大事にし無いところに繁栄も、継続もありませんね。

過日のテレビ放映をご覧になった方が、泰三さんが職人さんを大事に思っていることがよくわかったとおっしゃっておられましたが、実際良い仕事をしてもらうような遣り甲斐を提供し、かつ指導もしていくというのが我々の仕事です。
それだからこそ常に変わらぬ品質の高いものづくりを維持出来て来たのだろうと思います。

メーカーを軽視した結果、雑巾よりひどいようなキモノがうろうろしていますが、こんな時代に粗製乱造など愚の骨頂だといわざるを得ません。

あのテレビ放映は大変好評だったということで、全面的にお世話した私も嬉しいのですが、再放送のリクエストも多かったようで、来る<strong>1月4日(水)7時</strong>から同じくBS朝日で、皇室スペシャルの拡大番ということで4時間の番組となり、その中で再び私や職人さんたちが登場するようです。

ともに白髪の生えるまでと一緒にやってきた職人さんたちもほとんど70歳を超え、流石に老いを感じるこの頃で、20年前のような仕事ぶりは無理としても、今ならギリギリかなりの水準のものは作れますが、最近白生地の質が落ちているだとか、原料側にも色々な問題が山積みですし、日本の誇る最高級の仕事ぶりができるのも、いつも私の指摘通り、あと5年いないかもしれないというのは何か業界の合い言葉のようになっています。

またも寂しい話で恐縮です。