今日は祝日ということもあってか、遠くは関西からも銀座近視クリニックにお越しいただきました。


遠方からも当院を探して治療にお越しいただけるのは本当にありがたいことです。


遠方からいらっしゃった方は遠視度数が+7D(ディオプター)の強度の遠視に2D(ディオプター)以上の強度の乱視で、さすがにこれだけ強度だと、日常生活は眼鏡なしでは困難なくらいで、かつ、遠視の度数からもたとえ眼鏡をかけていても度数が強すぎて、普段の見え方に大きな違和感があって当然の状態でした。


角膜の厚さや形、遠視・乱視度数から片方の目はウェーブライト社のエキシマレーザーでのiFSイントラレーシックで、もう片方の目はAMO社のエキシマレーザー、ビジックスを使ってのラゼック治療をすることになりました。


近視を治療する場合には単純にそこに存在する近視を治療すれば、裸眼でよく見えるようになるので、比較的シンプルな話なのですが、遠視が強い方は遠視の戻り(レーザーの種類によっても異なります)や調節力など、さまざまな要因が結果に影響するので、どの程度、どのようにレーザーによる矯正をするかは慎重な判断が必要です。


また、屈折度数が安定するまで3~6ヶ月はかかりますから、治療後はしばらくは様子見です。


その他、今日はiFSアイレーシックも行いましたが、瞳孔の大きさが暗所で7ミリ~最大9ミリ近くまで拡がる、瞳孔の大き目の方だったので、角膜を削る量を考慮しつつ、中心の照射径(OZ)を8.5ミリ、周辺まで含めると直径9.5ミリでの照射を行いました。


実際にこの照射径がどの程度、ハロ・グレアの自覚の軽減につながるかも、しばらくは様子を見ての判断ですが、照射径は大きいにこしたことはないので、角膜の厚さや瞳孔の大きさとのバランスを考慮しつつ、照射径を決めていく必要があります。


iFSレーザーを使い始めて感じるのが、そのオーダーメイドの幅広さで、乱視度数によっては楕円形のエキシマレーザーの照射を行う際には今までのレーザーでは不可能な、楕円径のフラップ作成もできますし、また、フラップのエッジ(端の部分)を傘のように広げた鋭角に切ることができるので、フラップを戻す際にもはめ込むようにして戻すことができます。


今日はiFSイントラレーシックではエッジを140度(従来のイントラレースFS60レーザーは通常70度程度、Zレーシックで使うレーザーは決まった角度をつけることもできない)で作成しましたが、はめ込むようにフラップをもとに戻すことができました。


こうしてiFSレーザーで鋭角のフラップを作ることができるメリットは、はめ込むようにフラップが収まっているので、他のレーシックの3倍の強度が得られるだけでなく、上皮迷入(じょうひめいにゅう、イングロース)といって、フラップのエッジから角膜の上皮細胞がフラップの間に入り込んでいき、進行すると視力が低下してしまう合併症が限りなくゼロに近づけることができることにあります。


マイクロケラトームによるレーシックやマイクロケラトームと同じくフラップのエッジに決まった角度をつけることができないZレーシックでは上皮迷入の合併症が数パーセントの確率で生じているのに対して、今までのイントラレースFS60レーザーでもフラップのエッジに角度'(70度程度)をつけることができたので、上皮迷入の合併症が0.5%未満と低かったのですが、iFSレーザーでは90度以上の角度をつけることができるので、上皮迷入の合併症はかなり稀になることが予想できます。


安全第一でベストな結果が出るように、明日からもがんばります。