高杉夢小説*獣と雨 4 | I LOVE 銀魂~夢小説~

高杉夢小説*獣と雨 4

獣と雨 シリーズ



最終回になります^^


どうぞ~~!!



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獣と雨 4








冷たい風が、頬を切るように流れる。



私は息を切らしながら、船の前まで走った。



これからどうするかも考えていない。



でも彼に会いたいって気持ちは変わらなかった。



初めて聞いた銀さんの気持ちには驚いた。



2人とも、私にとって大切で・・・できることならずっと一緒にいたい。



高杉とも・・・銀さんとも。



2人にどんな関係があるかなんて分からない。



でも、どちらか1人としかいられないという事はなんとなしに感じていた。



でも、決めた。



私は・・・高杉と生きる。



例え危険な道でも、もう決めた事だ。



後ろは振り返らない、彼への道を走るだけ。



月明かりしかない、真っ暗な道。



私は立ち止まり、息を整えた。



目の前に浮かぶのは、物静かな大きな船。



ゆっくりと歩み寄ると、入り口に人影が見えた。



「・・・高杉さんっ・・・」



腕を組んで入り口にもたれかかる彼の姿。



ついさっき別れたばかりだというのに、長い事離れていたような



苦しい気持ちが胸を締め付けた。



私の姿に気がついたのか、少し目を開く高杉。



けれど、すぐに目を逸らされた。



あと数メートルで彼の傍に行けるというのに



私の足は動かなかった。



“嫌い”なんて言われてもいないのに嫌われたみたいで



言葉がつまり、うつむく。



「・・・自分から戻ってくるとはなァ」



すると、そう高杉の声が聞こえた。



ククッと喉を鳴らす笑い声に顔を上げる。



・・・やっぱり彼は素敵だ。



ただ立ってるだけなのに、かっこよくて



風にゆれる髪が綺麗で



つい、見惚れてしまう。



私は大きく息を吸ってから、彼の元へ走り出した。


――――想いを、伝えよう。



彼に惚れていると、言おう。





けれど拳を握り締めて走った私の足は、ピタリと止まった。



首元で鋭く光る刀。



私と彼を隔てる距離は、刀一本分。



「な、なんで・・・」



震える声でそう問いかける。



冷たい目でこちらに刀を向ける高杉。



私はただただ目を見開いて立ち尽くした。



「逃げておいて、何でここへ来た」



低い声でそう言う高杉。



そうだよね・・・勝手に逃げて、勝手に戻ってきて。



そう言われるのも、無理はない。



送られる強い眼差し。



私はその目を、まっすぐに見つめ返した。



・・・いつからだろう。



この人に睨まれても、体が震えない。



怖く、ない。



「・・・―――っ!!」



私は刀をよけて、高杉の腰へ両腕をまわした。



顔をうずめて、ギュッと抱きつく。



そして、静かに想いを告げた。






「何でって・・・惚れてるから、以外に理由はありますか?」






本当に、その通りだ。



好きだから、一緒にいたいからここへ来た。



やっと自分の気持ちを言えた私の心臓は、今頃になって激しく鳴り出した。



そういえば私・・・結構大胆な事をしているような気がする。



カァーッと顔が熱くなりながらも、今更彼から離れる事は出来なくて



ただ黙り込むしかなかった。



すると、カシャリと刀が地面に落ちる音が聞こえた。



それと共に、高杉の腕に体を包まれ



強く、抱きしめられた。



「随分と生意気な口を聞くんだな」



耳をくすぐる囁く声。



ドキドキして、言葉を発することが出来ないでいると



高杉が私から離れた。



それを少し寂しく思い顔を上げると、こちらを見下ろす彼の顔。



目を細める甘い視線に、頭がクラリとした。



そして、そっと頬に手を添えらる。



「もう、俺から離れるな」



小さく囁くと、彼の唇が重なった。



静かな星空の下。



2人の吐息だけが聞こえる。



ゆっくりと顔が離れると



2人はもう一度、強く抱きしめ合った。









冷たい夜風が吹き抜ける。

走り去る後ろ姿を見つめ、立ち尽くす銀時。



そんな背中を、心配そうな面持ちで見つめる2人がいた。



「銀さん・・・いいんですか、本当に」



静かに問いかける新八。



「みなにもう会えないアルか」



眉を下げる神楽。



2人の声に、銀時はゆっくりと振り返った。



そして気だるそうに頭を掻き、歩きだす。



並ぶ二人の間を通り抜けながら、



「会えるに決まってんだろ。・・・さよならなんて言ってねぇしな」



そう言った。



どこか寂しそうな表情で、悲しそうな背中だった。



ゆっくりと歩いていく銀時の後姿を、ただ見つめていた2人。



新八と神楽は顔を合わせ、頷きあった。



「お腹空きましたね~!今日は鍋にしましょうよ!」



「銀ちゃんの失恋パーティーネ!!」



大きな声でそう言い、銀時の両腕を掴んだ。



「んな金ねーっつの」



腕をグイグイと引っ張りはしゃぐ2人に、呆れた声を漏らす。



でもま・・・今日ぐれーいいよな。



心の中で小さく呟きながら



2人の笑顔につられて、小さく笑った。







【完】



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ど・・・・どうでしたかね~;;


あっさりすぎたかな(;´▽`A``


もっと起承転結のある小説を書けるよう頑張りたいです(汗)


ですが、ここまで読んでくださり本当にありがとうございました!!!


そしてこの作品は定春様のリクなしじゃ成り立ちませんでした><


本当に感謝しております(*^▽^*)!!


ありがとうございました♪




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