綺麗なキモノ | 銀座きものギャラリー泰三

銀座きものギャラリー泰三

一度は袖を通したい着物がここにあります。きもの創作工房 (株)染の聚楽

私の書くブログやフェースブックの投稿を見て、最近毎月色々なところから新しいお客様が来られます。
私の店は東銀座の駅に近いので、羽田から京浜急行で直通で来られますから、飛行機が飛んでいるところだと京都よりも銀座のほうが早いとおっしゃいますし、歌舞伎座からも近いので、観劇がてらおいでになる方も少なくありません。

その方たちが総じてみなさんこんなきれいなキモノを見たことがないとか言われます。

綺麗なキモノというは抽象的ですが、地色とか仕事の上げ方とかで感じられることでしょうが、モノづくりをするものが、いわば美しいキモノを作ろうとするのは当然のことなのに、そうでは無いものづくりが多いということなのでしょうか。

実際チェーン店などでは、いやに濃い色のキモノが多いのは確かですが、これは以前にもお書きしたと思いますが、信じられないほど奇跡的に薄い白生地(夏物では無くて)で染めるので、中間色や薄い色の綺麗な色を染めると、透けてしまうのです。

ですから仕立ても裏地に何と墨色のような色を当てるのです。
それがいまの流行だとかいい加減なことを言って、ペラペラの生地のものを売っているというのがが実態です。

だから地方ではデパートまでもが、センスの悪い問屋とつきあうので、いわゆる高級感のある上品で上質なキモノに巡り合うことがないのも致し方ありません。

地方の専門店がもっと本物志向で目線を上げてもらいたいと思うのですが、現実は問屋が仕掛ける店外催事で、いわゆる作家ものとか企画ものとか、まあ中には本物とは程遠いものを扱い続けているのでしょう。

私は特に変わったことをしているわけではなくて、そのキモノをどんなところで着るだろうかというTPOを自ら設定して、その場に相応しい色使いや意匠を考えています。

直接販売する道を選択出来てから、その思いをお客さまに、物知らずの他人を介さずに伝えられるので、作り手として遣り甲斐があります。

情けない流通業者がとんでもない利益率を貪るために、モノづくりをするものへの配分がとんでもなく少なく、こんなものキモノか、というものを作らざるを得ないというのは、本当に嘆かわしく、業者自らが自分の首を締めてその文化を低級なものへ貶めています。

その流通環境を変える勇気が無いので、自然と目線が下へ下へ向いて、ろくなものが作れないというのは、京都人としての矜持があるのか疑わしく心配ですがまあそういう輩はいずれ淘汰されてしまうことでしょう。

消費者が何を求めているのかを全く知らないで物を売るなどということは他業界では信じられないほどの愚行です。この道で飯を食うなら自分が着る立場になってどんなキモノが着たいと思うのかよく考えて欲しいものです。

私はこれからも綺麗な美しいキモノを提案して行くだけです。

是非一度私のそうしたものづくりの結晶をご覧頂ければと願っております。